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人情おかみのおせっかい定食 【富寿司】

2017.02.07

 妻が風邪をひいて会社を休んだ。昼ごろまでにはだいぶよくなり、せっかくの平日休みだからかーちゃんが入ったことのない店に行こうと、年末以来わが家でちょっとした話題になっている富寿司へ。

ただし、ここは行ってみるまでやっているかどうかわからない。
遠目に見ると暖簾が出ていない。休みかぁ…。でも近づくと窓枠に挟んであるプレートは「営業中」。
この日は強風が吹き荒れていたため暖簾は店内に掛けたままのようだ。

もっとも「準備中」のときでも、躊躇なしに入っていく客がいたり、明らかにいっぱい人が入っているらしい状況が外に漏れ伝わったりと、ここのシステムはいまだに謎である。たとえば出前用のカブを外に出しているのが常連向けの入店可のサインなんじゃないか、とかわしらはあれこれ推理している。


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「日替りはお刺身です」と、1人で切り盛りするおかみさん。
僕は日替り、妻はしょうが焼をオーダー。

まず小鉢2点(ブリ大根、ひじきの煮物)とお新香(白菜漬け)が提供される。
バタンバタンと雨戸を鳴らして風が吹いている。「この時期、こういう風が吹くのよ」とおかみさん。「恩多のほうの空が茶色く煙ってることがあるよね」
そうなのだ。このあたりの土質は粒子が細かく町中すっぽり煙霧に覆われ、家の中がざらざらになる。わしはこれをバカ風と呼んでいる。


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日替り定食のお刺身は、ブリ3切れ、スミイカ2切れにアジのなめろう。
ブリは噛み切れないほどの分厚さで、やはり肉厚の高級イカ、アジともに鮮度抜群でうれしくなる。これにご飯、白菜とエノキのみそ汁、小鉢2、お新香付きで、驚愕の600円!
このあとさらにサービス小鉢のイカゲソのボイルまでいただいた。僕のお刺身のスミイカをさばいて出たゲソとのこと。以前も「すしの日」にブリ1貫サービスで追加してくれた。

しょうが焼定食は厚めの豚ロース肉4枚。ほか副菜方面は日替り定食と一緒で、こちらも破格の600円。


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自分たちのあとに初老の男性客がやって来て、カウンターの端に黙って座っている。
「〇〇さん、焼き魚好きでしょう。いまイサキ焼いてるから」
この店は「焼こうか?」ではなくいきなり「焼いてるから」である。賄いつきの下宿屋みたいだ。
このイサキがまた型がいい。それでやっぱり600円。

毎週木曜日がすしの日で、それ以外は定食を出している。
以前その理由を聞いたら、「ご飯を2種類用意するのって案外大変なのよ」。だから1週間に1回だけすし飯にしているそうだ。
にぎりもちらしもやはり600円で、定食セットと同じ副菜が付く。

いまや貴重な昭和の人情すし屋。次回はぜひすしの日に来ようと思う。


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[DATA]
富寿司
東京都東村山市本町4-13-94







https://youtu.be/JxqvToRkdBo


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