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原色山菜図鑑―ミツバアケビ

2020.04.11

 COVID-19が猛威を振るういまこそ食について考えたい。
 旬の食材にはその時期に体が必要とする成分が多く含まれ、たとえば春野菜には厳冬期を耐え芽出しし成長するための栄養素が豊富に蓄積されているばかりでなく、特有の苦味成分は解毒作用や抗酸化作用などの働きを持ち、体の新陳代謝を促すといわれる。
常日ごろそういったものを摂取することで免疫力や抵抗力を高め、ウイルスに負けない体づくりを心掛けたい。

「旬のものを食べたい」と言うと、「食べてるじゃない。新ジャガ、春キャベツ、新タマネギ…」と相方。
「そういうのもいいんだけど、もっとこう春っぽい、ウドとかタラの芽とか」
「山菜ってことね」

「そういえばさ」と次女。「昔、アケビの芽って食べたでしょ。すごく印象に残ってて、また食べたいってなるんだけど、アケビの芽なんかどこにも売ってない」
「え…? 裏に生えてるよ」


20200411 akebi-11


この家に住み始めのころ、狭い庭に何でもかんでも植えていて、北西の位置に植えたミツバアケビはなぜか実を付けず、そのくせ蔓は大いに繁茂するので持て余し、強く刈り込んであった。それが今年復活していることに気づき、どうしたものかと思っていたのだ。
話が出たことだし、新芽の採取を兼ねて剪定することにした。


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娘たちが小さいころ、GWに僕の生まれ故郷に1週間くらいの日程で行くのが恒例となっていた。リアス式海岸の海でもあり山でもあるという土地で、磯ではアサリや大アサリ、シッタカ、山ではワラビやゼンマイ、コゴミ、タラの芽などが採れた。
次女が言うのはそんな20年以上も前の話だ。


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アケビの芽はさっとゆでて冷水にとり、刻んでかつお節をかけ、シンプルにしょうゆのみでいただく。シャクシャクした食感が心地よく、やや強い苦味。
新芽は成長点そのものであり、まさに春の生命力をじかに取り入れている感覚。
「なつかしい…」と次女。


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次女は今日、家を出た。
なにもこんなときに… と思う反面、リスクが分散される安心感も若干ある。
少なくとも自分が拾ってきてうつすおそれはなくなったという意味で、心配事が一つ減った。
実感としてその程度しか湧かないのは、非日常の日々、感覚が鈍麻してきているから。


20200411 akebi-16



[Today's recommendation]

wachat20200411.jpg




https://youtu.be/rSG52XVSDV8


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Re: No title

鍵コメKさま

タイミングがタイミングだけに寂しさを感じる気持ちの余裕もないようで、逆にホッとしている部分もあるんです。
写真は25年近く前の娘ズです。
でもこういうのを見ていると感傷的になってしまうという自縄自縛。。。

Re: 「原色」がミソでしたね

つかりこさま

動画に山口百恵の「秋桜」貼りそうになって、なんとか踏みとどまりました。
その時はあっという間にやって来ますよ。突然に。
うううっ。

Re: No title

鍵コメhさま

ありがとうございます。
強く羽ばたいてくれるといいのですが…
でもいまは、とにかく体を大切にと。

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「原色」がミソでしたね

タイトルからして、山菜のみのおハナシかと思ったら・・・
もう、照れ屋さんなんだからあ。
うううっ・・・、泣ける~。

そうかあ、ウチのもまだ母親にベッタリだけど、
そのうち、一人暮らしするとか、結婚なんかで
出ていく時が来るんですねぇ。
想像もしたことなかったけど、うううっ。

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