超隠れ家的ラーメン屋さん 【ラーメン とし】
2017.04.23
知る人ぞ知る、知らなくとも特に困ることのない超マイナーなラーメン屋さん。
この道は近所の人間以外はまず通らない。都道234号前沢保谷線が開通してだいぶ開けた感じになったが、以前は本当に何もない住宅街だった。

落合川沿いの遊歩道方面から見える店舗裏にものぼりが出ているが、入り口側よりもこっちのほうが人目につく。
なぜこのようなハードルの高い物件に挑む気になったかというと、たまたま通りかかって奥まった店舗の様子をうかがったら入り口が開いていて入りやすそうに思えたのと、単純にそのときものすごくおなかがすいていたのと。

おそるおそるのぞき込むと年配の男性がラーメンを食べている。
「いらっしゃい」とそのおとうさん。
客ではなく店のご主人だった。
タイミングが悪かった、と思いつつも招かれるまま中に入ると、ご主人は席を立とうとする。
「ゆっくり食べてください」と慌てて制して反対側に座る。
「何にします?」と聞かれ、ワンタンメンと答える。
「私、いま食べてるのがワンタンメン(笑)」
「うん、おいしそう(笑)」

狭い店内にはテーブルが1つ。その2辺に合わせて壁にL字形にベンチが備え付けてある。キャパはぎりぎり4人くらい。真新しい天然木使用の山小屋風のしつらえで、すごく居心地がいい。向かいの壁の小型テレビでは『NHKのど自慢』。
結局、ご主人は全部食べないままどんぶりを下げてしまった。
10分後にまた来ます、といったん外すような気の利かせ方はできなかったものかと反省。

ご主人は店の外に出て隣の土建会社の事務所に向かう。
正確には隣ではなく土建会社の敷地内の掘っ建て小屋がこのラーメン屋、なんだと思う。
戻ってきたご主人の手にはビニール袋入り生麺。製麺所の麺ではなくそのへんのお店で買ってきた感じ。まあ、しょうがない。
食堂と壁を隔てた向こうが調理場で、小さい配膳口が開いている。その窓からちらちら調理の様子がうかがえる。
途中、隣の事務所から男性が空のどんぶりをもってきた。土建会社を息子に任せて引退した先代社長が始めたラーメン屋、という図式だろうか?

「ワンタンメンおまちどお!」と配膳口からの提供。
ワンタンのほかに、チャーシュー、メンマ、小松菜、ナルト、ネギと具だくさんだ。そしてこれら具材に業務用の気配を感じない。特にメンマは薄味だから塩蔵メンマの香りがくっきり残っている。ワンタンのあんも冷食特有の嫌なにおいはない。スープはあっさりでも野菜の優しい甘味を感じる。
全体に、このたたずまいから想像される家で作るラーメンのようかというと全然違って、完全にお店の味。しかも相当おいしい。個人的にはいまどきのいろいろ過剰なラーメンよりこっちのほうが断然好みだ。

あとでネットで調べたところによれば、奥さんが以前ラーメン屋をやっていて、ご主人も手伝うことがあったと。土建会社引退後(やはりそうだった)、昔取った杵柄で2人でラーメン屋を始めた。いまは奥さんが体調を崩されご主人1人で切り盛りしている、とのこと。
お支払いのときにいつからやっているのか聞いてみた。
お店を始めたのは平成27年10月で、でもすぐに休んでしまい、今年2月に再開して、また休んで… といろいろ大変だったらしい。ということなので「まだ何カ月もやっていない」そうだ。
「再開したのはいいけど、週に3日休みにしたから明日からまた休みで」とご主人。「そのあと5月には田舎(長野県飯田)に行って屋根にペンキ塗らなくちゃなんないし」と、なかなか軌道に乗せられないようだ。
マイペースでおいしいラーメンを作り続けてください。お体には気をつけて。

[DATA]
ラーメン とし
東京都東久留米市中央町5-1-2
[Today's recommendation]

https://youtu.be/JDn7q54gMws


南沢緑地のイチリンソウ(奥の大きい花)とニリンソウ
晩ごはんは…
2017.04.23 仙石/東京都東村山市栄町2-8-5
サービス品(なっとう巻、シーチキン巻、しゃけ巻、牛肉巻)320円、同(かんぴょう巻3、かっぱ巻2)300円
2017.04.23 つくば/東京都東村山市栄町3-16-17
赤飯300円
知る人ぞ知る、知らなくとも特に困ることのない超マイナーなラーメン屋さん。
この道は近所の人間以外はまず通らない。都道234号前沢保谷線が開通してだいぶ開けた感じになったが、以前は本当に何もない住宅街だった。

