55年守り続ける味 【アカシア 新宿本店】
2019.02.17
新宿3丁目エリアは、駅南口~新南口エリアや渋谷などに比べインフラレベルの再構築が緩やかで、ランドマークの伊勢丹から細い街路に至るまで街の基本構造に大きな変化は見られない。路地裏には古い飲食店もたくさん残っており、ざっとピックアップしただけで若いころ入りいまだ健在というお店が20店を下らない。これをただ遠巻きに眺めていてよいものか。
昭和文化の息づく街、新宿3丁目。
さあ、というわけで――しゅつぼつ…

このエリアで古くからあるお店といって真っ先に思い浮かぶのが「アカシア」。
1963年開業。アカシアといえばロールキャベツ。
――ロールキャベツシチューのお店として新宿にて開業する。以来、55年間同じ味を守り続けている。その一方で、自家製のハム・ソーセージ、ハヤシソース、極辛カレーなどオリジナルティーあふれる料理を作り出してきた。これからも「包む」料理の探求や新しい味を求めていく。(お店HPより)

日曜の12時半で覚悟はしていたが、10人以上の行列。一応並ぶことは並んでどうしようかと相談していると、意外に回転が速い。そのまま5~6分で席に通された。

1階41席、2階24席。われわれは1階の奥側の4人テーブル。
以前は2人なら相席必至だったが、いまはそういうふうには見受けられない。1階ではフロアマネジャー風のおねえさんがてきぱきと取り仕切っており、システマティックに客の割り振りをしているため相席も少なく回転も速いんだと思う。
10年前くらいに入ったときは大ベテランのおばちゃん2人で大ざっぱに回しているふうで、それはそれでオモムキがあったが、いまのやり方のほうが客のストレスも少ないと思う。

注文は“当店独特料理”という独特の表現がなされたロールキャベツ中心の組み立てになる。
まず豚ハンバーグとロールキャベツシチューのセット(ライス付き)1000円。もう1品、個人的にこのお店では豚ロースのオイル焼きがいちばん好きで、以前はサービスセットがあったように思うが見当たらないので、オイル焼き単品800円+白ご飯200円に。

ところで、いまでこそ重厚なつくりが醸し出すレトロモダンな雰囲気がおしゃれ感覚で捉えられこのように行列のできる人気店だが、自分の学生時代、この店を場末の一膳めし屋くらいに思っていた。たいしてうまいわけじゃないが、安い店。

なので年とってからまた入るようになって、どうしても同じ店とは思えないのだが、それはこちらの感覚の変化なんだろうか。
とにかく、癒されます。

ハンバーグは板状に延ばしたタネを鉄板で焼いて四角く切り分けた独特のもの。
隣の席のお客は「ハンバーグです」と出された皿を見てものすごく驚いていた。

オイル焼きは生醤油に近いしょっぱめのタレが炒め油と合わさっただけのシンプルな味付けだが、これがご飯とよく合う。

全体にボリュームが多いので、各自1皿+ロールキャベツは2人で1個でちょうどいい。

入り口の行列には「この店がいちばん古いんだ」と言っているじいさん2人組もいたが、お客の大半が若い層のようだ。
それは“バエる”というSNSの波及効果のようでもあるが、街がボトムアップ的に活性化する現象はすべてポジティブに捉えたい。
*“料理以外の店内撮影はご遠慮ください”とあります。

[DATA]
アカシア 新宿本店
東京都新宿区新宿3-22-10
http://www.restaurant-acacia.com/
https://www.facebook.com/acaciashinjuku
[Today's recommendation]



https://youtu.be/NK518lxDz78
新宿3丁目エリアは、駅南口~新南口エリアや渋谷などに比べインフラレベルの再構築が緩やかで、ランドマークの伊勢丹から細い街路に至るまで街の基本構造に大きな変化は見られない。路地裏には古い飲食店もたくさん残っており、ざっとピックアップしただけで若いころ入りいまだ健在というお店が20店を下らない。これをただ遠巻きに眺めていてよいものか。
昭和文化の息づく街、新宿3丁目。
さあ、というわけで――しゅつぼつ…

このエリアで古くからあるお店といって真っ先に思い浮かぶのが「アカシア」。
1963年開業。アカシアといえばロールキャベツ。
――ロールキャベツシチューのお店として新宿にて開業する。以来、55年間同じ味を守り続けている。その一方で、自家製のハム・ソーセージ、ハヤシソース、極辛カレーなどオリジナルティーあふれる料理を作り出してきた。これからも「包む」料理の探求や新しい味を求めていく。(お店HPより)

日曜の12時半で覚悟はしていたが、10人以上の行列。一応並ぶことは並んでどうしようかと相談していると、意外に回転が速い。そのまま5~6分で席に通された。

1階41席、2階24席。われわれは1階の奥側の4人テーブル。
以前は2人なら相席必至だったが、いまはそういうふうには見受けられない。1階ではフロアマネジャー風のおねえさんがてきぱきと取り仕切っており、システマティックに客の割り振りをしているため相席も少なく回転も速いんだと思う。
10年前くらいに入ったときは大ベテランのおばちゃん2人で大ざっぱに回しているふうで、それはそれでオモムキがあったが、いまのやり方のほうが客のストレスも少ないと思う。

注文は“当店独特料理”という独特の表現がなされたロールキャベツ中心の組み立てになる。
まず豚ハンバーグとロールキャベツシチューのセット(ライス付き)1000円。もう1品、個人的にこのお店では豚ロースのオイル焼きがいちばん好きで、以前はサービスセットがあったように思うが見当たらないので、オイル焼き単品800円+白ご飯200円に。

ところで、いまでこそ重厚なつくりが醸し出すレトロモダンな雰囲気がおしゃれ感覚で捉えられこのように行列のできる人気店だが、自分の学生時代、この店を場末の一膳めし屋くらいに思っていた。たいしてうまいわけじゃないが、安い店。

なので年とってからまた入るようになって、どうしても同じ店とは思えないのだが、それはこちらの感覚の変化なんだろうか。
とにかく、癒されます。

ハンバーグは板状に延ばしたタネを鉄板で焼いて四角く切り分けた独特のもの。
隣の席のお客は「ハンバーグです」と出された皿を見てものすごく驚いていた。

オイル焼きは生醤油に近いしょっぱめのタレが炒め油と合わさっただけのシンプルな味付けだが、これがご飯とよく合う。

全体にボリュームが多いので、各自1皿+ロールキャベツは2人で1個でちょうどいい。

入り口の行列には「この店がいちばん古いんだ」と言っているじいさん2人組もいたが、お客の大半が若い層のようだ。
それは“バエる”というSNSの波及効果のようでもあるが、街がボトムアップ的に活性化する現象はすべてポジティブに捉えたい。
*“料理以外の店内撮影はご遠慮ください”とあります。

[DATA]
アカシア 新宿本店
東京都新宿区新宿3-22-10


[Today's recommendation]



https://youtu.be/NK518lxDz78