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往時の繁栄を伝える 【旧ヤマジュウ田村家住宅】

2022.05.28

 土曜日は基本的に動けないことになっているが、突然ポッカリ空いた。
貴重な機会なので有効に使いたい。
つまり日曜日にできないこと。


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JR福生駅


先々週日曜に羽村取水堰から拝島まで玉川上水沿いを歩いたとき、メインスポットと考えていた「田村酒造場」は日曜定休で入れなかった。
外から眺めるだけでも立派な蔵で、ぜひ見学したいが日曜定休では見通しが立たないなぁ… と思案していただけに、またとないチャンスである。


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宿橋通り。後述の絵図に記載のある「運動具店」「清水園」の看板が見える


暑くなる予報なので歩きより蔵優先で、最寄り駅の福生駅から「田村酒造場」に向かう。
新奥多摩街道を過ぎて右斜め、宿橋通りへ。
最短距離を選んだだけだが、ここは福生の歴史を伝える重要な通りだった。


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玉川上水の手前に古いお屋敷。
「国登録有形文化財 旧ヤマジュウ田村家住宅」とある。ここも田村だ。
一般に開放しているようなので、せっかくだから見学することに。


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ヤマジュウ(仐)田村家は「田村酒造場」を営む田村家の分家で、主屋は1902(明治35)年建造。


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逓信業(郵便事業)をなりわいとし、1911(明治44)年に福生で最初の郵便局「福生郵便局」を自宅敷地内に開設するなど、旧福生村の発展に尽力した。


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建物は平屋の六間取りで、周囲を廊下がめぐるなど江戸時代以来の建築様式に加え、風呂・手洗いが建物内に設置されるなど近代住宅に見られる特徴も備える。
明治期の様子を伝える貴重な建造物だそうだ。


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主屋後ろには2つの土蔵が並ぶ。


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東土蔵では「宿橋通り家並絵図」が展示されていた。


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通りの南側と北側の絵図がそれぞれ左右の展示ケースに収められている


絵図からは銀行、郵便局、百貨店、旅館、割烹、饅頭店…… と、閑静な住宅街といった現在の様子からは想像もつかないかつての街の繁栄ぶりがうかがえる。


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長い絵図で写真にはとても収まりきらないが、同じものが宿橋通りに観光案内板として掲示されていた。


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――宿橋通りの歴史は古く、江戸時代の福生村の絵図には下江戸街道を経て日光街道に通じる道として記載されています。明治時代に青梅鉄道が開通すると、宿橋通りは五日市方面から多摩川を福生の渡し場で渡って福生駅に向かう道筋となり、渡し場と駅を結ぶ重要な通りとして発展しました。(宿橋通り案内板より)


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右が旧田村家主屋、左は1916(大正5)年に新設された郵便局舎を利用した純福音福生教会


往時をしのびつつ、宿橋を渡り通りの南へ。

(つづく)


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宿橋から見る玉川上水


[DATA]
旧ヤマジュウ田村家住宅
東京都福生市福生1158
https://www.museum.fussa.tokyo.jp/yamaju





[Today's recommendation]

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https://youtu.be/LX6VadePQDQ



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次号予告


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非公開コメント

Re: No title

きんぞーさま

いつも情報ありがとうございます。
羽村の「ふるいち」の朝ラーには行けませんでしたが、こっちは頑張ってみようかと思います。

Re: No title

鍵コメさま

そういうことですか。
でも絵図のような街が残っていたら、帰路の行動も違ってきそうですね。
想像をめぐらせただけで気持ちよく酔っぱらえます。

No title

いつも楽しく拝読してます。

記事と直接関係ないのですが地図中の

「中華蕎麦 麺とスープ」、

最近オープンしたお店ですが美味しいです。

午前10時からの営業ですので、朝ラーに是非。


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