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1970’s~80’sそのままのたたずまいの… 【カレーショップ デリー】

2018.09.01

 西武池袋線秋津駅とJR武蔵野線新秋津駅は、両線の乗り換え利用を中心に、ともに乗降客数の多い駅である。
秋津駅の2017年度の1日平均乗降人員は81309人で、西武鉄道全92駅中9位。東村山市内の主要駅としては、東村山駅(49492人、19位)、久米川駅(32758人、29位)を大きく上回る(駅別乗降人員 2017年度版)。ちなみにJR新秋津駅は38860人で、西武鉄道では26位に相当する数字。
両駅間に連絡通路はなく、乗り換え客は街なかを通る。仮に新秋津駅乗降人員の半数を乗り換え客と見積もったとして、1日約2万人が両駅間約360mの狭い通りを行き来していることになる。それに地元買い物客等を加え、ここは商業激戦区。生き馬の目を抜く出店合戦が繰り広げられている。


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突き当りで二手に分かれる。「デリー」は左ルート


この乗り換え通路となっている商店街は西側が二手に分かれる。距離的に両ルートに変わりはないが、心理的近さ感のある北ルートを多くの人が通り、チェーン系飲食店や地元人気店が並ぶ。


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一方、南ルートは裏道感が漂い、古い個人店が残っていたりする。
その代表が「カレーショップ デリー」。


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「デリー」は秋津の名物的なお店だが、入るのはこれが初めて。


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われわれは一応地元民なのでここはよく通るしお店も普通に見続けてきたつもりだが、あらためて入り口を間近に見て驚かされる。格子ガラス戸の年季の入り方がただ事じゃない。
店内も同様で、古そうだとは思っていたが、予想以上に年季の入り方に趣がある。


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創業は1974年とのこと。
カウンターのみ7席の小さいお店で、年配のご婦人が切り盛りしている様子。


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そこが予想というかイメージと違っていて、僕は高齢のマスター像を勝手に思い描いていた。
そのように視点を変えて店内を眺めてみると、なるほど女性の細やかな感性とメンテナンス意識が、こういう文化財的空間の維持管理には欠かせないようにも思えてくる。
ケイトウの花が美しい。


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注文は、カツカレー950円(僕)、チキンカレー600円(相方)。
おばさまは注文を受けてから目の前のコンロで鍋を温め始める。小型の寸胴を2つ同時に火にかけているから、チキンとカツカレー用で別々のようだ。同時に奥の調理場でカツを揚げているもよう。
前もって福神漬け&ラッキョウのセット、ドレッシングやソース類と、順次用意が整っていく。


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こういったカレーショップは、学生時代はどこにでもあった。西早稲田の西門通りにあった店、新宿サブナードの店、吉祥寺のレンガ館地下なんかによく通った。
店内はまさに1970’s~80’sがそのままタイムカプセルに閉じ込められたかのような趣。
しかしそういった昔のファストフード的カレースタンドよりも、ちょっとていねいに作っている。


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チキンカレーは、S&Bカレーパウダーに少し小麦粉を使いました、というようなぽってり感があって、煮崩れた鶏肉とタマネギが全体に散らばっている。
スパイスの感じも控えめで昭和ナツカシイ味。


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カツカレーはサラダとワンプレートでの提供。
カツは大きなフライヤーを使う専門店式でなく、家庭的というような揚がり具合。カレーはチキンカレーと見た目が違うので、肉なしか…? サラダがフレッシュで好感度アップ!


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帰りしな、ガラス戸の内側の錠が目に留まる。
捻締(ねじしまり)錠というものだ。
窓まわりがサッシに取って代わられて、古い家屋でも見かけなくなった。

あまりの懐かしさに写真を撮らせてもらっていると、「おかあさん、大切に使ってきてよかったね(笑)」と常連風のおばさん。
戸は閉めたほうがいいの看板入れろのと構図の指示が飛んできて、ぎくしゃく。


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↑↑結局、どれもこれも逆光でうまく撮れていない。
おばさま方、すみませんでした (*_ _ )人…


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[DATA]
カレーショップ デリー
東京都東村山市秋津町5-12-1





[Today's recommendation]


https://youtu.be/0o4artO8zx8



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ハギとオオカマキリ(東村山市秋津町)


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