ばってん、たくましく 【ばってん亭】
2018.11.11
東大和市の東の外れに光商店街という古い商店街がある。
後背に東京街道団地を擁し高度経済成長期は隆盛したであろうか… しかし往時をしのばせるのは入り口アーチのみ、という典型的な衰退商店街である。

ここには興味をひかれるたべもの屋が2軒もある。商店街の規模やさびれ具合からすると残存率が高いといえる。
僕が惹かれるのは、昼ごはんが食べられるお店。昼からやってる飲み屋はけっこう残存しているが、食事ができる食堂というのは絶滅危惧種である。
そのうちの1軒「麦」に去年入ってみて、充実の定食に大いに満足した。

さてもう1軒、となるとなお一段ハードル上がるなぁ… と尻込みしているところに、思わぬ方向からアクセスが。
もう1軒というのは、長崎ちゃんぽん・皿うどんの「ばってん亭」。情報を寄せてくださった某ブロ友さんは、こちらに通っていたというから驚いた。
ビビりの僕が、ちょっと入るのムリくさいなぁ… とビビっていたお店に、通っていたと。ちなみに女性の方です。
以来、「ばってん亭」はぜひ入ってみたいお店ということになっているのである。

立川に向かう途中、12時を回って腹をすかせた相方が目ざとく「麦」を発見。
「昼ごはん、あそこでどうよ?」と。
あそこはいい店だけど… ん? すぐ隣が「ばってん亭」だ。同行者もいることだし、これは絶好の機会ではないか?
ということで、ついに「ばってん亭」へ。

おかあさんは、一見さんもフレンドリーにお出迎え。
物件自体は意外に大きいが、席数はカウンター7、小上がり4×2とこぢんまりしている。
小上がりに上がらせてもらって、長崎ちゃんぽん800円と上海やきそば800円を注文。

僕らのすぐあとに常連風のじいさんがやって来て、もう1卓に陣取り「アサヒちゃん(SUPER DRY)とシシャモ」とか頼んでる。
冒頭に飲み屋じゃなく食堂、みたいに書いているが、こういう残存兵食堂はその実、飲み屋として残ってると言っても過言ではない。
ちゃんぽんには柚子胡椒が付く
まず予想外に突き出し的なものが出される。
このポテトサラダ(というか、マカロニサラダというか)がユニーク。
キュウリやニンジンのほか、リンゴ、レーズン… まではまだ覚えがなくもないが、さらに柿のスライスを発掘 w( ̄▽ ̄;)wオゥッ!!
この時点で僕はすっかりうれしくなってしまっている。

まず上海やきそば。
上海焼きそばは具と麺を一緒に炒めるソース焼きそばのようなものをイメージしていたが、これは炒麺の上からあんかけの具がかかっている。

具材は、豚肉、キャベツ、モヤシ、タマネギ、ニンジン、タケノコ、シイタケ、キクラゲに… えーと、イカ、揚げかまぼこ、赤はんぺん… ( ̄∇ ̄; アリャ?
これは要するに、いわゆる皿うどんに似ているのである。

だって、このお店の看板に書いてある皿うどんをイメージしてみてください。ほかに具の追加・変更が思い付きますか?
皿うどんというものは一般に餡が白っぽいのに対して、これはしょうゆ味… という違いなのかな?
で、こういう大らかさはたいへん好ましいと思うのである。
甘めな味付けは、上海焼きそば的でもあり皿うどん的でもある。

長崎ちゃんぽんは、豚骨ベースっぽいスープのかなり本格的なちゃんぽんである。

具は焼きそばと同じ。麺もたぶん共通で、それほど太くないがもちもちでコシが強い。
そして、どちらも量がものすごい。
ちゃんぽんの野菜は食べても食べてもなくならない感じ。スープは野菜のうま味たっぷりの滋味。

「ゆっくりしていってください」と、おかあさんはコーヒーをサービスしてくれた。
気さくで、なじみのような気にさせられるトーク上手な方である。

ご主人が長崎出身で、ちゃんぽん・皿うどんなのだそうだ。
立川の軍楽隊というからたぶん航空中央音楽隊でバリトンサックス奏者だったというご主人が、隊を辞めてお店を始めたのが47年前。ご主人は10年前に亡くなったが、「なんとなく」お店を続けているのだそう。
カウンターの隅に、実際の遺影というサックスを吹く横顔のご主人の写真が立てかけられている。

おかあさんは『NHKのど自慢』を真剣にご覧になっている。
話しかけても反応の鈍い常連じいさんに代わって、いつの間にか僕が相手をしてしまっているのであった。

近所の歯医者さんはソウルミュージック好きらしい。路地の向かいには、有限会社オージェイズの看板も。謎のソウルフル商店街である
[DATA]
ばってん亭
東京都東大和市新堀1-1432-36
[Today's recommendation]

https://youtu.be/_BlkTSKqE_8


東大和市の東の外れに光商店街という古い商店街がある。
後背に東京街道団地を擁し高度経済成長期は隆盛したであろうか… しかし往時をしのばせるのは入り口アーチのみ、という典型的な衰退商店街である。

