街の栄枯盛衰を見つめて 【えぞ】
2018.09.13
1970~80年代に隆盛を極めたサッポロラーメン… というか「どさん子」チェーン。ピーク時には全国約1200店舗を数えたという。
当然、柳の下に亜流・傍流はあまた出現したであろうし、なかには商標をめぐる訴訟問題にまで発展した事例もあったようだ。
なお、“サッポロ”に関しては、蝦夷・えぞ・えぞ菊・えぞふじ・ニューコタン・元祖札幌や・どさん子・ピリカ・ピリカを参照。
いま、裏町や古い幹線道路沿いでひっそり営業しているサッポロのお店たちは、どさん子亜流・傍流チェーンの、本部が消滅してはしごを外されながらも自力でしぶとく生き延びてきたサバイバーなんじゃないかと、ひそかに空想を巡らせている。
あくまでも空想なので取り扱いに注意 σ( ̄、 ̄=) ンー…
西所沢「えぞ」(左)、清瀬「蝦夷」
その理由はいくつかあるが、たとえば店名。「えぞ〇〇」が定番で、既視感があるから、「どこかで見たな。チェーン店かな…?」となる。
ずばり「えぞ(蝦夷)」というお店なんかこの近辺に3店もあるんだから、そう考える人間がいても不思議じゃない。
3店の「えぞ」のうちの一つが小平中宿商店街にある。

府中街道ブリヂストン横の小川東町交差点から西へ延びる中宿通りの明学東村山寄り。
駅でいうと西武線小川駅西口。
小平でも一、二の賑わいを見せたという中宿商店街
灯台下暗しというか、練馬区や新宿区にまで足を延ばしているサッポロ巡りだが、おそらくうちからいちばん近いこちらのお店、今回初来店である。

外観の印象からすると相当意外だが、店内はきれいである。これまで取り上げてきた中で一、二のきれいさ。
注文は、サッポロといえばやっぱりみそラーメン、550円(安い!)

年配のご夫婦? で営まれている。
客は僕1人ではあるが、それにしても厨房に動きがない。このタイプのラーメンはたいてい炒め野菜がのるので、厨房は中華鍋を扱う動作や音で騒々しいのが常。

おかみさんが麺のゆで上がりの頃合いを見て、
「みそラーメンね」と合図を送る。
「はいよ」とおとうさんが鍋振り開始。
仕事にリズム感があって、なかなかいい感じ。
炒め野菜はモヤシとタマネギ少々、肉系はない。代わりにチャーシューが厚みもあってなかなかの存在感。キクラゲのトッピングはちょっと珍しいかも。
麺はツルッ、パツッとしたストレート麺。
昔ながらの素朴でおいしいみそラーメン。

「あと2年がんばれば2020年で…」うんぬんと話しているので、どれくらいお店をやっているのか聞いてみた。
「ここに移って40年」とおかみさん。「その前もこのすぐ近くでやってたんですけどね」

40年前はこの商店街もにぎやかだったんじゃないだろうか。
「そりゃもう、小平で一、二といわれてましたから」とおとうさん。「スーパーが2軒もあったの。一つは道路拡張でなくなって、もう一つは商売広げすぎてなくなって…」
少しずつ通りがさびれていった主因は、やはり後継者難だそうだ。

「えぞ」の疑問について聞いてみた。
「『えぞナントカ』という店はけっこうあるけど…」とおかみさん。同名のお店の存在自体知らない様子だ。
「チェーン店ではないですよ。仕入れも仕込みも全部うちでやってますから」とおとうさん。

しょせん現在の社会通念の枠を飛び出ることのない自分の空想なんかより、昔ははるかに自由で、商売の形態もずっと多様だったんだと思う。
[DATA]
[DATA]
えぞ
東京都小平市小川西町3-3-20
[Today's recommendation]

https://www.youtube.com/watch?v=o2MlVDpJjgY


1970~80年代に隆盛を極めたサッポロラーメン… というか「どさん子」チェーン。ピーク時には全国約1200店舗を数えたという。
当然、柳の下に亜流・傍流はあまた出現したであろうし、なかには商標をめぐる訴訟問題にまで発展した事例もあったようだ。
なお、“サッポロ”に関しては、蝦夷・えぞ・えぞ菊・えぞふじ・ニューコタン・元祖札幌や・どさん子・ピリカ・ピリカを参照。
いま、裏町や古い幹線道路沿いでひっそり営業しているサッポロのお店たちは、どさん子亜流・傍流チェーンの、本部が消滅してはしごを外されながらも自力でしぶとく生き延びてきたサバイバーなんじゃないかと、ひそかに空想を巡らせている。
あくまでも空想なので取り扱いに注意 σ( ̄、 ̄=) ンー…
![]() | ![]() |
その理由はいくつかあるが、たとえば店名。「えぞ〇〇」が定番で、既視感があるから、「どこかで見たな。チェーン店かな…?」となる。
ずばり「えぞ(蝦夷)」というお店なんかこの近辺に3店もあるんだから、そう考える人間がいても不思議じゃない。
3店の「えぞ」のうちの一つが小平中宿商店街にある。

府中街道ブリヂストン横の小川東町交差点から西へ延びる中宿通りの明学東村山寄り。
駅でいうと西武線小川駅西口。
![]() | ![]() |
![]() | ![]() |
![]() | ![]() |
灯台下暗しというか、練馬区や新宿区にまで足を延ばしているサッポロ巡りだが、おそらくうちからいちばん近いこちらのお店、今回初来店である。

外観の印象からすると相当意外だが、店内はきれいである。これまで取り上げてきた中で一、二のきれいさ。
注文は、サッポロといえばやっぱりみそラーメン、550円(安い!)

年配のご夫婦? で営まれている。
客は僕1人ではあるが、それにしても厨房に動きがない。このタイプのラーメンはたいてい炒め野菜がのるので、厨房は中華鍋を扱う動作や音で騒々しいのが常。

おかみさんが麺のゆで上がりの頃合いを見て、
「みそラーメンね」と合図を送る。
「はいよ」とおとうさんが鍋振り開始。
仕事にリズム感があって、なかなかいい感じ。
![]() | ![]() |
炒め野菜はモヤシとタマネギ少々、肉系はない。代わりにチャーシューが厚みもあってなかなかの存在感。キクラゲのトッピングはちょっと珍しいかも。
麺はツルッ、パツッとしたストレート麺。
昔ながらの素朴でおいしいみそラーメン。

「あと2年がんばれば2020年で…」うんぬんと話しているので、どれくらいお店をやっているのか聞いてみた。
「ここに移って40年」とおかみさん。「その前もこのすぐ近くでやってたんですけどね」

40年前はこの商店街もにぎやかだったんじゃないだろうか。
「そりゃもう、小平で一、二といわれてましたから」とおとうさん。「スーパーが2軒もあったの。一つは道路拡張でなくなって、もう一つは商売広げすぎてなくなって…」
少しずつ通りがさびれていった主因は、やはり後継者難だそうだ。

「えぞ」の疑問について聞いてみた。
「『えぞナントカ』という店はけっこうあるけど…」とおかみさん。同名のお店の存在自体知らない様子だ。
「チェーン店ではないですよ。仕入れも仕込みも全部うちでやってますから」とおとうさん。

しょせん現在の社会通念の枠を飛び出ることのない自分の空想なんかより、昔ははるかに自由で、商売の形態もずっと多様だったんだと思う。
![]() | ![]() |
[DATA]
[DATA]
えぞ
東京都小平市小川西町3-3-20
[Today's recommendation]

https://www.youtube.com/watch?v=o2MlVDpJjgY

