シビレる! ばかうま焼きそば 【揚子江】
2018.10.29
東村山市のグルメ情報として、市内のお店限定という超ピンポイントな「東村山グルメ日記2」というブログがある。東村山では知らない人はいない? という有名ブログで、前身の「東村山グルメ日記」から数えれば14年分に及ぶていねいな取材に基づく膨大なデータは市民の宝と呼ぶにふさわしい。
もちろん僕もチェックしていろいろ勉強させていただいているが、ときどき飯テロのようなことになるから要注意だ。
その一例が、今回食べに行った「揚子江」の麻婆炒麺。
この記事を読んで以来ずっと引っ掛かっていたが、なにしろ入りにくいオーラマックスなお店である。おいそれと踏み込めるものじゃない(笑)。

先日、三鷹の「東園」で隣のお客さんが食べているマーボー焼きそばが実にうまそうだった(詳細はkenbooさんの実食リポートをご覧ください)。
それが背中をプッシュ。

引き戸を開けると左奥のテーブル席に座っていたご主人とおかみさんが、ガタッという感じで中腰に。
なにも来客に驚かなくても (;^_^A …
間違えられないように、引き戸の曇りガラスに裏から透けて見える“麻婆炒麺”の短冊を指さしながら「この焼きそばを…」と注文。
厨房ではショウガを刻む音から始まり、意外に時間がかかる。
湯切りの音が聞こえるから、麺は蒸し麺ではなくラーメン類と共通のようだ。

約15分後、ご主人が小ライスとともに焼きそばを運んでくる。
あとでスープも来て、ぱっと見、麻婆豆腐定食のようなビジュアルに。

ご主人が麻婆のてっぺんを指さして、「ホァジャオ」と。「嫌だったらどかしちゃって」
「いやいや、大好き」
それにしても、ホールで50粒くらいのってるんですけど(笑)。
末端価格にして… 何円だ?

麻婆にはちゃんと豆腐も入っていて、麻婆豆腐としてきっぱりご飯のおかずにもなるという組み立て。
小ライスには必然性がある。

「あまりピンとこない?」とご主人。「オレのひらめきだから、どうだか…。このへんの人たち、ピンとこないみたいなんだよ」
こちらの麻婆豆腐はちょっと独特で、ひき肉のほかにショウガと干しシイタケくらいしか使われていないようでいて、調味料が本式なのか味に深みがある。
クセになる味で、僕は字づらを見ただけでピンとくるものがあった。
「漢字も読めないっていうの、このへんの人たち。これはチャウメンって読むの」
マーボチャウメン。

麻婆豆腐に比べて砂糖とオイスターソースを減らしているそうだ。
一つ疑問がある。
「ここの麻婆豆腐って、山椒使ってました?」
「あのね、昔は使ってた。でもこのへんの人たち、みんな『それ、いらないからどかしといて』って言うの。でも材料買うとこんなに来ちゃって(と、両手いっぱいの仕草)、余ってしょうがないから、もう知らんぷりして混ぜちゃってる(笑)」

参考写真:炒飯とセットの“半マーボ”(2017.06.28撮影)
このシンプルな材料でこれだけの味を出せるのは料理人としての非凡なセンスの表れだと思うが、それが“このへんの人たち”にはいまひとつ伝わらず、ずっともどかしい思いをしてきたのかもしれない。
もう一点不満がある。
「このへんの人たちは麺を食べない、都会と違って。出前だってご飯ものばっかり。うちじゃ麺も粉から自分で作ってるんだよ。だって中華街の店なんか、みんなそうでしょう。当たり前なの」

僕がこのへんでは見かけない顔で、都会から来たのかもしれないし、それなら好きかもしれないから花椒50粒ものっけてみたのかな。在庫減らしに? o( ̄ー ̄;)ゞ ウーム…
花椒好きだからいいけど。
今度は長靴いっぱい食べたいや。

[DATA]
揚子江
東京都東村山市萩山町5-2-5
[Today's recommendation]

https://www.youtube.com/watch?v=8lVo__N26Uo


東村山市のグルメ情報として、市内のお店限定という超ピンポイントな「東村山グルメ日記2」というブログがある。東村山では知らない人はいない? という有名ブログで、前身の「東村山グルメ日記」から数えれば14年分に及ぶていねいな取材に基づく膨大なデータは市民の宝と呼ぶにふさわしい。
もちろん僕もチェックしていろいろ勉強させていただいているが、ときどき飯テロのようなことになるから要注意だ。
その一例が、今回食べに行った「揚子江」の麻婆炒麺。
この記事を読んで以来ずっと引っ掛かっていたが、なにしろ入りにくいオーラマックスなお店である。おいそれと踏み込めるものじゃない(笑)。

