都下では得難いクォリティ 【天喜】
2018.12.21
久米川駅南口の飲食店は地元に近いこともあって訪問率が高くなっているが、そんな中で未訪の店というのは、ちょっと前にも書いているが、やはりお高いイメージのところが多い。
夜に活動することはほとんどないので、ランチ営業のない店は、(すし屋を除いて)そもそも対象外。ここで“お高い”というのは、昼に開いていて、かつランチサービスもやっていたりして、でも決して安くはないという意味。

バス通りにある天ぷら店「天喜(てんよし)」もそんな印象のお店。

ランチメニュー(お昼の御献立)の最安値が1080円である。
この数字は980円と100円しか違わないにもかかわらず字づらから受ける印象にはもっと大きな隔たりがあり、解剖学的に“四ケタの壁”と呼ばれている。
さらにはその次に安いのが1280円と、一足飛びに“1250円の壁”も越え…。
注文はもちろん、もみじ膳1080円×2。
「ご飯は軽めになっております」とご主人。
「はい」と、わたくし。
ご飯大盛り150円増しと書いてある。それだと1200円の壁を越えてしまうわけで… \( ̄  ̄*) モオエエワイ!

客席は掘りごたつ式のお座敷カウンター13席。
僕は見ていないが、奥は広い座敷になっているとのこと。

掘りごたつでくつろぎながら目の前で揚げたての天ぷらに舌鼓を… という趣向である。
ただ、おそろしく無口なご主人の放つヒリつくような職人オーラに、あんまりくつろげないかも… (; ^ ^ A アセアセ…

もみじ膳は、天然海老1、いか1、野菜3という天ぷらの定食。

まず野菜3種、なす、かぼちゃ、さつまいもが出される。
ご飯が本当に軽めなので、普通のペースで食べたらナス1品で「おかわり!」となりそうだ(笑)。

続いてエビとイカ。
天然海老の火の通しはばっちし、シソ巻きのイカ天ぷらも軟らかでシソの香りが失われていない逸品。
コストパフォーマンスという用語の本来の意味からすれば、決して低いわけではない。

ランチサービスというのはある意味、お試しコースである。特に敷居が高いイメージの日本料理店では、広く客を呼び込むために有効な手段といえる。
このお店ではその手法がうまく機能していないように思われるのだ。
まず価格設定からして正直すぎないか?
たとえば税抜き980円という書き方にすれば、実質価格はあまり変わらず格安感をアピールできる。
“ご飯は軽め”という設定を取っ払っただけで、僕のような量を欲する単純人間の目を欺ける。
あえてそういうことをしないのだと思うが、せっかくクォリティの高い天ぷらランチという、都下では得難い存在ではあるので、広く知られていないのはもったいない。

お会計で、「よくおいでくださいました」というおかみさんに、「ずっと知らなかったんです」と言うと、「見つけてくださってよかったです(笑)」と。
おかみさんの横にはご主人もわざわざ出てきていただいて、でも何を言うでもなく本当に無口な職人さんなんだと思った。
寡黙なご主人の代わりにおかみさんは人の3倍くらい明るくフレンドリーである。
「またいらしてくださいね♪」と、それだけでまた来ようと思ってしまう。
調和はとれているようだ。

[DATA]
天喜(てんよし)
東京都東村山市栄町2-32-7
https://www.kumegawashoutenkai.jp/tenyoshi/
[Today's recommendation]



https://youtu.be/p2C5mC4y-tk
久米川駅南口の飲食店は地元に近いこともあって訪問率が高くなっているが、そんな中で未訪の店というのは、ちょっと前にも書いているが、やはりお高いイメージのところが多い。
夜に活動することはほとんどないので、ランチ営業のない店は、(すし屋を除いて)そもそも対象外。ここで“お高い”というのは、昼に開いていて、かつランチサービスもやっていたりして、でも決して安くはないという意味。

バス通りにある天ぷら店「天喜(てんよし)」もそんな印象のお店。

ランチメニュー(お昼の御献立)の最安値が1080円である。
この数字は980円と100円しか違わないにもかかわらず字づらから受ける印象にはもっと大きな隔たりがあり、解剖学的に“四ケタの壁”と呼ばれている。
さらにはその次に安いのが1280円と、一足飛びに“1250円の壁”も越え…。
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注文はもちろん、もみじ膳1080円×2。
「ご飯は軽めになっております」とご主人。
「はい」と、わたくし。
ご飯大盛り150円増しと書いてある。それだと1200円の壁を越えてしまうわけで… \( ̄  ̄*) モオエエワイ!

客席は掘りごたつ式のお座敷カウンター13席。
僕は見ていないが、奥は広い座敷になっているとのこと。

掘りごたつでくつろぎながら目の前で揚げたての天ぷらに舌鼓を… という趣向である。
ただ、おそろしく無口なご主人の放つヒリつくような職人オーラに、あんまりくつろげないかも… (; ^ ^ A アセアセ…

もみじ膳は、天然海老1、いか1、野菜3という天ぷらの定食。

まず野菜3種、なす、かぼちゃ、さつまいもが出される。
ご飯が本当に軽めなので、普通のペースで食べたらナス1品で「おかわり!」となりそうだ(笑)。

続いてエビとイカ。
天然海老の火の通しはばっちし、シソ巻きのイカ天ぷらも軟らかでシソの香りが失われていない逸品。
コストパフォーマンスという用語の本来の意味からすれば、決して低いわけではない。

ランチサービスというのはある意味、お試しコースである。特に敷居が高いイメージの日本料理店では、広く客を呼び込むために有効な手段といえる。
このお店ではその手法がうまく機能していないように思われるのだ。
まず価格設定からして正直すぎないか?
たとえば税抜き980円という書き方にすれば、実質価格はあまり変わらず格安感をアピールできる。
“ご飯は軽め”という設定を取っ払っただけで、僕のような量を欲する単純人間の目を欺ける。
あえてそういうことをしないのだと思うが、せっかくクォリティの高い天ぷらランチという、都下では得難い存在ではあるので、広く知られていないのはもったいない。

お会計で、「よくおいでくださいました」というおかみさんに、「ずっと知らなかったんです」と言うと、「見つけてくださってよかったです(笑)」と。
おかみさんの横にはご主人もわざわざ出てきていただいて、でも何を言うでもなく本当に無口な職人さんなんだと思った。
寡黙なご主人の代わりにおかみさんは人の3倍くらい明るくフレンドリーである。
「またいらしてくださいね♪」と、それだけでまた来ようと思ってしまう。
調和はとれているようだ。

[DATA]
天喜(てんよし)
東京都東村山市栄町2-32-7

[Today's recommendation]



https://youtu.be/p2C5mC4y-tk