武蔵野の原風景をめぐるユルポタコース
2020.06.19
コロナ禍にあって変わったものの一つが自転車で向かう方角。
以前は都会方面へ、すなわち都心の北西に位置する居所から見たら南や東に向かうことが多かったが、いまはそっち方面へ行くことはほとんどない。
繁華街の人混みに踏み込む気になれないというより、店内飲食を控えるとなると、そもそも街に用事がなくなるのだ。
自転車は気分転換である。仕事で疲れたアタマを休める目的で乗る。
いまは人も車もいないところでボーっとしたい。
この間、そういうルートをいくつか開拓した。

© OpenStreetMap contributors
人とも車とも出会わないって、いまの時代、東京近郊で、いくらなんでもそれは大げさだろうと思われるかもしれないが、本当です。
近くにお住まいで自転車に乗ることもあるという方は、まず今回のルートをお試しいただきたい。

東新井町交差点は車でいっぱい(地図の⓪)
国道463号(浦和所沢バイパス、通称:うらとこ)とさいたまふじみの所沢線の交わる東新井町交差点の一つ東の信号がスタート・ゴール。総距離12kmほどの気軽なコースである。
〈牛沼〉

© OpenStreetMap contributors
①所沢市大字牛沼、②木村・徳田両中尉墜落地案内標識

③坂道

④神明神社

⑤茶畑地帯
幹線道路の交差点から20mほど入っただけで古びた町並みが現れる(写真①)。さらに750m進むと、東川河岸段丘の広大な茶畑地帯(写真⑤)。
この古い町並みと茶畑などの耕作地帯が今回通ったエリアの多くを占める。
〈松郷〉

© OpenStreetMap contributors

⑥松郷交差点

⑦所沢市東部クリーンセンター(左)
「おまえ どこから来たの? まつごうっ!?」の松郷交差点(写真⑥)。
ここで古い道が分断されている。
この先がこのルートの中心部だ。
〈日比田~亀ケ谷・南永井〉

© OpenStreetMap contributors


⑧⑨日比田水路の谷筋の道
写真⑦は東川支流・日比田水路の谷で、SFチックな構造物は所沢市東部クリーンセンターと所沢市リサイクルふれあい館の連絡橋。
巨大ごみ処理施設の下流に開けた日比田地区は、まるで腐海に囲まれた風の谷のようだ。

⑩レトロな雑貨屋

⑪坂道

⑫坂の上は亀ケ谷・南永井の広大な畑作地帯へ続く

⑬この先を左折(わかりにくいので要注意)
うらとこバイパス・日比田交差点へ向かう道(柳瀬資料館通りの延長)は寺社や商業施設もあり、ルート中で随一の主要道の様相を呈している。交通量も少なくないが、車にまったく出くわさないこともある。
写真⑪の坂を上ると、また違った雄大な景色が広がる。
〈折り返し(関越道)〉

© OpenStreetMap contributors

⑭南永井の畑作地帯

⑮ラーメン「珍来」
この季節、このあたりではヒバリが盛んにさえずっており、すぐ北に見える南永井通りの車列がうそのように静か。
オリンピック道路にある「珍来」という滝山の名物店と同じ名前のラーメン屋がずっと気になっている。
⑯関越自動車道と⑰その側道

⑱南永井八幡神社
今回は関越道を折り返しに設定しているが、さらに進めば同じような田舎道を東武東上線・みずほ台駅あたりまで行ける。
〈南永井の屋敷林〉

© OpenStreetMap contributors

⑲屋敷前を通る道

⑳立派な屋敷林
屋敷林・耕地・平地林という武蔵野を特徴づける短冊型の地割りがいまも残る。
⑲の屋敷前を横断する道は、⑭の畑を横切る道と平行して走る。両者を直角に結ぶ道はほぼ私道である。
〈再び日比田地区〉

© OpenStreetMap contributors

㉑亀ケ谷の耕作地。前方に東部クリーンセンターの塔が見える

㉒下り坂

㉓「三上さんちの焼きだんご」
見晴らしのよい耕作地。⑫の道(薄紫)の一本西を戻っている。
坂を下ると⑩の雑貨店にぶつかり、少し上ると焼きだんごのお店。
沢筋のこの道は片側の暗渠が歩道になっている。

