みちのく行き当たりバッタリ _ ( _“_;) ――その③ 【割烹 清川】
2019.04.29
「春蘭亭」でまったりとなって、そのあといい気分で街を散策し、駐車場に戻ったときには11時半を回っていた。昼ごはんを盛岡でというのはちょっと現実的でなくなっており、そうなると、普段昼しか外食しないので気づかなかったが今日は夕食も外でとらなければならないわけで、じゃあジャジャ麺は夕方でいいか、と方針変更。

城下町ならではの鉤の手(左上)を通って登米神社へ
そうと決めたら盛岡に急ぐ必要はないので平泉に寄り道することにして、ならば昼ごはんは平泉でか…? といっても何も思い浮かばない。
さっきどこかで見た地図を思い出す。この登米の街外れの川べりに、うなぎ屋が記してあった。

13番が「東海亭」、16番が「清川」
駐車場の斜向かいに土産物センター兼観光案内所みたいなのがあって、そこで聞いたらうなぎ屋は2軒。
「この時間じゃ、どっちも混んでいると思いますよ」とのことだが、とにかく歩いて行ってみることに。
登米は油麩(仙台麩)発祥の地といわれ、途中、油麩丼を出す店がたくさん並んでいるが、一度うなぎと決めたら油麩ではちょっとなぁ… ( ̄ω ̄;) ウーム…
1軒目、明治8年創業の「東海亭」は、店内から外まで順番待ちの列が延びている ( ̄▽ ̄;) !!ガーン

明治でこうなら、もう1軒の「清川」なんか享保だっていうんだからどんなことになってるんだか… と、半ば諦め気分で行ってみれば意外にすいている。
ラッキー! …かどうかは食べてみないとわからないが。
「1階と2階、どちらがよろしいですか?」と聞かれ、迷わず2階に通してもらう。
お店の脇はもう北上川の自然堤防で、2階からなら土手の向こうに川が見えるんじゃないかと、誰もが考えるはずだ。

ところが2階大広間はガランと静まり返り、僕らが最初の客。
混むのは苦手だが、こうまですいていると若干不安なものが…。

それでも窓外には北上川が、辛うじてではあるが川面まで望め、土手の桜も、まあ咲いているということにして、実に気持ちのよい席である。

注文は、うなぎ丼 きも吸い付き2200円×2。

実はどこかの地図にうなぎ屋が載っているのを見たとき、今朝出発前に姉が言っていたことを思い出していた。
「登米には有名なうなぎ屋があって、お父さんはよくテッちゃんと一緒に行っていた」
テッちゃんは僕とは年の離れた従兄弟で、父親から見れば年の近い甥にあたる。一昨年亡くなり、父はひどく気落ちしていたという。
それがこの店だったかもしれないな… と、ちょっとしんみりする。

ぱっと見、照りの強い焼き上がりのうなぎで、甘めのタレかもという第一印象に反し、どちらかというと辛口、個人的には好みの味付け。

ふっくら蒸し加減もちょうどよく、くさみのない非常においしいうなぎ丼であった。

木の芽がそのまま添えてあるのはこの時期ならでは。
お新香にワサビの葉のしょうゆ漬けというのもうれしい。

一輪挿しのプレゼントまでいただいて、お値段以上、期待以上の昼ごはんとなった。
店を出て、土手の上を歩いて駐車場に戻る。

「清川」は享保元年(1716年)創業。登米は古くから開けた地で、江戸期は北上川の水運で栄えた城下町・宿場町。治水のための河川改修が行われた分岐点の上流であり水量豊かで、登米大橋のあたりは川幅が約300メートルにも及ぶという。

北上川産天然川うなぎは5月解禁。
(つづく)

[DATA]
割烹 清川
宮城県登米市登米町寺池中町66
[Today's recommendation]

