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ハンバーグソースの記憶 【にな川】

2017.08.21

 JR武蔵境駅周辺は、中央線の高架化で大きく変わった。駅の西側、クイーンズの向こうの南北通路はちょっと前まで踏切だったはずだが、その様子をもう思い出せない。
この年になるとそういうことだらけだが、味の記憶は案外残っていたりする。

その高架下からさらに西、線路の南に沿う通りにある「にな川」は、駅前大衆食堂と学生街の洋食屋の雰囲気を併せ持つ。


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この店はオープンな感じで、外から様子をうかがうとお店のおかあさん的な年配女性がカウンター席に座っているのが見える。これはヒマ=客が少ないことを示しているのでタイミングはいいようだ。
しかし中に入ると、L字形カウンターの左手前に曲がっている部分、外からは見えないあたりに客が3人。60代くらいの男女で明らかに常連、というのも、おかあさんは横に座ってこの人たちのおしゃべりに参加していたのであった。
僕はカウンターの長いほうの辺の端の席に座ったが、居心地はよくない。短辺に座る3人の視線をもろに左半身に受ける形だからだ。


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でもこういうのは、気になるのは最初だけで、すぐにどうでもよくなる。だって気のよさそうな人たちだし、だいたいこの人たちの年代になると他人のことなんか見ちゃいない。
まあ、でもここは学生街なだけに、これが学生だったら、と考えるとゾッとするんだが。


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カウンターの中には息子さんくらいの年代、すなわち僕より若そうな男性。ちょっとロックな雰囲気だが、寡黙で真面目そう。
ランチメニューから、Bランチ(ハンバーグ・焼肉)650円をオーダー。


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ハンバーグの種をフライパンにのせる。隣のフライパンに卵を落とす。その隣でハンバーグソースを温める。強火用バーナーの中華鍋で豚バラ肉を炒める。――目の前のお兄さんはこれを同時に行っているのだが、調理器具も火口も4つ使っている。650円とは思えない手のかけようなのである。
この時点で、おいしくないわけがないと思えてくる。ついでに、というかよく見てなかったが、みそ汁も温める必要があるわけだし。


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ハンバーグは箸を入れるとジュワッと肉汁があふれる。見た感じほぼ肉のみで、味も混じりけがない。
ドゥミグラスソースはトマトが強めで甘さ控えめ。焼き肉のたれは逆に甘めのしょうゆ系。どちらの味付けもご飯によく合う。


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硬めに炊かれたライスの量は、僕の基準では多い。表の看板には“学生さんライス大盛りサービス中”と書かれており、そのへんはやはり学生街ノリだ。
みそ汁の具はワカメと豆腐だが、どうもワカメとは違う食感のものが混じってるな、と見てみるとかつお節である。それも薄い花かつおじゃなく、ちゃんと削ったようなもの。どうりでおいしいはず。
全体に大満足の内容である。


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ところで、たっぷりのハンバーグソースを目玉焼きや付け合わせのスパゲティなんかに絡めて食べていると、妙に懐かしさがこみ上げてくる。昔、こういう味の洋食をよく食べていたような… と、すっかり忘れていた記憶がかすかによみがえる。そのものはチキンソテーで、その店ではチキングリルと呼んでいたかもしれない。
場所は漠然と地下鉄早稲田駅のあたり。高田馬場の中華店「秀永」の本店が夏目坂の上り口にあったころの記憶とシンクロするので、そのへんだったような気もする。

それ以上はどうしても浮かんでこない。
もう一回このハンバーグを食べればもっと思い出すかもしれない。


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[DATA]
にな川
東京都武蔵野市境南町3-1-6





[Today's recommendation]


https://youtu.be/pFi6zFs_8Ug



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