㉔所沢欅聖地霊園方面に入る

㉕クリーンセンター施設を⑦とは反対側から見下ろす

㉖日比田の高台
〈所沢堀兼狭山線~カルチャーパーク通り〉

© OpenStreetMap contributors

㉗ランドマーク

㉘山田食品産業の牙城の様相

㉙「9秒カレー 所沢店」
⑥の松郷交差点はうらとこバイパスと県道126号所沢堀兼狭山線の交差点であり、その1km北で再び126号を越える。

㉚所沢市指定文化財「木村・徳田両中尉墜落地」(写真②③に案内標識)

㉛若松町から霊園方面を望む
若松町は古い団地エリアだが、外れには農村風景が残る。
東の緑は霊園やカルチャーパークの森、西は航空公園である。
〈こぶし台団地~うらとこ(ゴール)〉

© OpenStreetMap contributors

㉜こぶし台団地

㉝中華料理「泰雅」
団地内には商業エリアが残っていて、いい感じの街中華が出現したりする。
(個人的)自粛明けのあかつきにはぜひ訪れたい。

㉞塚口地蔵尊

㉟スタート・ゴールの交差点
浦和所沢バイパスは有数の幹線道路であるが、自転車で走りやすいとは言い難い。
一方、北に接する「三富地区」は工場・倉庫・産廃地帯で、どの道も大型トラックが行き交い、自転車でのんびり走れる場所は存在しない。今回のコースも、一つ曲がり角を間違えれば、知らぬ間にそういう道に合流してしまうという紙一重のきわどさがある。実は針の穴を通すような精緻なコース設定なのである。
あえて“便利”を遠ざけることで得られるものがある。
素晴らしい武蔵野の原風景に触れることができるのだ。
〈おまけ〉
~ いちおう食べ物ブログなので…
「三上さんちの焼きだんご」/埼玉県所沢市大字日比田536

(2020年5月30日)
「9秒カレー 所沢店」/埼玉県所沢市大字下新井1405-23


(2019年12月19日)
[Today's recommendation]



https://www.youtube.com/watch?v=B51bLBdUt3w
コロナ禍にあって変わったものの一つが自転車で向かう方角。
以前は都会方面へ、すなわち都心の北西に位置する居所から見たら南や東に向かうことが多かったが、いまはそっち方面へ行くことはほとんどない。
繁華街の人混みに踏み込む気になれないというより、店内飲食を控えるとなると、そもそも街に用事がなくなるのだ。
自転車は気分転換である。仕事で疲れたアタマを休める目的で乗る。
いまは人も車もいないところでボーっとしたい。
この間、そういうルートをいくつか開拓した。

© OpenStreetMap contributors
人とも車とも出会わないって、いまの時代、東京近郊で、いくらなんでもそれは大げさだろうと思われるかもしれないが、本当です。
近くにお住まいで自転車に乗ることもあるという方は、まず今回のルートをお試しいただきたい。

東新井町交差点は車でいっぱい(地図の⓪)
国道463号(浦和所沢バイパス、通称:うらとこ)とさいたまふじみの所沢線の交わる東新井町交差点の一つ東の信号がスタート・ゴール。総距離12kmほどの気軽なコースである。
〈牛沼〉

© OpenStreetMap contributors
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③坂道

④神明神社

⑤茶畑地帯
幹線道路の交差点から20mほど入っただけで古びた町並みが現れる(写真①)。さらに750m進むと、東川河岸段丘の広大な茶畑地帯(写真⑤)。
この古い町並みと茶畑などの耕作地帯が今回通ったエリアの多くを占める。
〈松郷〉

© OpenStreetMap contributors

⑥松郷交差点

⑦所沢市東部クリーンセンター(左)
「おまえ どこから来たの? まつごうっ!?」の松郷交差点(写真⑥)。
ここで古い道が分断されている。
この先がこのルートの中心部だ。
〈日比田~亀ケ谷・南永井〉

© OpenStreetMap contributors


⑧⑨日比田水路の谷筋の道
写真⑦は東川支流・日比田水路の谷で、SFチックな構造物は所沢市東部クリーンセンターと所沢市リサイクルふれあい館の連絡橋。
巨大ごみ処理施設の下流に開けた日比田地区は、まるで腐海に囲まれた風の谷のようだ。

