カレーを軽く論じてみる 【じゃがいも】
2017.12.26
株式会社カレー総合研究所なるものを見つけた。HPの会社概要に「事業内容:カレーを中心とした食の様々なコンサルティングビジネスの展開」とある。コンサル事務所だ。
HPにカレー分類体系論というページがあって、カレーを大きくインドカレー、欧風カレー、日本オリジナルカレーに分け、日本オリジナルカレーはさらに、和風カレー、スープカレー、焼きカレー、ドライカレー、カレーうどん/カレー南蛮、カレーそば、カレーパン、カレー中華まん、その他(カレースパゲティ・カレー鍋等)に分類されている。
それでおしまい。
“論”もヘッタクレもないんだが。
そんなので完結するんでなく、そこに業態による分類という横串を通すとおもしろいと思うのだ。

総務省の日本標準産業分類の「大分類M―宿泊業,飲食サービス業」125業態のすべてがカレーを提供していてもおかしくない。カレーを出す回転ずしチェーンもあれば(7641すし屋)、山梨にはカレーほうとうを出す店があるらしいし(7631ほうとう店)、カプセルホテル施設内のレストランのメニューには当然のようにカレーライスと書いてある(7521カプセルホテル)(数字は分類コード)。
カレーはどんなところにも顔を出す。小学校の野外炊飯という業態(コード不明)においても、カレーは定番中の定番というぐらい。

そのうち上記“日本オリジナルカレー”の成立に深く関わっていそうな業態を列挙すると、7621とんかつ料理店、7621牛丼店、7623中華料理店、7629西洋料理店、7629スパゲティ店、7631そば屋、7631うどん店、7671喫茶店、7671カフェといったところだろうか。

そこにはさまざまな試行錯誤や誕生秘話や『地上の星』があったに違いなく、そうして初めて、カツカレー、カレーラーメン、スープカレー、カレースパゲティ、カレーうどん、すき家の「カレー南蛮牛丼」… といったオリジナルカレーの“分類体系論”が展開されていくと思うのである。

なぜそんなことを言いだしたかというと、久米川町府中街道沿いの「じゃがいも」のカレーのポジショニングについて考えて。
じゃがいものカツカレーを定期的に食べている。お店に近い久米川町に住んでいたころからだから、10年以上も前から。
そんなに食べ続けるほどおいしいのかというと、そういうことでもない。
以前、ここのカツカレーについてこのブログで次のように書いている。
――業務用っぽいというか学食っぽいというか…。具とロースカツをご飯にのせて上からカレーをかけるというスタイルだが、たとえば具のニンジングラッセが冷凍だったりとかいろいろ問題はある。だから人にお勧めするつもりはないし、この店はほかにちゃんとしたものがいくらでもあるわけだから、そういうものを食べておけばいいと思う。

飲食店でたとえば、立ち食いそば的そばが出てきたり、マルシンハンバーグ的ハンバーグが出てきたりしたときと同じような心持ちというか。
「こう来たかぁ…」というがっかり感。
「でも、僕はわかってあげられるんだなぁ」という同情心。
だってわれわれはそういうのが珍しくない時代を生きていたわけだから。

そういうものの代表的業態の一つが、カレースタンドだったと思う。
もはやすっかり見なくなったカレースタンドで出していたのが、こういうカレー。
ときどき食べたくなる理由はそこらへんにもあると思う。

さて、上記の業態分類でいえば、じゃがいもは7611定食屋もしくは7629西洋料理店に入ると思うが、カツカレーに関してはそういう要素をあまり感じない。
ほかの品よりもう一段B級寄りのこのメニューに、お店のルーツが見え隠れする。
“7711持ち帰り弁当屋”
じゃがいもはもともと、いまより400mほど南で営業していた弁当屋。
そのころの記憶に重なるあたりも、じゃがいものカツカレーに惹かれる理由の一つなのかなと思う。

[DATA]
じゃがいも
東京都東村山市久米川町4-39-26
[Today's recommendation]

https://youtu.be/_aWQBXBpHqc


◆ 猫写真はこちら ◆
株式会社カレー総合研究所なるものを見つけた。HPの会社概要に「事業内容:カレーを中心とした食の様々なコンサルティングビジネスの展開」とある。コンサル事務所だ。
HPにカレー分類体系論というページがあって、カレーを大きくインドカレー、欧風カレー、日本オリジナルカレーに分け、日本オリジナルカレーはさらに、和風カレー、スープカレー、焼きカレー、ドライカレー、カレーうどん/カレー南蛮、カレーそば、カレーパン、カレー中華まん、その他(カレースパゲティ・カレー鍋等)に分類されている。
それでおしまい。
“論”もヘッタクレもないんだが。
そんなので完結するんでなく、そこに業態による分類という横串を通すとおもしろいと思うのだ。

