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記憶を呼び覚ます感覚 【ながしま 磯とり料理】

2017.12.21

 食べ物屋にはそれぞれ独特のにおいがある。そのにおいを嗅いで、「懐かしい」と感じることがある。

ある特定のにおいから過去の記憶が呼び覚まされる心理現象を“プルースト効果”という。文豪マルセル・プルーストの代表作『失われた時を求めて』に、主人公が紅茶とマドレーヌの香りから幼少期の記憶をよみがえらせるという描写があり、そこからこう呼ばれる。


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嗅覚はほかの感覚と違い、記憶と感情をつかさどる大脳辺縁系(海馬・扁桃体)と直接つながっている。つまり、においの情報と記憶や感情を処理する場所が同じなため、信号がつながりやすいということ。


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先日、東久留米の「浜波」に行ったとき、入った瞬間、「懐かしい」と感じた。
子どものころの記憶を呼び覚まされるような感覚。


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ところがツレはそれを感じなかったという。生まれ育った環境がまったく異なるからではないか、と言う。
彼女は内陸の米どころ、僕は北国の漁村生まれ。
魚料理のにおいが染み付いた日本料理屋に、生家に通じる要素を感じ取ったのではないか、と。


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「浜波」と共通のにおい成分を醸成しているのが、久米川の日本料理店「ながしま」。
ここは何度も入っているが、来るたび海馬がチクチク刺激される。


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秋口に入ったときに松茸どびんむしの紙が張ってあって、また夜に来ようか… と話しつつも実現しないまま季節は移ろい、張り紙はアンコウ鍋に変わった。
ランチメニューから僕の好きなカツオ刺が消え、食べるものはおのずと決まってくる。


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1時40分で、客はなし。カウンターの右のほうの席に座る。
注文は、やっぱりやきとり重780円。
カツオのない冬場はこればっかり食べてる気がする。まあ、何食べてもおいしいんだけど。


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最近、表にランチの張り紙をするようになったが、昼の客が減ってるとか?
だとしても、ここはあくまでも夜メインで、それがすごいのだ。
いま座っているカウンターにはぎちぎちにいすが8つあるが、それが稼働率100%になっているのを見て驚いた。いまも夜の仕込みに大わらわな感じで、とても客1人のときの厨房の状況には見えない。


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やきとり重は生から焼くので時間がかかる。以前、しょうが焼きの人に抜かされたことがある。
5分ぐらいたってお客さんが入ってきて、注文は揚物定食(カキフライ)。この勝負、ビミョー。
焼き鳥の煙とカキフライの揚げ音が競り合ってて、1人ハラハラしながら見守ってる。
「お重、お願いします」と先に声がかかる。ぎりぎり逃げ切り。
注文から約12分。


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焼鳥重は、腿肉、レバー、つくねの3串に、炒り卵。このシンプルな構成が絶妙。
辛口の秘伝のたれで焼かれた焼鳥は、ワンランク上な感じの洗練された味わい。つくねでさえ上品である。
お新香に、小鉢はメンマ。
濃厚かつおだしのみそ汁がしみじみおいしい。


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2時を過ぎておばちゃんが暖簾を片づける。
それでも大将の仕込みの手は止まらない。
やっぱり、夜に来たくなってしまう。


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秋の間、昼にも店の周りに漂っていたマツタケの香りはいつの間にか消えている。
季節は正しく移ろっているようである。


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[DATA]
ながしま 磯とり料理
東京都東村山市栄町1-11-1





[Today's recommendation]


https://youtu.be/HLfZhqbunoU



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◆ 猫写真はこちら


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