水無月落語の会@うたたね 【喫茶庵 うたたね】
2018.06.24
先月末、「うたたね」さんから落語の会の案内状が届いた。
4月の会もご案内いただいていたが、月曜開催で出かけることができなかった。今回は日曜日なので迷わず参加を申し込んだ。
「うたたね」は東村山中央公園の南側の住宅地にある陶器と喫茶のお店。
僕たちは去年の年末に初めておじゃました新参者だが、店主さんにはたいへん親切にしていただき、こうして催しのお誘いもいただいて、幸運でもあるし、とてもうれしく思っている。

落語は着物で
微妙な予報だったが、思った以上に天気が良くなって、想定外に暑い。着物の相方の心配というより、二日酔いぎみの自分がお店に着く前からグロッキー状態。
これはあとで会の進行係の方がおっしゃっていたことだが、以前の落語の会では熱中症で倒れたお客さんがいて救急車を呼ぶ騒ぎになったと。
こう言っちゃなんだが「うたたね」は広くない。落語会の定員15名でギューギューだ。
大丈夫か、オレ?

開演は午後2時。1時40分すぎでぼちぼち人が集まっている。
引き戸とその横の窓は全開で店内は涼しげ。入り口では香炉でお香が焚かれている(蚊取り線香か?)
準備に忙しい店主さんにごあいさつすると、すぐ横にいらしたのが演者の安田康子さんで、紹介していただいた。
安田さんは劇団民藝の俳優さん。演劇以外にもいろいろご興味をお持ちで落語を始めたとのこと。
富士見町在住で、東村山市内の各種イベントで落語を披露しているそうだ。

前座『ねぎまの殿様』で、水無月(第10回)落語の会「喫茶庵・うたたね ―ねぼけ会―」の開演。
進行および前座は劇団仲間の方が務められ、さすがにプロの語り口で十分楽しめた。
続いて舞台裏(台所ですね)から生の三味線出囃子(秋山牧子さん)が聞こえ、安田康子さん登壇。
演目は『天狗裁き』。
――『天狗裁き』(てんぐさばき)は、古典落語の演目。もともとは上方落語の演目の一つである。長編落語『羽団扇』(演じ手は2代目三遊亭円歌など)の前半部分が独立して、一席の落語となった。現在の演出は、上方の3代目桂米朝が発掘・再構成し復活させたものによる。東京では5代目古今亭志ん生が得意とした。(Wikipedia)

劇団俳優の安田さんは表情豊かに演じられ、発声のメリハリも素晴らしい。演目のストーリー展開の巧みさがよく伝わってくる。滑舌のあやしい志ん生の雑な落語よりよっぽど楽しめるってもの(笑)。
小さいハコの臨場感もいいものだなと思った。
ちなみに安田さんのお師匠さんは志ん生・志ん朝の流れをくむ古今亭一門の落語家だという。
落語のあとは、お茶とお菓子タイム。
お菓子は豆かん。

天草の寒天はほどよい硬さで、大きめに切ってありボリュームたっぷり。さらりとした黒蜜に青豌豆、さらに香ばしいきな粉の上から甘く煮崩れた花豆がかけられた感じ。
浅草あたりの甘味処で出てくる豆かんとはちょっと違うオリジナリティがあって、素朴だけれどとてもぜいたくだと思う。
温かい緑茶は、惜しげもなく作家ものの湯飲みで出てくるので、味わい深くなんとも至福のひととき。
ハイクオリティなのに、あまりに自然体でまったく疲れない。

「このお店の前を通るたびに、なんだか気になるけど怖そうだし… って、入るのに3年かかりました」と安田さん。「『あら、焼き物もあるのね。ちょっと見ていこうかしら』みたいな顔して(笑)」
みな同じだ。僕らは“焼き物セール”の張り紙にかこつけて入ったのだ。
「入りにくくてごめんね(笑)」と店主さん。

