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桜吹雪の午後1時 【富寿司】

2017.04.12

 僕らのあとから若い男性客が入ってきてカウンター席に座った。お茶か麦茶かと聞かれ、お茶と申請。必要手続きは以上で終了したらしい。あとは黙って座ってる。
カウンターの向こうではおかみさんがせっせと手を動かしている。ときどきテレビに反応して笑ったり何かつぶやいたりしている。
程なく若者の前に黙って食事が提供される。彼は特にうれしそうでもなく、少しめんどくさそうに食べ始める。
「自宅かよ!」(笑)と思いました。「男子か!」


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ここは客ごとに食べるものがだいたい決まっているようで、誰か入ってきたらおかみさんは黙って調理に取りかかることが多い(「人情おかみのおせっかい定食」参照)。まあ、めんどくさいことを言う客はいないということなんだが。


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僕らはまだ一見とたいして変わらない身の上なので、注文を聞いてもらえる。
僕は直近2回、妻と次女が目の前で食べていておいしそうだったしょうが焼定食600円に。妻は焼き魚定食(鮭の粕漬け)600円。


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まず小鉢2つ(揚げ餃子、ゆで卵入りサラダ)とお新香(かぶの浅漬け)が提供される。それからメイン2皿が同時にやって来て、ご飯、みそ汁(大根と油揚げ)も到着。
これ、全部そろうとたいへん豪華なのである。いつも思うのだが、2人合わせて1200円の食事にはとても見えない。


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しょうが焼は厚め・大きめの肉がとても軟らかく調理してあり、しょうがたっぷり、甘めの味付けでご飯が進む。
ほかに揚げ餃子が2個もあるんだから、あっという間にご飯がなくなってしまう。


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ここはご飯茶わんが小さい。
どんどんおかわりしてくださいというスタンスなんだが、おじさんはそういうのがちょっと苦手だ。しかもおかみさんは洗い物か何かで奥の調理場に入ったきり姿をみせなくなってしまった。


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どうしよう、と迷っていると、先の若者が「すいませーん、ご飯ください」と奥に呼びかけた。男子もやるときはやるのだ。おじさんも便乗しておかわりしてもらった。
おかげで思い残すことなく満腹・大満足の食事となった。


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おかみさんが暖簾をしまいに戸を開けると突風に桜吹雪が舞った。
「わー、舞台の演出みたい」と妻。
「暖簾は掛けないでおきましょうね」と、おかみさんはしまった暖簾を戸の内側に掛けずに外がよく見えるようにしてくれた。
青空に映える散り際の桜が僕の位置から透かし見えるのだった。


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[DATA]
富寿司
東京都東村山市本町4-13-94






nirinso21.jpg
栄町という東村山の中心部に奇跡的に残るニリンソウの群生地




https://youtu.be/yTyiwtfpO8s


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