⑩レトロな雑貨屋

⑪坂道

⑫坂の上は亀ケ谷・南永井の広大な畑作地帯へ続く

⑬この先を左折(わかりにくいので要注意)
うらとこバイパス・日比田交差点へ向かう道(柳瀬資料館通りの延長)は寺社や商業施設もあり、ルート中で随一の主要道の様相を呈している。交通量も少なくないが、車にまったく出くわさないこともある。
写真⑪の坂を上ると、また違った雄大な景色が広がる。
〈折り返し(関越道)〉

© OpenStreetMap contributors

⑭南永井の畑作地帯

⑮ラーメン「珍来」
この季節、このあたりではヒバリが盛んにさえずっており、すぐ北に見える南永井通りの車列がうそのように静か。
オリンピック道路にある「珍来」という滝山の名物店と同じ名前のラーメン屋がずっと気になっている。
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⑱南永井八幡神社
今回は関越道を折り返しに設定しているが、さらに進めば同じような田舎道を東武東上線・みずほ台駅あたりまで行ける。
〈南永井の屋敷林〉

© OpenStreetMap contributors

⑲屋敷前を通る道

⑳立派な屋敷林
屋敷林・耕地・平地林という武蔵野を特徴づける短冊型の地割りがいまも残る。
⑲の屋敷前を横断する道は、⑭の畑を横切る道と平行して走る。両者を直角に結ぶ道はほぼ私道である。
〈再び日比田地区〉

© OpenStreetMap contributors

㉑亀ケ谷の耕作地。前方に東部クリーンセンターの塔が見える

㉒下り坂

㉓「三上さんちの焼きだんご」
見晴らしのよい耕作地。⑫の道(薄紫)の一本西を戻っている。
坂を下ると⑩の雑貨店にぶつかり、少し上ると焼きだんごのお店。
沢筋のこの道は片側の暗渠が歩道になっている。

㉔所沢欅聖地霊園方面に入る

㉕クリーンセンター施設を⑦とは反対側から見下ろす

㉖日比田の高台
〈所沢堀兼狭山線~カルチャーパーク通り〉

© OpenStreetMap contributors

㉗ランドマーク

㉘山田食品産業の牙城の様相

㉙「9秒カレー 所沢店」
⑥の松郷交差点はうらとこバイパスと県道126号所沢堀兼狭山線の交差点であり、その1km北で再び126号を越える。

㉚所沢市指定文化財「木村・徳田両中尉墜落地」(写真②③に案内標識)

㉛若松町から霊園方面を望む
若松町は古い団地エリアだが、外れには農村風景が残る。
東の緑は霊園やカルチャーパークの森、西は航空公園である。
〈こぶし台団地~うらとこ(ゴール)〉

© OpenStreetMap contributors

㉜こぶし台団地

㉝中華料理「泰雅」
団地内には商業エリアが残っていて、いい感じの街中華が出現したりする。
(個人的)自粛明けのあかつきにはぜひ訪れたい。

㉞塚口地蔵尊

㉟スタート・ゴールの交差点
浦和所沢バイパスは有数の幹線道路であるが、自転車で走りやすいとは言い難い。
一方、北に接する「三富地区」は工場・倉庫・産廃地帯で、どの道も大型トラックが行き交い、自転車でのんびり走れる場所は存在しない。今回のコースも、一つ曲がり角を間違えれば、知らぬ間にそういう道に合流してしまうという紙一重のきわどさがある。実は針の穴を通すような精緻なコース設定なのである。
あえて“便利”を遠ざけることで得られるものがある。
素晴らしい武蔵野の原風景に触れることができるのだ。
〈おまけ〉
~ いちおう食べ物ブログなので…
「三上さんちの焼きだんご」/埼玉県所沢市大字日比田536

![]() | ![]() |
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「9秒カレー 所沢店」/埼玉県所沢市大字下新井1405-23

