工場まちで引き継ぐ多摩の暖簾 【あら井鮨】
2019.07.23
府中街道の小平第六小学校角のT字路から国立精神・神経医療センターに抜ける通りを、その名も「六小通り」と称する。
超ローカルな地理に疎い方には、第一パンのアウトレットショップ「IF」の通りと言ったほうがわかりやすいかもしれない。あるいは、ビジネスバッグブランド「MANHATTAN PASSAGE」の企画製造販売メーカー・レジャープロダクツの所在地もこのあたり。

その六小通りのほぼ中央に位置する「あら井鮨」。
ブリヂストン、第一屋製パンをはじめとする工場街に異質かつ孤高の存在感を放っている。

ランチサービスの看板を出していて、それがなかなかリーズナブルであることを承知してはいるが、おいそれと踏み込める店ではない。孤高なだけに。
それが今日、通りかかると、引き戸の両側が半開きになっていて、店内の様子をうかがうことができた。

テーブル席はないがカウンターが大きめ、先客なし。ランチの看板では、にぎり842円。
それだけ確認できれば十分。
孤高から一転、ちゃちゃっとやっつけられる気安いお店の条件が整っていたわけである。

カウンターの中の年配の大将に「にぎり」と申告。
すると、奥の調理場から冷たいおしぼりを持ってきた2代目若大将が「にぎりだって」と伝言。「耳が遠いんですよ」と。
自分も父親が(祖父も)耳の遠い人間で、なんとなくそんな様子はうかがえた。
しかしこれは困った状況。この店に入ったらこれだけは聞いておきたいという事項がある。

2代目がテレビのチャンネルを変えにやって来たタイミングで質問。
「八坂にも同じ名前のおすし屋さんありますね?」

八坂駅近くの野火止通り沿いにある老舗然とした店構えの「あら井鮨」とはどんな関係にあるのか。その次に聞こうと思っていた質問の答えが、まず返ってきた。
「もとは立川なんです」と2代目。「立川の『あら井鮨』の暖簾分けで、久米川(八坂)のほうが、うちの親父のずっと先輩にあたる方で…」
それによると、この暖簾の総本山が立川北駅前交差点の「あら井鮨総本店」で、かつては三多摩地区に暖簾分けの店がたくさんあったという。食べログで調べたところ、現在はこの3店のほかに八王子のお店が確認できた。

というところに始まり、気さくな2代目と会話しながらの楽しい食事となった。
お子さんにせがまれて某回るすし店に行った話など、示唆に富む内容も多く…。
大将が会話に入ってこられないのがちょっと残念ではあるが。

にぎり7貫、鉄火巻き3個という内容。
とにかくネタの大きさに驚かされる。甘エビのデカいこと。

あまりお目にかからないビジュアルの白身はメカジキ? 軟らかくうま味の強い身質。
カニにぎりもあって、ランチにしてひと味違うラインアップだ。
シャリもデカく、これで十分おなかいっぱいになる。

話し込んで撮影を忘れ飲みかけの写真になってしまったが…、甘エビの頭の赤みそ仕立て。いいだしが出てる
ブリヂストンの工場解体・研究拠点再構築など立地的にも時代的にも困難な局面にあって店を引き継ぐ2代目の心意気に、感動…。

[DATA]
あら井鮨
東京都小平市小川東町5-13-12
[Today's recommendation]


◆ 猫写真はこちら その1 その2 その3 ◆

https://youtu.be/Tka4DQGx7zc
府中街道の小平第六小学校角のT字路から国立精神・神経医療センターに抜ける通りを、その名も「六小通り」と称する。
超ローカルな地理に疎い方には、第一パンのアウトレットショップ「IF」の通りと言ったほうがわかりやすいかもしれない。あるいは、ビジネスバッグブランド「MANHATTAN PASSAGE」の企画製造販売メーカー・レジャープロダクツの所在地もこのあたり。

その六小通りのほぼ中央に位置する「あら井鮨」。
ブリヂストン、第一屋製パンをはじめとする工場街に異質かつ孤高の存在感を放っている。

ランチサービスの看板を出していて、それがなかなかリーズナブルであることを承知してはいるが、おいそれと踏み込める店ではない。孤高なだけに。
それが今日、通りかかると、引き戸の両側が半開きになっていて、店内の様子をうかがうことができた。


テーブル席はないがカウンターが大きめ、先客なし。ランチの看板では、にぎり842円。
それだけ確認できれば十分。
孤高から一転、ちゃちゃっとやっつけられる気安いお店の条件が整っていたわけである。

カウンターの中の年配の大将に「にぎり」と申告。
すると、奥の調理場から冷たいおしぼりを持ってきた2代目若大将が「にぎりだって」と伝言。「耳が遠いんですよ」と。
自分も父親が(祖父も)耳の遠い人間で、なんとなくそんな様子はうかがえた。
しかしこれは困った状況。この店に入ったらこれだけは聞いておきたいという事項がある。

2代目がテレビのチャンネルを変えにやって来たタイミングで質問。
「八坂にも同じ名前のおすし屋さんありますね?」

八坂駅近くの野火止通り沿いにある老舗然とした店構えの「あら井鮨」とはどんな関係にあるのか。その次に聞こうと思っていた質問の答えが、まず返ってきた。
「もとは立川なんです」と2代目。「立川の『あら井鮨』の暖簾分けで、久米川(八坂)のほうが、うちの親父のずっと先輩にあたる方で…」
それによると、この暖簾の総本山が立川北駅前交差点の「あら井鮨総本店」で、かつては三多摩地区に暖簾分けの店がたくさんあったという。食べログで調べたところ、現在はこの3店のほかに八王子のお店が確認できた。

というところに始まり、気さくな2代目と会話しながらの楽しい食事となった。
お子さんにせがまれて某回るすし店に行った話など、示唆に富む内容も多く…。
大将が会話に入ってこられないのがちょっと残念ではあるが。

にぎり7貫、鉄火巻き3個という内容。
とにかくネタの大きさに驚かされる。甘エビのデカいこと。

あまりお目にかからないビジュアルの白身はメカジキ? 軟らかくうま味の強い身質。
カニにぎりもあって、ランチにしてひと味違うラインアップだ。
シャリもデカく、これで十分おなかいっぱいになる。

話し込んで撮影を忘れ飲みかけの写真になってしまったが…、甘エビの頭の赤みそ仕立て。いいだしが出てる
ブリヂストンの工場解体・研究拠点再構築など立地的にも時代的にも困難な局面にあって店を引き継ぐ2代目の心意気に、感動…。

[DATA]
あら井鮨
東京都小平市小川東町5-13-12
[Today's recommendation]


◆ 猫写真はこちら その1 その2 その3 ◆

https://youtu.be/Tka4DQGx7zc