ここには興味をひかれるたべもの屋が2軒もある。商店街の規模やさびれ具合からすると残存率が高いといえる。
僕が惹かれるのは、昼ごはんが食べられるお店。昼からやってる飲み屋はけっこう残存しているが、食事ができる食堂というのは絶滅危惧種である。
そのうちの1軒「麦」に去年入ってみて、充実の定食に大いに満足した。

さてもう1軒、となるとなお一段ハードル上がるなぁ… と尻込みしているところに、思わぬ方向からアクセスが。
もう1軒というのは、長崎ちゃんぽん・皿うどんの「ばってん亭」。情報を寄せてくださった某ブロ友さんは、こちらに通っていたというから驚いた。
ビビりの僕が、ちょっと入るのムリくさいなぁ… とビビっていたお店に、通っていたと。ちなみに女性の方です。
以来、「ばってん亭」はぜひ入ってみたいお店ということになっているのである。

立川に向かう途中、12時を回って腹をすかせた相方が目ざとく「麦」を発見。
「昼ごはん、あそこでどうよ?」と。
あそこはいい店だけど… ん? すぐ隣が「ばってん亭」だ。同行者もいることだし、これは絶好の機会ではないか?
ということで、ついに「ばってん亭」へ。

おかあさんは、一見さんもフレンドリーにお出迎え。
物件自体は意外に大きいが、席数はカウンター7、小上がり4×2とこぢんまりしている。
小上がりに上がらせてもらって、長崎ちゃんぽん800円と上海やきそば800円を注文。

僕らのすぐあとに常連風のじいさんがやって来て、もう1卓に陣取り「アサヒちゃん(SUPER DRY)とシシャモ」とか頼んでる。
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冒頭に飲み屋じゃなく食堂、みたいに書いているが、こういう残存兵食堂はその実、飲み屋として残ってると言っても過言ではない。
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まず予想外に突き出し的なものが出される。
このポテトサラダ(というか、マカロニサラダというか)がユニーク。
キュウリやニンジンのほか、リンゴ、レーズン… まではまだ覚えがなくもないが、さらに柿のスライスを発掘 w( ̄▽ ̄;)wオゥッ!!
この時点で僕はすっかりうれしくなってしまっている。

まず上海やきそば。
上海焼きそばは具と麺を一緒に炒めるソース焼きそばのようなものをイメージしていたが、これは炒麺の上からあんかけの具がかかっている。

具材は、豚肉、キャベツ、モヤシ、タマネギ、ニンジン、タケノコ、シイタケ、キクラゲに… えーと、イカ、揚げかまぼこ、赤はんぺん… ( ̄∇ ̄; アリャ?
これは要するに、いわゆる皿うどんに似ているのである。

だって、このお店の看板に書いてある皿うどんをイメージしてみてください。ほかに具の追加・変更が思い付きますか?
皿うどんというものは一般に餡が白っぽいのに対して、これはしょうゆ味… という違いなのかな?
で、こういう大らかさはたいへん好ましいと思うのである。
甘めな味付けは、上海焼きそば的でもあり皿うどん的でもある。

長崎ちゃんぽんは、豚骨ベースっぽいスープのかなり本格的なちゃんぽんである。

具は焼きそばと同じ。麺もたぶん共通で、それほど太くないがもちもちでコシが強い。
そして、どちらも量がものすごい。
ちゃんぽんの野菜は食べても食べてもなくならない感じ。スープは野菜のうま味たっぷりの滋味。

「ゆっくりしていってください」と、おかあさんはコーヒーをサービスしてくれた。
気さくで、なじみのような気にさせられるトーク上手な方である。

ご主人が長崎出身で、ちゃんぽん・皿うどんなのだそうだ。
立川の軍楽隊というからたぶん航空中央音楽隊でバリトンサックス奏者だったというご主人が、隊を辞めてお店を始めたのが47年前。ご主人は10年前に亡くなったが、「なんとなく」お店を続けているのだそう。
カウンターの隅に、実際の遺影というサックスを吹く横顔のご主人の写真が立てかけられている。

おかあさんは『NHKのど自慢』を真剣にご覧になっている。
話しかけても反応の鈍い常連じいさんに代わって、いつの間にか僕が相手をしてしまっているのであった。

近所の歯医者さんはソウルミュージック好きらしい。路地の向かいには、有限会社オージェイズの看板も。謎のソウルフル商店街である
[DATA]
ばってん亭
東京都東大和市新堀1-1432-36
[Today's recommendation]

https://youtu.be/_BlkTSKqE_8