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https://www.youtube.com/watch?v=B51bLBdUt3w
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コメントの投稿
楽しみですー
シントコ起点→狭山湖・多摩湖方面か、
シントコ起点→フラワーヒル・入曽方面ルートでしょうか。
車通りの多い道をどう避けるのか、楽しみです!
東京都の方に教えていただくって、情けないジモティではありますが、
楽しみにしておりまーす。
ありがとう
シントコ起点→フラワーヒル・入曽方面ルートでしょうか。
車通りの多い道をどう避けるのか、楽しみです!
東京都の方に教えていただくって、情けないジモティではありますが、
楽しみにしておりまーす。
ありがとう
Re: ごぶさたですー
つかりこさま
所沢在住で自転車にも乗られるつかりこさんをかなり意識しつつ記事つくってます。
リアクション、うれしいです。
お気づきのように一筆書きのようなコース設定で、地図の読み込みの甘い人は知らず知らず南永井通りや学園通りを走ってしまってる… ということになると思います。
そういう車通りと一本違いで大違いというのがこのコースのポイントですね。
ぜひ走ってみてください。
実は第2弾としてシントコ起点のコースの素材もそろっていて、いつでも記事にできるんですが、どうでしょう。
つかりこさんのお膝元だし…(笑)
所沢在住で自転車にも乗られるつかりこさんをかなり意識しつつ記事つくってます。
リアクション、うれしいです。
お気づきのように一筆書きのようなコース設定で、地図の読み込みの甘い人は知らず知らず南永井通りや学園通りを走ってしまってる… ということになると思います。
そういう車通りと一本違いで大違いというのがこのコースのポイントですね。
ぜひ走ってみてください。
実は第2弾としてシントコ起点のコースの素材もそろっていて、いつでも記事にできるんですが、どうでしょう。
つかりこさんのお膝元だし…(笑)
ごぶさたですー
やー、詳細なポタリングコースをご教示いただき
ありがとうございます!
これは、学園通りと463にはさまれた、農道エリアですね。
墓と里芋とお茶とサツマイモの畑が広がる部分で、
雨のない初夏には、「所沢黄砂地帯」と呼ばれるとろこです。(笑・汗)
※乾燥すると、畑の土が空を舞う(汗)
僕は週イチで、南永井通りを通って、約千回ほど埼玉スポーツセンター
へ通いましたが、ご紹介のルートは部分的に通ったことがある
ことがあるくらいで、ここまで徹底的に空いた道を探したことは
ありませんでした。やー、お見事ですー。
あの辺の住民より詳しいかもしれませんね。
こういった田舎道があったりするのが、埼玉と東京の決定的な違いかもですね。
手打ちラーメンの「珍来」の存在は、前から知っていたのですが、
関越道のさらに北東に「埼スポ」がありまして、
そのちょっと東に254の「みずほ台駅入口」という交差点がありまして、
その角に、あの辺では人気の「珍来飯店」というのがあるんですよ。
そこんちから比較的近いことから、そこの分店かとばかり思っていました。
三芳や三富方面も元農道が多く走りやすいですが、
交通標識があまりなく、道に迷ってしまうくらいですわー。(汗)
ありがとうございます!
これは、学園通りと463にはさまれた、農道エリアですね。
墓と里芋とお茶とサツマイモの畑が広がる部分で、
雨のない初夏には、「所沢黄砂地帯」と呼ばれるとろこです。(笑・汗)
※乾燥すると、畑の土が空を舞う(汗)
僕は週イチで、南永井通りを通って、約千回ほど埼玉スポーツセンター
へ通いましたが、ご紹介のルートは部分的に通ったことがある
ことがあるくらいで、ここまで徹底的に空いた道を探したことは
ありませんでした。やー、お見事ですー。
あの辺の住民より詳しいかもしれませんね。
こういった田舎道があったりするのが、埼玉と東京の決定的な違いかもですね。
手打ちラーメンの「珍来」の存在は、前から知っていたのですが、
関越道のさらに北東に「埼スポ」がありまして、
そのちょっと東に254の「みずほ台駅入口」という交差点がありまして、
その角に、あの辺では人気の「珍来飯店」というのがあるんですよ。
そこんちから比較的近いことから、そこの分店かとばかり思っていました。
三芳や三富方面も元農道が多く走りやすいですが、
交通標識があまりなく、道に迷ってしまうくらいですわー。(汗)
Re: No title
鍵コメさま
田舎道にぽつんとたたずむだんご屋さん、なかなかいいでしょ?
写真に日付を入れているように、たべものは過去写真です。
だんごを食べる予定が臨時休業で、この日は何も食べていません。
いつか途中のラーメン屋に入りたいとは思っているんですが…
田舎道にぽつんとたたずむだんご屋さん、なかなかいいでしょ?
写真に日付を入れているように、たべものは過去写真です。
だんごを食べる予定が臨時休業で、この日は何も食べていません。
いつか途中のラーメン屋に入りたいとは思っているんですが…
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