落合川沿いの遊歩道方面から見える店舗裏にものぼりが出ているが、入り口側よりもこっちのほうが人目につく。
なぜこのようなハードルの高い物件に挑む気になったかというと、たまたま通りかかって奥まった店舗の様子をうかがったら入り口が開いていて入りやすそうに思えたのと、単純にそのときものすごくおなかがすいていたのと。

おそるおそるのぞき込むと年配の男性がラーメンを食べている。
「いらっしゃい」とそのおとうさん。
客ではなく店のご主人だった。
タイミングが悪かった、と思いつつも招かれるまま中に入ると、ご主人は席を立とうとする。
「ゆっくり食べてください」と慌てて制して反対側に座る。
「何にします?」と聞かれ、ワンタンメンと答える。
「私、いま食べてるのがワンタンメン(笑)」
「うん、おいしそう(笑)」

狭い店内にはテーブルが1つ。その2辺に合わせて壁にL字形にベンチが備え付けてある。キャパはぎりぎり4人くらい。真新しい天然木使用の山小屋風のしつらえで、すごく居心地がいい。向かいの壁の小型テレビでは『NHKのど自慢』。
結局、ご主人は全部食べないままどんぶりを下げてしまった。
10分後にまた来ます、といったん外すような気の利かせ方はできなかったものかと反省。

ご主人は店の外に出て隣の土建会社の事務所に向かう。
正確には隣ではなく土建会社の敷地内の掘っ建て小屋がこのラーメン屋、なんだと思う。
戻ってきたご主人の手にはビニール袋入り生麺。製麺所の麺ではなくそのへんのお店で買ってきた感じ。まあ、しょうがない。
食堂と壁を隔てた向こうが調理場で、小さい配膳口が開いている。その窓からちらちら調理の様子がうかがえる。
途中、隣の事務所から男性が空のどんぶりをもってきた。土建会社を息子に任せて引退した先代社長が始めたラーメン屋、という図式だろうか?

「ワンタンメンおまちどお!」と配膳口からの提供。
ワンタンのほかに、チャーシュー、メンマ、小松菜、ナルト、ネギと具だくさんだ。そしてこれら具材に業務用の気配を感じない。特にメンマは薄味だから塩蔵メンマの香りがくっきり残っている。ワンタンのあんも冷食特有の嫌なにおいはない。スープはあっさりでも野菜の優しい甘味を感じる。
全体に、このたたずまいから想像される家で作るラーメンのようかというと全然違って、完全にお店の味。しかも相当おいしい。個人的にはいまどきのいろいろ過剰なラーメンよりこっちのほうが断然好みだ。

あとでネットで調べたところによれば、奥さんが以前ラーメン屋をやっていて、ご主人も手伝うことがあったと。土建会社引退後(やはりそうだった)、昔取った杵柄で2人でラーメン屋を始めた。いまは奥さんが体調を崩されご主人1人で切り盛りしている、とのこと。
お支払いのときにいつからやっているのか聞いてみた。
お店を始めたのは平成27年10月で、でもすぐに休んでしまい、今年2月に再開して、また休んで… といろいろ大変だったらしい。ということなので「まだ何カ月もやっていない」そうだ。
「再開したのはいいけど、週に3日休みにしたから明日からまた休みで」とご主人。「そのあと5月には田舎(長野県飯田)に行って屋根にペンキ塗らなくちゃなんないし」と、なかなか軌道に乗せられないようだ。
マイペースでおいしいラーメンを作り続けてください。お体には気をつけて。

[DATA]
ラーメン とし
東京都東久留米市中央町5-1-2
[Today's recommendation]

https://youtu.be/JDn7q54gMws


南沢緑地のイチリンソウ(奥の大きい花)とニリンソウ

2017.04.23 仙石/東京都東村山市栄町2-8-5
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2017.04.23 つくば/東京都東村山市栄町3-16-17
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