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街角の洋食屋、という存在 【フジランチ】

2017.11.12

 街の洋食屋というものを特別視するのは、憧れを抱きつつ見上げるというような感覚をいまも覚えているからかもしれない。
子どものころ、ごくたまに連れていってもらった洋食屋は別世界だった。学生時代、都会になじんだつもりでいても、洋食屋はもう一段洗練度の高い近寄りがたい存在だった。
街で古びた洋食屋を見かけると、胸を締め付けられるような感情がこみ上げてくる。それは単なる懐かしさというより、若いころに抱いていた憧憬の念がよみがえるからじゃないかと思ったりもする。


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国分寺に所用のツレに付き合って、というか道案内で、自転車で国分寺へ。昼ごはんは老舗洋食店「フジランチ」にしようということに。
東恋ヶ窪の住宅街を抜けて「オーケー」の裏から店の前の路地に入ると、開店待ちのお客さんが。僕らと同じような年格好の男女1組。
近くの駐輪場に止めて時計を見ると、まだ11時16分。フジランチは行列の絶えない人気店である。


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開店までにまだ10分以上あって、そこまで並ぶ覚悟のできていないわれわれは、ほかの店をのぞいたりしながら時間をつぶそうかという感じでぶらぶら店のほうに戻ってみると、列にもう1人加わっている。少し慌てて、おとなしく後ろに並ぶ。

店内からハンバーグの空気抜きの音が聞こえてくる。
午前中、街が動きだす前の張りつめた空気感の中に活動準備の気配が伝わってくるとワクワクするものがある。それが食べ物を用意する物音だったりすると、ワクワク度はひときわ高く、同時に腹が減る。


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お店のお母さんが一人一人に声をかけて招き入れてくれたのは、開店7分前の11時23分。客を長く立たせておかないというホスピタリティ精神の表れなんだと思う。

こぢんまりした店内は、右手にカウンター7席、左に4人掛けテーブル3脚。われわれは真ん中のテーブル席に。
注文は、妻が本日のサービスメニュー“人気メニュー”ハンバーグステーキ¥810→¥720(小ライス¥680円)、僕がAセット(ポークカツ+魚フライ)¥700。


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列の先頭の組が奥のテーブル、真ん中が僕ら、もう一つのテーブル席にもすぐに若いカップルで埋まった。カウンターも見る見るうちに満席に。客はあっという間に合計13人に。
一方、お店側はシェフご夫妻と息子さん? か若い男性の3人体制。というか、調理は店主1人でこなす。超オープンなキッチンには臨戦態勢のピリピリ感が漂う。


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注文で気になることが一つ。最初に入った5人中、ツレを含めて3人が小ライスであった。そのあと入ってきたお客さんに、若い店員さんは「ライスは普通でもけっこう多いですけど」といちいち確認している。で、半分ぐらいの人はやっぱり半ライスなのである。
こちらは盛りの多さでも知られる。


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まずハンバーグステーキの提供。
「Aセット、すぐできますから」
と、若い人はそのあとも、みそ汁を運んできたりほかの席に料理を持ってきたりするたび3回も、すまなそうに声をかけていく。
長身のこの人は狭い通路をカニ歩きで移動する。前に入ったときもそうやって忙しく行き来していたな、と思い出す。


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皿がそろって、シェアしつついただく。
こちらの人気メニューにして本日のサービスメニューであるハンバーグステーキは、やはりよく出ているようだ。
フワッとしているが粗びき感もあり、ニク感はけっこう高い。食べやすいように切り分けてある。ナツメグの効いたスパイシーでおいしいハンバーグである。
魚フライはアジフライ。肉厚でホロッと軟らかく、臭みもない。
各皿に添えてあるナポリタンが感涙もの。毎朝開店前に大量に仕込んでるんだろうな。


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ちなみにライスの量であるが、普通盛りの僕の分は、すごく多い。小ライスのツレも、食べきれない。その食べきれなかった分、僕がナポリタンをおかずにいただきました(笑)。


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お会計で若い人とお母さんは「お待たせしちゃって」としきりに恐縮している。
そんなに待たされた覚えはない。というか、ワクワクしながら調理場を拝見しているから、待ち時間が全然気にならない。

忙しいご主人も、仕事の手を休めてあいさつしてくれる。
こういうのをとびきりの笑顔という。


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[DATA]
フジランチ
東京都国分寺市本町2-13-7



[Today's recommendation]

Procol Harum
Procol Harum
『Procol Harum』




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◆ 猫写真はこちら



                                         

2017.11.12 すしの万葉/東京都東村山市青葉町2-9-100

manyoh11.jpgmanyoh12.jpg
いなりずし350円→250円(第56回東村山市民産業まつりにて特別出店)


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