※旅の間ネコ不在のため猫写真はお休みします
◆ 猫写真はこちら その1 その2 その3 ◆

https://youtu.be/JZF1xUrD_Fg
「春蘭亭」でまったりとなって、そのあといい気分で街を散策し、駐車場に戻ったときには11時半を回っていた。昼ごはんを盛岡でというのはちょっと現実的でなくなっており、そうなると、普段昼しか外食しないので気づかなかったが今日は夕食も外でとらなければならないわけで、じゃあジャジャ麺は夕方でいいか、と方針変更。
![]() | ![]() |

城下町ならではの鉤の手(左上)を通って登米神社へ
そうと決めたら盛岡に急ぐ必要はないので平泉に寄り道することにして、ならば昼ごはんは平泉でか…? といっても何も思い浮かばない。
さっきどこかで見た地図を思い出す。この登米の街外れの川べりに、うなぎ屋が記してあった。

13番が「東海亭」、16番が「清川」
駐車場の斜向かいに土産物センター兼観光案内所みたいなのがあって、そこで聞いたらうなぎ屋は2軒。
「この時間じゃ、どっちも混んでいると思いますよ」とのことだが、とにかく歩いて行ってみることに。
登米は油麩(仙台麩)発祥の地といわれ、途中、油麩丼を出す店がたくさん並んでいるが、一度うなぎと決めたら油麩ではちょっとなぁ… ( ̄ω ̄;) ウーム…
![]() | ![]() |
1軒目、明治8年創業の「東海亭」は、店内から外まで順番待ちの列が延びている ( ̄▽ ̄;) !!ガーン

明治でこうなら、もう1軒の「清川」なんか享保だっていうんだからどんなことになってるんだか… と、半ば諦め気分で行ってみれば意外にすいている。
ラッキー! …かどうかは食べてみないとわからないが。
![]() | ![]() |
「1階と2階、どちらがよろしいですか?」と聞かれ、迷わず2階に通してもらう。
お店の脇はもう北上川の自然堤防で、2階からなら土手の向こうに川が見えるんじゃないかと、誰もが考えるはずだ。

ところが2階大広間はガランと静まり返り、僕らが最初の客。
混むのは苦手だが、こうまですいていると若干不安なものが…。

それでも窓外には北上川が、辛うじてではあるが川面まで望め、土手の桜も、まあ咲いているということにして、実に気持ちのよい席である。

注文は、うなぎ丼 きも吸い付き2200円×2。

実はどこかの地図にうなぎ屋が載っているのを見たとき、今朝出発前に姉が言っていたことを思い出していた。
「登米には有名なうなぎ屋があって、お父さんはよくテッちゃんと一緒に行っていた」
テッちゃんは僕とは年の離れた従兄弟で、父親から見れば年の近い甥にあたる。一昨年亡くなり、父はひどく気落ちしていたという。
それがこの店だったかもしれないな… と、ちょっとしんみりする。

ぱっと見、照りの強い焼き上がりのうなぎで、甘めのタレかもという第一印象に反し、どちらかというと辛口、個人的には好みの味付け。

ふっくら蒸し加減もちょうどよく、くさみのない非常においしいうなぎ丼であった。

木の芽がそのまま添えてあるのはこの時期ならでは。
お新香にワサビの葉のしょうゆ漬けというのもうれしい。

一輪挿しのプレゼントまでいただいて、お値段以上、期待以上の昼ごはんとなった。
![]() | ![]() |
店を出て、土手の上を歩いて駐車場に戻る。

「清川」は享保元年(1716年)創業。登米は古くから開けた地で、江戸期は北上川の水運で栄えた城下町・宿場町。治水のための河川改修が行われた分岐点の上流であり水量豊かで、登米大橋のあたりは川幅が約300メートルにも及ぶという。

北上川産天然川うなぎは5月解禁。
(つづく)

[DATA]
割烹 清川
宮城県登米市登米町寺池中町66
[Today's recommendation]

※旅の間ネコ不在のため猫写真はお休みします
◆ 猫写真はこちら その1 その2 その3 ◆

https://youtu.be/JZF1xUrD_Fg