田無宿の変遷と意外な老舗中華 【仲達】

2019.03.10

 古地図散歩というものには非常に興味があるが、あれは主に大都市・江戸の名残を訪ねるものであり、都心に出るのもおっくうな人間にはなかなか実行する機会がない。
その代わりというとちょっと違うが、多摩地区のおもしろい歴史探索の手引がある。
『青梅街道田無 町並み変遷図』
(江戸)明治~現在の青梅街道田無宿における家々の移り変わりの記録である。


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『青梅街道田無 町並み変遷図』(編集:道の会、発行:近辻喜一)より。※年代は、現在:2015年、平成:1991年、昭和:昭和40年代(1968年)、戦後:昭和20年代(1950年)、大正:大正初期(1912年)、明治:明治初期(1876年)、江戸:江戸初期(1690年)


図中央を左右に通っているのが青梅街道で、道に面した上下が現在(2015年)の家並みである。
たとえば先日伺った「うなぎ 坂平」が右下に出てくるが、その横に「現在・平成・昭和・戦後・大正・明治・江戸」とあるように、街道から離れるにつれその土地の歴史をさかのぼるようになっている。「坂平」は少なくとも大正期には当地で店を開いていたことがわかる。隣の「広田豆腐店」(※2017年閉業)、その先の「野崎屋酒店」も同じくらい歴史がある。


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この冊子『青梅街道田無 町並み変遷図』と、上の「坂平」の記事で引用している『田無のむかし話』を併せて使うと、田無の街が違って見えてくるはずだ。
この2冊は去年田無の中央図書館で偶然お会いした近辻喜一さんに教えていただき、『~変遷図』は頂戴までしている。(問い合わせは西東京市中央図書館 〇42-465-〇823;libmaster@city.nishitokyo.lg.jp)


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町並み変遷図を見て意外に思ったのが、西武新宿線の高架近くにある中華料理店「仲達」である。


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昭和の街の中華屋さん、いわゆる“街中華”の典型的店構えとは違っていて、むしろ最近増えている中国系の人による出店にビジュアル的に近いので、そういう流れだと思っていた。
ところが冊子を見ると、少なくとも昭和40年代には当地で営業していたらしい。


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店先の植え込み周りは金魚の水槽やら紹興酒の甕やらで取っ散らかっており、ガラス戸はマジックミラーで、決して入りやすい雰囲気ではない。
しかし入ってみれば、高級志向の内装デザインで小ぎれいにしてあり、BGMはジャズだったりする。


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テーブルが3卓、カウンター6席のほか、奥は円卓の広い座敷になっている。


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注文は、今週の定食A:ふわふわ卵の海鮮あんかけ! 850円と、五目ビーフン炒め800円。


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ビーフンは表の看板の“お薦め品”であり、いつも前を通るときに見て刷り込まれている。
料理人は意外に若い。


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どちらのメニューも皿が大きくボリュームたっぷり。


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ふわふわ炒めにはレタスや大根の細切りが添えられていて、野菜をたくさん食べられる。


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エビ、イカ、アサリはどれも大きくてぜいたく感がある。特にイカは、もっと肉厚な種類だけれどもスルメイカ換算すれば1パイ分くらいありそうだ。卵も3個くらいは使われていそうで、惜しみなく材料を使っている感じが伝わってくる。


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ビーフンも野菜たっぷりで、材料の切り方、炒め方と、丁寧な仕事ぶりである。
味付けは濃い目で、ボリュームの多さからも、予想外のガテン系需要があるのかもしれない。


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座敷の様子や棚の酒類からみて夜は飲み屋として使い勝手がよさそうだが、実際お店の人どうしの会話からも夜の繁盛ぶりが推察される。
地域コミュニティにしっかり根差しているあたり、老舗ならではといえそうだ。


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[DATA]
仲達(なかたつ)
東京都西東京市田無町2-22-10



[Today's recommendation]

wachat190310.jpg 
◆ 猫写真はこちら その1 その2 その3




https://youtu.be/zdHg4QEmBvk



 季節の和菓子

2019.03.10 菓子舗青柳 田無店/東京都西東京市田無町5-3-4

青梅街道田無警察署の少し西。直売所のような簡素なつくりの和菓子屋さん。
実際、こちらは一橋学園駅前・学園坂商店街の「菓子舗 青柳」の販売所らしい。店頭には小平名物“ぶるべーどら焼”も並んでいる。


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道明寺140円、桜もち140円、桜まんじゅう120円を購入。


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Re: No title

kenbooさま

店名は先代? 店主の名前からとったらしいので、案外「仲代達矢食堂」なのかもしれませんよ。
ここの麻婆豆腐焼きそばはおいしそうですね。

No title

おおっ! ここは前から気になっていたお店。
何でって店名。

仲代達矢の親戚がやってるんじゃないかと(^^ゞ

このふわふわ卵の海鮮あんかけは旨そうですねぇ。
しかし、いつもあるわけではなさそうなので、
それがとても残念です。

でも「麻婆豆腐焼きそば」があるのは見逃せない!

