ぷりぷりエビフライに心も軽やか 【プリモ】
2019.05.28
三鷹は近くて遠い街である。
吉祥寺に住んでいた学生時代、大学は新宿区、主なバイト先も新宿区および杉並区と、行く先が東向きに偏っており、西の方角には一つ隣駅の三鷹ですら「行った記憶がない…」というくらいに関わりが薄かった。
いまの町に住むようになって、もっと西の国分寺や立川は行きやすいため親近感も湧いてくるが、今度三鷹は東にビミョーに遠い。
自分にとって三鷹は中央線のエアポケット的スポット。
ゆえにアウェー感ハンパない。

三鷹には魅力的な店がたくさんあるが、アウェーだけにビビッて近寄れないのが実情。ところがたまに、ハードルの高い店でも「いまなら入れるかも…」と思うことがある。
今日、そうなった。
三鷹でも特に難易度の高いお店に入れそうな気がする。これを逃すと次いつ来るかわからないので現地に急行。

三鷹駅北口の街外れ、成蹊通りのJR中央本線をくぐるガード北の平沼園前五差路周辺には、気になるお店が集中している。
その一つ「プリモ」。

道行く人を郷愁の彼方へといざなわずにはおかない古きよき喫茶店の風貌。
少し観察していると、70がらみの仕事人風の男性が足を止め、サンプルケースに見入り、店内に吸い込まれていった。

釣られるようにケースをのぞき込む。
フォークでグルグル麺リフトしている、食品サンプルを代表する意匠のアレが2柱。ナポリタンもミートソースも720円(サラダ付き、税別)。
昔はスパゲティが多かったけど、このところこういうお店で食べるのは、ほぼカレー。しかしここで目に留まったのはそのどちらでもなかった。
エビフライ。
日替わりメニューでセット価格760円って、安くない?

店内は右手にバーカウンター、左側がローテーブルの客席。収容人数20名程度のところ予想外に10人ほども先客がおり、(アウェーだけに)ちょっとビビる。
悪いことにお店の人が見当たらず、そのまま適当なところに座っても絶対気づいてもらえないパターンだ。
カウンター内の奥で調理している気配があり、そちらに「こんちはー」と声を掛ける。

出てきたのは、ガイジン…? としか思えない彫りの深い顔立ちの年配の紳士であった。
ネット上で出生地情報は見つからなかったが、マスターは元船乗りという書き込みがあった。そういえば僕の父親も元船乗りで若いころは外人みたいと言われていた。船乗りにはそういう傾向があるのかも。

ミニチュアシップや船舶灯、ガラス浮き玉、なぜかサーベル (^○^) といった装飾品に囲まれ、船乗りだらけのような環境に育った自分にとって、(アウェーなのに)懐かしくもホッとする空間である。

エビフライは3本。サイズ感があって揚げ方も申し分なく、プリップリで甘みたっぷり。
付け合わせの野菜がいろいろ。スープはかき玉コンソメ。
タルタルソースとウスターソースが両方出されるのがうれしい。2本タルタル、1本ウスターでいただいた。

マスターのsoft and gentleな応対もあって、少なくともここにアウェーな空気はない。
海の男のopen mindに触れ、こちらの精神も開放されたかのよう。

[DATA]
プリモ
東京都武蔵野市中町1-34-8
[Today's recommendation]


◆ 猫写真はこちら その1 その2 その3 ◆

https://youtu.be/ZnJ7uOK4nYg
三鷹は近くて遠い街である。
吉祥寺に住んでいた学生時代、大学は新宿区、主なバイト先も新宿区および杉並区と、行く先が東向きに偏っており、西の方角には一つ隣駅の三鷹ですら「行った記憶がない…」というくらいに関わりが薄かった。
いまの町に住むようになって、もっと西の国分寺や立川は行きやすいため親近感も湧いてくるが、今度三鷹は東にビミョーに遠い。
自分にとって三鷹は中央線のエアポケット的スポット。
ゆえにアウェー感ハンパない。

三鷹には魅力的な店がたくさんあるが、アウェーだけにビビッて近寄れないのが実情。ところがたまに、ハードルの高い店でも「いまなら入れるかも…」と思うことがある。
今日、そうなった。
三鷹でも特に難易度の高いお店に入れそうな気がする。これを逃すと次いつ来るかわからないので現地に急行。

三鷹駅北口の街外れ、成蹊通りのJR中央本線をくぐるガード北の平沼園前五差路周辺には、気になるお店が集中している。
その一つ「プリモ」。

道行く人を郷愁の彼方へといざなわずにはおかない古きよき喫茶店の風貌。
少し観察していると、70がらみの仕事人風の男性が足を止め、サンプルケースに見入り、店内に吸い込まれていった。

釣られるようにケースをのぞき込む。
フォークでグルグル麺リフトしている、食品サンプルを代表する意匠のアレが2柱。ナポリタンもミートソースも720円(サラダ付き、税別)。
昔はスパゲティが多かったけど、このところこういうお店で食べるのは、ほぼカレー。しかしここで目に留まったのはそのどちらでもなかった。
エビフライ。
日替わりメニューでセット価格760円って、安くない?

店内は右手にバーカウンター、左側がローテーブルの客席。収容人数20名程度のところ予想外に10人ほども先客がおり、(アウェーだけに)ちょっとビビる。
悪いことにお店の人が見当たらず、そのまま適当なところに座っても絶対気づいてもらえないパターンだ。
カウンター内の奥で調理している気配があり、そちらに「こんちはー」と声を掛ける。

出てきたのは、ガイジン…? としか思えない彫りの深い顔立ちの年配の紳士であった。
ネット上で出生地情報は見つからなかったが、マスターは元船乗りという書き込みがあった。そういえば僕の父親も元船乗りで若いころは外人みたいと言われていた。船乗りにはそういう傾向があるのかも。

ミニチュアシップや船舶灯、ガラス浮き玉、なぜかサーベル (^○^) といった装飾品に囲まれ、船乗りだらけのような環境に育った自分にとって、(アウェーなのに)懐かしくもホッとする空間である。

エビフライは3本。サイズ感があって揚げ方も申し分なく、プリップリで甘みたっぷり。
付け合わせの野菜がいろいろ。スープはかき玉コンソメ。
タルタルソースとウスターソースが両方出されるのがうれしい。2本タルタル、1本ウスターでいただいた。

マスターのsoft and gentleな応対もあって、少なくともここにアウェーな空気はない。
海の男のopen mindに触れ、こちらの精神も開放されたかのよう。

[DATA]
プリモ
東京都武蔵野市中町1-34-8
[Today's recommendation]


◆ 猫写真はこちら その1 その2 その3 ◆

https://youtu.be/ZnJ7uOK4nYg