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吉祥寺で、サッポロ 【ピリカ(吉祥寺)】

2017.08.11

 久しぶりのサッポロラーメンの店。
ここでいうサッポロラーメンとは、現在の、あるいはおそらく過去においても札幌のラーメンシーンとは何の由縁も関連性も見いだされないままに、そう名乗り展開していた一連のグループのこと。つまり1970年代に全国を席巻した某チェーン店の傍流の生き残りの話(蝦夷えぞふじピリカ 参照)。


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僕はこの手のラーメンが好きで一定ペースで食べているが、お気に入りだった花小金井の「えぞふじ」が5月いっぱいで閉店してしまい、そのショックを引きずってか、ずいぶん間が空いてしまった。
でもそれを言ったらどちらも危ういことに変わりはないのだから、むしろ立ち止まってはいられないのである。


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吉祥寺の「ピリカ」は、吉祥寺にあって異質な存在である。異質な存在というか、存在感がない。ないわけではないのだが、ひた隠している。気配を消して、生き馬の目を抜く吉祥寺の飲食業界を40数年にわたって生き延びてきた。
これは、なかなか面的な開発が進まない街の南東側という立地も幸いしている。同じ井ノ頭通り沿いでも三鷹寄りだったらこうはいかなかったと思う。


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店内はカウンターのみ11席。女性客1人、僕と入れ替わりに出る。で、僕1人。
お店のおかあさんは頭に黒い頭巾をちょこんと載せ、なんかかわいらしい。ラーメンの領域内を見渡しても洗練とは特に隔たりの大きいタイプの店で、たぶん60代のおかあさんが、ややおしゃれに映るという、吉祥寺マジック。


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注文はサッポロラーメンの鉄則、みそラーメン(600円)。
中華鍋でひき肉と野菜を炒め、スープを注いで合わせみそを溶く。野菜はモヤシ、ニラ、ニンジンで、量は多め。


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以前食べたときやわめに感じた麺は、今日はちょうどよいゆで加減。でも全体になぜか短め。
ちょっとクセのあるだしのにおいが店に漂っているが、スープのみそ味はこの系統にしてはかなりマイルド。でもニンニクがひそかに効いている。
一口めにあっさりすぎに感じて途中からしっかり味が来るのは、僕にはちょうどよいバランスだ。


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この店は“きたな”というキーワードでちょっと有名になったが、僕の尺度でいうと、全然。たとえば冒頭の3店を思い浮かべてみても、うん、ここがいちばんきれい(笑)。
おかあさんは僕のラーメンをつくったあと洗い物に移り、引き続き水切り籠の食器を一つずつ布巾で拭いている。ラーメン屋ではあまりお目にかからない光景だと思う。


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平行する末広通りがどんどん開けていくのに対し、井ノ頭通りはあまり変化がない。2つの通りの間の狭い区画のビル群が防波堤となって開発の波を押しとどめているようにも映る。その表裏のコントラストが面白い。
向こうの通りには、はやりのラーメン店。

吉祥寺にこういう店が残っているのは奇跡的であり、うれしいことである。


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[DATA]
ピリカ
東京都武蔵野市吉祥寺南町2-20-9





[Today's recommendation]


https://youtu.be/fVY2kI3ys2g



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