とりあえず来店決定ですな。

Re: No title

KUONさま

イカ、たっぷりでしたよ(笑)。

広田豆腐店は、小さい字で書いてますけど、この間(2015~)に残念ながら閉店してしまってます。
石井生菓子屋→石井菓子屋→石井菓子店→以志井本店… は、現在「い志井」という屋号で駅ビルで営業してます。名に歴史… あるんでしょうか?

桜餅の葉っぱ、僕も大好きです。しょっぱいところが。
2ニャンずは春で活発化、僕は夜、寝かしてもらえません。

Re: こんばんはー

つかりこさま

> やー、とてもおもしろい記事ですねー!

↑ありがとうございます。
ただし、行き当たりばったりに食べて、記事にする段階で苦し紛れに切り口をひねり出している… というのは内緒です。
ともかく… 「仲達」の料理には長くやってきた底力、安定感を感じます。

「石井生菓子店」よく気づかれましたね。
いまこの場所に和菓子屋はなかったと思いますが、田無で“いしい”といえばアスタ地下の「い志井」。
その工場がここに残っている、とかいうことなんでしょうか?
実は最近、アスタの専門店に魅力を感じてまして、再開発立ち退き→アスタ出店組をちょっと調べてみようかな、なんて考えてます。

Re: No title

ツキさま

お豆腐屋さんは、(小さい字で書いてますが)残念ながら2年前に閉店してます。
その向こうの酒屋さんは、たしかまだやってます。
「仲達」は外観にはあまり魅力を感じなかったんですが、店内はおっしゃるとおりなぜかホッとするものがありました。
料理も安定感ありそうです。
拝島の赤テント、楽しそうですね(笑)。

No title

ふわふわ卵の野菜あんかけのボリュームに見とれました。私はイカ好きなので(聞かれてないけど)特にみとれました。大根もね。いいですね。ビーフンもちまちましていなくて、おおらかな感じで素敵、おいしそう、と。

そして地図。あれこれ思うところありました、うなぎの坂平さんの続いている様も、へええなるほど、ですが。広田豆腐店が続いているようで、よし、いいぞ、とか。個人の豆腐屋さん今は貴重です。

石井生菓子屋さんが→石井菓子屋になり、石井菓子店になり、「以志井本店」とかに変遷しているのを見ると、おかしいと言って失礼か・・まあ、ご立派になられまして、というか・・もう言いません。(笑)。名に歴史あり、みたいなこと、考えて、楽しい思いをさせていただきました。

春は和菓子もキュートですね。桜餅の葉っぱ大好き(聞かれてないって!)失礼しました。葉っぱ、お茶に浮かべて香りを楽しんだり・・。

2ニャンずもシンクロしてはりますね。

こんばんはー

やー、とてもおもしろい記事ですねー!
いいですね、時代の変遷がわかる図面。
NHKなら、パッパッと変わるCGを作っちゃうんでしょうか。

仲達さん、メニューを見ると昭和の底力というか
これまでずっとやってこられた理由がわかる気がします。

石井生菓子店の歴史の長さも、ほうっておけませんね。
やー、おもしろい!

No title

クロノバイザーなる時間計測メガネで覗くとアラ不思議な冊子に早変わり・・なんて仕掛けがあれば楽しいのに(笑)
どちらも明治と大正を境に街の顔を変えてきた跡が見られますね。中でも坂平さんの並びのお豆腐屋さんが気になる。個人商店が生き抜くことさえ困難となった平成にあって、軒を広げるなんて実にアッパレな街の雄であります。必死に頑張ったんだろうなぁ。

仲達は赤テントのお店に見られるような昭和感とは違いますが、なぜかホッとできそうな優しげな空間ですね。こういうやり過ぎない高級感っていうのは素敵だと思います。品揃えにも、丁寧に卵白を溶いた餡にも調理場の冴えを感じるし。良いお店のようですね。
そんなこと言うワタクシ。何をトチ狂ったか本日、近所の赤テントで庶民ラーメン&チャーハンを食べて参りました。自動券売機の前で魔が差しまして・・ポチッとな。
カウンターで頑張る女将さんの作るチャーハン(と言うより焼きめし)の分量の多いこと。人生を顧みることになり、今夜は飯は要りません(反省)
料理はそこそこ旨いが、おばちゃんの出生秘話などなど・・・田無の歴史とは一味違う拝島の古地図に腹一杯の本日。
もはや桜色の彩りを受け入れる余裕、我が胃袋に無し。。。。。涙目
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