先日、三鷹の「東園」で隣のお客さんが食べているマーボー焼きそばが実にうまそうだった(詳細はkenbooさんの実食リポートをご覧ください)。
それが背中をプッシュ。

引き戸を開けると左奥のテーブル席に座っていたご主人とおかみさんが、ガタッという感じで中腰に。
なにも来客に驚かなくても (;^_^A …
間違えられないように、引き戸の曇りガラスに裏から透けて見える“麻婆炒麺”の短冊を指さしながら「この焼きそばを…」と注文。
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厨房ではショウガを刻む音から始まり、意外に時間がかかる。
湯切りの音が聞こえるから、麺は蒸し麺ではなくラーメン類と共通のようだ。

約15分後、ご主人が小ライスとともに焼きそばを運んでくる。
あとでスープも来て、ぱっと見、麻婆豆腐定食のようなビジュアルに。

ご主人が麻婆のてっぺんを指さして、「ホァジャオ」と。「嫌だったらどかしちゃって」
「いやいや、大好き」
それにしても、ホールで50粒くらいのってるんですけど(笑)。
末端価格にして… 何円だ?

麻婆にはちゃんと豆腐も入っていて、麻婆豆腐としてきっぱりご飯のおかずにもなるという組み立て。
小ライスには必然性がある。

「あまりピンとこない?」とご主人。「オレのひらめきだから、どうだか…。このへんの人たち、ピンとこないみたいなんだよ」
こちらの麻婆豆腐はちょっと独特で、ひき肉のほかにショウガと干しシイタケくらいしか使われていないようでいて、調味料が本式なのか味に深みがある。
クセになる味で、僕は字づらを見ただけでピンとくるものがあった。
「漢字も読めないっていうの、このへんの人たち。これはチャウメンって読むの」
マーボチャウメン。

麻婆豆腐に比べて砂糖とオイスターソースを減らしているそうだ。
一つ疑問がある。
「ここの麻婆豆腐って、山椒使ってました?」
「あのね、昔は使ってた。でもこのへんの人たち、みんな『それ、いらないからどかしといて』って言うの。でも材料買うとこんなに来ちゃって(と、両手いっぱいの仕草)、余ってしょうがないから、もう知らんぷりして混ぜちゃってる(笑)」

参考写真:炒飯とセットの“半マーボ”(2017.06.28撮影)
このシンプルな材料でこれだけの味を出せるのは料理人としての非凡なセンスの表れだと思うが、それが“このへんの人たち”にはいまひとつ伝わらず、ずっともどかしい思いをしてきたのかもしれない。
もう一点不満がある。
「このへんの人たちは麺を食べない、都会と違って。出前だってご飯ものばっかり。うちじゃ麺も粉から自分で作ってるんだよ。だって中華街の店なんか、みんなそうでしょう。当たり前なの」

僕がこのへんでは見かけない顔で、都会から来たのかもしれないし、それなら好きかもしれないから花椒50粒ものっけてみたのかな。在庫減らしに? o( ̄ー ̄;)ゞ ウーム…
花椒好きだからいいけど。
今度は長靴いっぱい食べたいや。

[DATA]
揚子江
東京都東村山市萩山町5-2-5
[Today's recommendation]