隠れ家喫茶の長い午後。
ほのぼのとした交流の語らいは続くのであった。

[DATA]
喫茶庵 うたたね
東京都東村山市富士見町5-5-47
[Today's recommendation]

https://www.youtube.com/watch?v=kVhTD-uN0yg


先月末、「うたたね」さんから落語の会の案内状が届いた。
4月の会もご案内いただいていたが、月曜開催で出かけることができなかった。今回は日曜日なので迷わず参加を申し込んだ。
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「うたたね」は東村山中央公園の南側の住宅地にある陶器と喫茶のお店。
僕たちは去年の年末に初めておじゃました新参者だが、店主さんにはたいへん親切にしていただき、こうして催しのお誘いもいただいて、幸運でもあるし、とてもうれしく思っている。

落語は着物で
微妙な予報だったが、思った以上に天気が良くなって、想定外に暑い。着物の相方の心配というより、二日酔いぎみの自分がお店に着く前からグロッキー状態。
これはあとで会の進行係の方がおっしゃっていたことだが、以前の落語の会では熱中症で倒れたお客さんがいて救急車を呼ぶ騒ぎになったと。
こう言っちゃなんだが「うたたね」は広くない。落語会の定員15名でギューギューだ。
大丈夫か、オレ?

開演は午後2時。1時40分すぎでぼちぼち人が集まっている。
引き戸とその横の窓は全開で店内は涼しげ。入り口では香炉でお香が焚かれている(蚊取り線香か?)
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準備に忙しい店主さんにごあいさつすると、すぐ横にいらしたのが演者の安田康子さんで、紹介していただいた。
安田さんは劇団民藝の俳優さん。演劇以外にもいろいろご興味をお持ちで落語を始めたとのこと。
富士見町在住で、東村山市内の各種イベントで落語を披露しているそうだ。

前座『ねぎまの殿様』で、水無月(第10回)落語の会「喫茶庵・うたたね ―ねぼけ会―」の開演。
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進行および前座は劇団仲間の方が務められ、さすがにプロの語り口で十分楽しめた。
続いて舞台裏(台所ですね)から生の三味線出囃子(秋山牧子さん)が聞こえ、安田康子さん登壇。
演目は『天狗裁き』。
――『天狗裁き』(てんぐさばき)は、古典落語の演目。もともとは上方落語の演目の一つである。長編落語『羽団扇』(演じ手は2代目三遊亭円歌など)の前半部分が独立して、一席の落語となった。現在の演出は、上方の3代目桂米朝が発掘・再構成し復活させたものによる。東京では5代目古今亭志ん生が得意とした。(Wikipedia)

劇団俳優の安田さんは表情豊かに演じられ、発声のメリハリも素晴らしい。演目のストーリー展開の巧みさがよく伝わってくる。滑舌のあやしい志ん生の雑な落語よりよっぽど楽しめるってもの(笑)。
小さいハコの臨場感もいいものだなと思った。
ちなみに安田さんのお師匠さんは志ん生・志ん朝の流れをくむ古今亭一門の落語家だという。
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落語のあとは、お茶とお菓子タイム。
お菓子は豆かん。

天草の寒天はほどよい硬さで、大きめに切ってありボリュームたっぷり。さらりとした黒蜜に青豌豆、さらに香ばしいきな粉の上から甘く煮崩れた花豆がかけられた感じ。
浅草あたりの甘味処で出てくる豆かんとはちょっと違うオリジナリティがあって、素朴だけれどとてもぜいたくだと思う。
温かい緑茶は、惜しげもなく作家ものの湯飲みで出てくるので、味わい深くなんとも至福のひととき。
ハイクオリティなのに、あまりに自然体でまったく疲れない。

「このお店の前を通るたびに、なんだか気になるけど怖そうだし… って、入るのに3年かかりました」と安田さん。「『あら、焼き物もあるのね。ちょっと見ていこうかしら』みたいな顔して(笑)」
みな同じだ。僕らは“焼き物セール”の張り紙にかこつけて入ったのだ。
「入りにくくてごめんね(笑)」と店主さん。

隠れ家喫茶の長い午後。
ほのぼのとした交流の語らいは続くのであった。

[DATA]
喫茶庵 うたたね
東京都東村山市富士見町5-5-47
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https://www.youtube.com/watch?v=kVhTD-uN0yg


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