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ごく普通のタンメンを求め… 【大黒楼】

2019.05.31

 タンメンが食べたいと、このところずっと思っていた。
タンメンは普通のごくありきたりのものでいい。

タンメンとは、まあ炒め野菜ののった塩味のラーメンである。
材料としては、ハクサイまたはキャベツとモヤシを主体に、少量のコマツナ、ニラ、ニンジン、キクラゲが彩りを添え、豚肉が適量。スープはごくあっさり塩味だが、炒め野菜が高エネルギーの油脂をまといコク味が付与されることから、決してライトな印象ではない。炒め油はゴマ油で、青臭さのマスキングと風味づけをも担う。技法としては中華鍋で強火で一気、野菜のアツアツかつシャキシャキ感が身上。
――というのが僕の考える普通のタンメン。


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そういうものが食べたいのであって、そこからの逸脱をあまり望まない。
たとえばチャーシューがのってくることがあるが、それは過剰であり、よけいなことをしてくれた… と。
そういう反応がタンメン熱の典型的症状の一つであろう。


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いかにもごく普通のタンメンが出てきそうな街の中華屋さん「大黒楼」。
西武多摩湖線一橋学園駅北口を出て踏切を渡り、西へ。
この街の東西のメインストリート、学園中央通りに「大黒楼」は面している。


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この通りの駅の東側はいまもそこそこ商店街っぽいが、西側はくしの歯欠け状態が進行している。そもそものバックグラウンドが一橋大学かどうかは知らないが、いまは商業地の要件は希薄のように感じられる。


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不思議なことに、遠巻きに反対側の歩道から眺めている分にはいかにも恐ろしげな印象だったが、近寄って暖簾をめくってみると案外フツウである。先客が2人もいるのも、この場合は心強い。


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店内は4人掛けテーブル3卓、カウンターは両端が物置き状態で、使用可領域は5~6人分。
奥のテーブルに着き、いちおう壁の品書きをチェックする。


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タンメンは500円と激安。むしろ期待できるんじゃないか?
入店時に入り口際のテーブルにちょうど運ばれてきたのがたぶんモヤシソバで、同じ500円のその品のごくシンプルなルックスが実によかったのである。


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年配のご主人1人体制かな。
注文から4分ほどと、アッという間にタンメンが出てきた。


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野菜はキャベツ、モヤシ、コマツナ、ニラ、ニンジン、キクラゲ… って、上に記した僕の考えるタンメンのお手本そのもの。
見た目は地味だが、僕はこの時点で大喜びしている。
ツルッとしたストレートな中細麺。
あー、うま。


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ちょっと前までごく普通の存在だったこういう中華屋さんは、いまや絶滅危惧種。
ごく普通のなんてことないタンメン、大丈夫か…?


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[DATA]
大黒楼
東京都小平市学園西町2-16-3



[Today's recommendation]

wachat190531.jpg
◆ 猫写真はこちら その1 その2 その3




https://youtu.be/NZkSNeH6QII


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