匂いをおかずに? 【ながしま 磯とり料理】
2017.09.16
――吝嗇家はかつてうなぎ屋の隣に住んでおり、飯時になると、うなぎ屋から流れてくるかば焼きを焼く匂いをおかずにして飯を食べていたが、それを知ったうなぎ屋が、月末に「匂いは客寄せに使(つこ)てるさかい、代金を支払え」と言って家に乗り込んできたという。そのとき吝嗇家は財布を出したものの、金を渡さずにうなぎ屋の目の前で落として音を鳴らし、「『嗅ぎ代』やさかい、音だけでよかろ」――(Wikipedia「始末の極意」より)

この季節、久米川の居酒屋「ながしま」の前を通るとマツタケの匂いがする。ランチの時間も午後の休憩時間でもそうなんだが、そんな時間にマツタケを焼いているとも思えないので、連夜大量にマツタケ料理が出てその匂いが店内に染み付いているんじゃないかとか想像している。
厨房の小窓からは年中いい匂いが漂っていて、秋以外の季節では干物系が多いようだが、あれは夜のクサヤの名残だったりするんだろうか。

この店では十分、匂いが客寄せの役割を果たしていると思う。
おかずはさすがに難しいと思うけど。

1時半すぎと少し遅い時間の昼食。
カウンター席の真ん中らへんに座ると、目の前のネタケースの上に木箱入りのマツタケが。
“秋の香り 松茸どびんむし 900円”と書いてある。

と、ここまでの展開だと、ついふらふら松茸どびんむしを頼んでしまった、となりそうだが、昼にそのようなことには絶対ならない(笑)。
ただ、これまで飲み屋でマツタケなんて考えたこともなかったが、どびんむし900円って、相場は知らないけど決して手の届かない値段じゃない。
初夏に“島ずし”を主目的に夜に訪れ、何を食べてもおいしくて感動した。いま、秋の味覚を求めてまた夜に行ってみたいという気持ちが湧き上がってきた、という話。
マツタケをいただくというなら急を要するわけだが。

僕の場合、ここの昼定食の注文は、かつお刺定食かやきとり重とほぼ決まっている。しかし今日は生活クラブ「デポー」に戻りがつおが入荷する日なので夜はおそらくかつお刺、やきとり重は生から焼くのでこんな遅い時間には頼みづらい。
で、ときどき家族が食べるのを横からいただいたことぐらいしかなかったマグロづけ丼に。

大将はカウンターの中ですごく忙しそうだ。
いま、1人出て客は僕だけで、ランチの営業時間も終了しようとしている。
この店は週末の夜、非常ににぎわうので、その仕込みが大変なのである。

マグロづけ丼は読みどおり提供が早い。
メインのどんぶりにはたっぷりのマグロ。手前の中トロから奥の赤身へと、色味のグラデーションが美しい。ランチサービスでも本ワサビ使用である。
小鉢はツナサラダ、香の物はぬか漬けと、名残の夏野菜の競演。みそ汁は大根、豆腐、油揚げ。

ほかにサービスのイカの塩辛が各席に備えてあるが、これだけおいしい塩辛はいまの時代、まず食べられない。スルメイカの不漁で今年は無理かもと思っていたが、こうして食べられて幸せである。
お代はマグロづけ丼880円と、マツタケの嗅ぎ代、チャリンチャリン。

[DATA]
ながしま 磯とり料理
東京都東村山市栄町1-11-1
[Today's recommendation]

https://youtu.be/5cWVEjn5dRs


もちもちベーグル
2017.09.16 HARU HANA/
http://www.facebook.com/jikaseicobo.haruhana/
不定期で「喫茶 にじのまど」ほかで販売。
出店情報はFacebookで。

プレーン(S)130円、雑穀(S)220円
――吝嗇家はかつてうなぎ屋の隣に住んでおり、飯時になると、うなぎ屋から流れてくるかば焼きを焼く匂いをおかずにして飯を食べていたが、それを知ったうなぎ屋が、月末に「匂いは客寄せに使(つこ)てるさかい、代金を支払え」と言って家に乗り込んできたという。そのとき吝嗇家は財布を出したものの、金を渡さずにうなぎ屋の目の前で落として音を鳴らし、「『嗅ぎ代』やさかい、音だけでよかろ」――(Wikipedia「始末の極意」より)

この季節、久米川の居酒屋「ながしま」の前を通るとマツタケの匂いがする。ランチの時間も午後の休憩時間でもそうなんだが、そんな時間にマツタケを焼いているとも思えないので、連夜大量にマツタケ料理が出てその匂いが店内に染み付いているんじゃないかとか想像している。
厨房の小窓からは年中いい匂いが漂っていて、秋以外の季節では干物系が多いようだが、あれは夜のクサヤの名残だったりするんだろうか。

この店では十分、匂いが客寄せの役割を果たしていると思う。
おかずはさすがに難しいと思うけど。

1時半すぎと少し遅い時間の昼食。
カウンター席の真ん中らへんに座ると、目の前のネタケースの上に木箱入りのマツタケが。
“秋の香り 松茸どびんむし 900円”と書いてある。

と、ここまでの展開だと、ついふらふら松茸どびんむしを頼んでしまった、となりそうだが、昼にそのようなことには絶対ならない(笑)。
ただ、これまで飲み屋でマツタケなんて考えたこともなかったが、どびんむし900円って、相場は知らないけど決して手の届かない値段じゃない。
初夏に“島ずし”を主目的に夜に訪れ、何を食べてもおいしくて感動した。いま、秋の味覚を求めてまた夜に行ってみたいという気持ちが湧き上がってきた、という話。
マツタケをいただくというなら急を要するわけだが。

僕の場合、ここの昼定食の注文は、かつお刺定食かやきとり重とほぼ決まっている。しかし今日は生活クラブ「デポー」に戻りがつおが入荷する日なので夜はおそらくかつお刺、やきとり重は生から焼くのでこんな遅い時間には頼みづらい。
で、ときどき家族が食べるのを横からいただいたことぐらいしかなかったマグロづけ丼に。

大将はカウンターの中ですごく忙しそうだ。
いま、1人出て客は僕だけで、ランチの営業時間も終了しようとしている。
この店は週末の夜、非常ににぎわうので、その仕込みが大変なのである。

マグロづけ丼は読みどおり提供が早い。
メインのどんぶりにはたっぷりのマグロ。手前の中トロから奥の赤身へと、色味のグラデーションが美しい。ランチサービスでも本ワサビ使用である。
小鉢はツナサラダ、香の物はぬか漬けと、名残の夏野菜の競演。みそ汁は大根、豆腐、油揚げ。

ほかにサービスのイカの塩辛が各席に備えてあるが、これだけおいしい塩辛はいまの時代、まず食べられない。スルメイカの不漁で今年は無理かもと思っていたが、こうして食べられて幸せである。
お代はマグロづけ丼880円と、マツタケの嗅ぎ代、チャリンチャリン。

[DATA]
ながしま 磯とり料理
東京都東村山市栄町1-11-1
[Today's recommendation]

https://youtu.be/5cWVEjn5dRs



2017.09.16 HARU HANA/

不定期で「喫茶 にじのまど」ほかで販売。
出店情報はFacebookで。

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