総務省の日本標準産業分類の「大分類M―宿泊業,飲食サービス業」125業態のすべてがカレーを提供していてもおかしくない。カレーを出す回転ずしチェーンもあれば(7641すし屋)、山梨にはカレーほうとうを出す店があるらしいし(7631ほうとう店)、カプセルホテル施設内のレストランのメニューには当然のようにカレーライスと書いてある(7521カプセルホテル)(数字は分類コード)。
カレーはどんなところにも顔を出す。小学校の野外炊飯という業態(コード不明)においても、カレーは定番中の定番というぐらい。

そのうち上記“日本オリジナルカレー”の成立に深く関わっていそうな業態を列挙すると、7621とんかつ料理店、7621牛丼店、7623中華料理店、7629西洋料理店、7629スパゲティ店、7631そば屋、7631うどん店、7671喫茶店、7671カフェといったところだろうか。

そこにはさまざまな試行錯誤や誕生秘話や『地上の星』があったに違いなく、そうして初めて、カツカレー、カレーラーメン、スープカレー、カレースパゲティ、カレーうどん、すき家の「カレー南蛮牛丼」… といったオリジナルカレーの“分類体系論”が展開されていくと思うのである。

なぜそんなことを言いだしたかというと、久米川町府中街道沿いの「じゃがいも」のカレーのポジショニングについて考えて。
じゃがいものカツカレーを定期的に食べている。お店に近い久米川町に住んでいたころからだから、10年以上も前から。
そんなに食べ続けるほどおいしいのかというと、そういうことでもない。
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以前、ここのカツカレーについてこのブログで次のように書いている。
――業務用っぽいというか学食っぽいというか…。具とロースカツをご飯にのせて上からカレーをかけるというスタイルだが、たとえば具のニンジングラッセが冷凍だったりとかいろいろ問題はある。だから人にお勧めするつもりはないし、この店はほかにちゃんとしたものがいくらでもあるわけだから、そういうものを食べておけばいいと思う。

飲食店でたとえば、立ち食いそば的そばが出てきたり、マルシンハンバーグ的ハンバーグが出てきたりしたときと同じような心持ちというか。
「こう来たかぁ…」というがっかり感。
「でも、僕はわかってあげられるんだなぁ」という同情心。
だってわれわれはそういうのが珍しくない時代を生きていたわけだから。

そういうものの代表的業態の一つが、カレースタンドだったと思う。
もはやすっかり見なくなったカレースタンドで出していたのが、こういうカレー。
ときどき食べたくなる理由はそこらへんにもあると思う。

さて、上記の業態分類でいえば、じゃがいもは7611定食屋もしくは7629西洋料理店に入ると思うが、カツカレーに関してはそういう要素をあまり感じない。
ほかの品よりもう一段B級寄りのこのメニューに、お店のルーツが見え隠れする。
“7711持ち帰り弁当屋”
じゃがいもはもともと、いまより400mほど南で営業していた弁当屋。
そのころの記憶に重なるあたりも、じゃがいものカツカレーに惹かれる理由の一つなのかなと思う。

[DATA]
じゃがいも
東京都東村山市久米川町4-39-26
[Today's recommendation]

https://youtu.be/_aWQBXBpHqc


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Re: おはようございますー
つかりこさんにお褒めいただいて、じーんときました。
ありがとうございます。
カレースタンド、みんなココイチに駆逐されてしまったんでしょうか?
C&Cも昔とはずいぶん変わった気がしますし。
上野・浅草、下町方面には細々と残っていそうですけど、西のほうは中央線沿線ですら古いのは確認できませんね。
廃墟は見ますね…。もったいないな… と。
最近行ったところでは、トンカツ屋ですけど東八道路沿いの「巌窟王」が、ちょっとそれっぽかったぐらいですかね…。
ありがとうございます。
カレースタンド、みんなココイチに駆逐されてしまったんでしょうか?
C&Cも昔とはずいぶん変わった気がしますし。
上野・浅草、下町方面には細々と残っていそうですけど、西のほうは中央線沿線ですら古いのは確認できませんね。
廃墟は見ますね…。もったいないな… と。
最近行ったところでは、トンカツ屋ですけど東八道路沿いの「巌窟王」が、ちょっとそれっぽかったぐらいですかね…。
おはようございますー
ホント、カレースタンド見かけなくなりましたよねぇ。
あれはなんでなんでしょうね、大好きなのに。
立ち食い蕎麦屋はまだまだ元気なのに。
軽妙で素敵なテキストですね。
最後にじーんときました。
あれはなんでなんでしょうね、大好きなのに。
立ち食い蕎麦屋はまだまだ元気なのに。
軽妙で素敵なテキストですね。
最後にじーんときました。