https://www.youtube.com/watch?v=8lVo__N26Uo


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Re: No title
kenbooさま
花椒は、客が老人や子どもに見えない限り付いてくるものだと思うんですけど。
ただし、こちらは「東園」の倍はディープ度が高いので、そこいらへんは自己責任でお願いします。
花椒は、客が老人や子どもに見えない限り付いてくるものだと思うんですけど。
ただし、こちらは「東園」の倍はディープ度が高いので、そこいらへんは自己責任でお願いします。
No title
あ、これは思い描いてた麻婆焼きそばに近いです。
この前東園さんの麻婆焼きそば食べたんですけど、
ウマいことはウマいんですが、思ってたのとちょっと
違ったんだよなぁ・・・
こちらはそういう意味で思ってるのと近いです。
ただ花椒は気分で載るのかぁ・・・
いつも載せてくれることを祈って遠征するかぁ。
小ライス思ったより多めですね。そこがまた良さげ。
この前東園さんの麻婆焼きそば食べたんですけど、
ウマいことはウマいんですが、思ってたのとちょっと
違ったんだよなぁ・・・
こちらはそういう意味で思ってるのと近いです。
ただ花椒は気分で載るのかぁ・・・
いつも載せてくれることを祈って遠征するかぁ。
小ライス思ったより多めですね。そこがまた良さげ。
Re: ありがとうございます
マサさま
いやいや、こちらこそご紹介ありがとうございました。
ものすごくうれしかったです。
でも、あのFacebookの記事を見たときは一瞬青ざめました(笑)。
立場、逆だろ… と。
まさかマサさんのお目に留まっているとは考えていなかったんですよね…。
お心遣いに恐縮しきりです。
むかーし、マサさんの記事を頼りにいろんなお店に行きました。
でも「揚子江」だけは入れなかった(笑)。
ディープゾーンの探索は、マサさんの切り開いてきた道。
これまでの偉業の数々にはとても及びませんが、自分は探索自体が好きなので、こういうの続けていければと思ってます。
いやいや、こちらこそご紹介ありがとうございました。
ものすごくうれしかったです。
でも、あのFacebookの記事を見たときは一瞬青ざめました(笑)。
立場、逆だろ… と。
まさかマサさんのお目に留まっているとは考えていなかったんですよね…。
お心遣いに恐縮しきりです。
むかーし、マサさんの記事を頼りにいろんなお店に行きました。
でも「揚子江」だけは入れなかった(笑)。
ディープゾーンの探索は、マサさんの切り開いてきた道。
これまでの偉業の数々にはとても及びませんが、自分は探索自体が好きなので、こういうの続けていければと思ってます。
ありがとうございます
記事のリンク、ありがとうございます。
「揚子江」、これでも入りやすくなったんですよ。
以前のお店の外観は、もう「普通の人には無理!」って感じでしたからね(笑)。
花椒を乗せてくれるのはうれしいけど、そのままじゃなくてちょっと潰すか、すって欲しいですね。
でもこういう大雑把なところがまたこのお店の良さだと思います。
こちらのブログ、よく参考にさせていただいています。
今後もディープゾーンの探索、よろしくお願いします(笑)。
「揚子江」、これでも入りやすくなったんですよ。
以前のお店の外観は、もう「普通の人には無理!」って感じでしたからね(笑)。
花椒を乗せてくれるのはうれしいけど、そのままじゃなくてちょっと潰すか、すって欲しいですね。
でもこういう大雑把なところがまたこのお店の良さだと思います。
こちらのブログ、よく参考にさせていただいています。
今後もディープゾーンの探索、よろしくお願いします(笑)。
Re: No title
たれかはさま
市内屈指のディープゾーンといわれてます。
40年くらい前に時間が止まっちゃった感じで。
麻婆炒麺、うまかったですよ。
でも花椒はデフォルトとは思えないんですよねー…。
人を見て、のせたりのせなかったり。
で、僕の場合、なぜか大辛50粒コースになっちゃった、と(笑)。
市内屈指のディープゾーンといわれてます。
40年くらい前に時間が止まっちゃった感じで。
麻婆炒麺、うまかったですよ。
でも花椒はデフォルトとは思えないんですよねー…。
人を見て、のせたりのせなかったり。
で、僕の場合、なぜか大辛50粒コースになっちゃった、と(笑)。
No title
こんにちは。
いやぁ、何だか昭和感が溢れてるお店ですね。
こんなん、大好きですわ。
麻婆炒麺もジャンクな感じが満載で、こころ惹かれるルックスしてますね。
花椒たっぷりで、結構パンチがあるんでしょうね。
ウうむ、旨そう!
いやぁ、何だか昭和感が溢れてるお店ですね。
こんなん、大好きですわ。
麻婆炒麺もジャンクな感じが満載で、こころ惹かれるルックスしてますね。
花椒たっぷりで、結構パンチがあるんでしょうね。
ウうむ、旨そう!
Re: No title
ツキさま
最近まで載ってました、ナショナル14形の白黒テレビ。(ウソです)
たしかにそういうことも思わせる、時空のひずんだお店です。
麻婆焼きうどん、おいしそう…(笑)
最近まで載ってました、ナショナル14形の白黒テレビ。(ウソです)
たしかにそういうことも思わせる、時空のひずんだお店です。
麻婆焼きうどん、おいしそう…(笑)
No title
そんなことは無かろうけれど、、
三角板の棚の上に、白黒テレビが載った残像を感じる私です。
人生のいろいろを顧みに行ける古巣。そんな気がするお店だと思いました。
麻婆の調味料があるので、これから晩飯に舌にくる焼うどんを作ってみます(笑)
三角板の棚の上に、白黒テレビが載った残像を感じる私です。
人生のいろいろを顧みに行ける古巣。そんな気がするお店だと思いました。
麻婆の調味料があるので、これから晩飯に舌にくる焼うどんを作ってみます(笑)