創業50年の手打ちそば 【そば処くるみ】
2018.12.09
東久留米駅北口近くに気になるそば屋がある。
“創業50年 本格手打ち蕎麦”の「そば処くるみ」。
本格手打ちで創業50年というのは案外少ないんじゃないかと思うのだ。特にこういう大都市近郊の駅前繁華街においては。

本当はもっと遠くまで行く予定だったが、思ったより寒く、急きょ駅周辺散策に切り替えた。
少し歩いてから、お昼ごはん。

「寒いから鴨そばが食べたい」と言う人がいる。
という流れで、前から気になっていた「そば処くるみ」へ。

お店は「サワービル第三」という建物の2階にあるが、入り口の階段からしてただならぬ雰囲気が漂っている。怖いとかいうんじゃなく、つくりが古い。
そば屋の創業50年というのは、つまり物件の築年数とイコールで、ビル開業と同時に入居したのかも。

2階廊下の奥のほうまで偵察に行った相方が、「すごいよ、『めぞん一刻』みたい」と。
真意は不明だが、一刻館みたいということであればあれは下宿屋なのでつくりが違うけれども、年代的共通性は感じる。

そういえば主人公たちのたまり場のスナック「茶々丸」のモデルといわれたお店があったのはこのすぐ近く。
それから、一区画東の五差路にある天ぷら屋「大八車」のおやじさんは、「高橋留美子はすぐそこのマンションに住んでて、オカノ電機ができるまでは市内の納税者番付1位だったんだ」と語っていた。

高橋センセーが当時このそば屋を使っていたとしても不思議はないな… と、『勝手なやつら』以来のヘヴィな読者であるワタクシは勝手に感慨に浸る。

店内は2人掛けテーブルが7脚、カウンター7席という構成。

鴨そばと言っていた人は、店内の張り紙を見てカレー南蛮そばに日和る。
僕は入り口に出ていた“サービスセット 丼ぶりと手打ちそば”を、丼ぶりは天丼で。

注文後、なんとなくテーブル備え付けのメニュー表を見ていると、二段二色蕎麦 天ぷら付1000円の文字。
「しまった。こっちにすればよかった…」

と、このように僕は品書きを吟味することなしにパッと目に付いたものを注文してしまう傾向がある。
あとで悶々とする。

まずカレー南蛮。
シンプルな荷姿で、本体以外に薬味ネギと取り鉢。

僕はカレーうどんよりカレーそばが好き。

うどんではどうにも鈍重にしかなりようのない組み合わせが、そばだと粋で通っぽいイメージに一変するのは不思議だ。
おかめそばとかコロッケそばとかニシンそばとか。

セットの天丼は意外に種が多い。
エビ、ちくわ、ナス、カボチャ、シシトウ、ゴーヤ…。

そばは見た目おとなしいが意外に香り高い。
ねちっとしたそばがきに似た食感で、不ぞろいな手打ちそばだけに歯応えにもむらがあるが、そういうのは嫌いじゃない。

年配の店主が1人で回している感じ。
手打ちそばの堅苦しいイメージは皆無な(笑)、フランクな印象のおやじさんだ。
個人的には、そば屋の理想形に近い。

[DATA]
そば処くるみ
東京都東久留米市東本町2-6 サワービル第三2F
[Today's recommendation]



https://youtu.be/zV1qLYukTH8
東久留米駅北口近くに気になるそば屋がある。
“創業50年 本格手打ち蕎麦”の「そば処くるみ」。
本格手打ちで創業50年というのは案外少ないんじゃないかと思うのだ。特にこういう大都市近郊の駅前繁華街においては。

本当はもっと遠くまで行く予定だったが、思ったより寒く、急きょ駅周辺散策に切り替えた。
少し歩いてから、お昼ごはん。

「寒いから鴨そばが食べたい」と言う人がいる。
という流れで、前から気になっていた「そば処くるみ」へ。

お店は「サワービル第三」という建物の2階にあるが、入り口の階段からしてただならぬ雰囲気が漂っている。怖いとかいうんじゃなく、つくりが古い。
そば屋の創業50年というのは、つまり物件の築年数とイコールで、ビル開業と同時に入居したのかも。

2階廊下の奥のほうまで偵察に行った相方が、「すごいよ、『めぞん一刻』みたい」と。
真意は不明だが、一刻館みたいということであればあれは下宿屋なのでつくりが違うけれども、年代的共通性は感じる。

そういえば主人公たちのたまり場のスナック「茶々丸」のモデルといわれたお店があったのはこのすぐ近く。
それから、一区画東の五差路にある天ぷら屋「大八車」のおやじさんは、「高橋留美子はすぐそこのマンションに住んでて、オカノ電機ができるまでは市内の納税者番付1位だったんだ」と語っていた。

高橋センセーが当時このそば屋を使っていたとしても不思議はないな… と、『勝手なやつら』以来のヘヴィな読者であるワタクシは勝手に感慨に浸る。

店内は2人掛けテーブルが7脚、カウンター7席という構成。

鴨そばと言っていた人は、店内の張り紙を見てカレー南蛮そばに日和る。
僕は入り口に出ていた“サービスセット 丼ぶりと手打ちそば”を、丼ぶりは天丼で。

注文後、なんとなくテーブル備え付けのメニュー表を見ていると、二段二色蕎麦 天ぷら付1000円の文字。
「しまった。こっちにすればよかった…」

と、このように僕は品書きを吟味することなしにパッと目に付いたものを注文してしまう傾向がある。
あとで悶々とする。

まずカレー南蛮。
シンプルな荷姿で、本体以外に薬味ネギと取り鉢。

僕はカレーうどんよりカレーそばが好き。

うどんではどうにも鈍重にしかなりようのない組み合わせが、そばだと粋で通っぽいイメージに一変するのは不思議だ。
おかめそばとかコロッケそばとかニシンそばとか。

セットの天丼は意外に種が多い。
エビ、ちくわ、ナス、カボチャ、シシトウ、ゴーヤ…。

そばは見た目おとなしいが意外に香り高い。
ねちっとしたそばがきに似た食感で、不ぞろいな手打ちそばだけに歯応えにもむらがあるが、そういうのは嫌いじゃない。

年配の店主が1人で回している感じ。
手打ちそばの堅苦しいイメージは皆無な(笑)、フランクな印象のおやじさんだ。
個人的には、そば屋の理想形に近い。

[DATA]
そば処くるみ
東京都東久留米市東本町2-6 サワービル第三2F
[Today's recommendation]



https://youtu.be/zV1qLYukTH8