3代受け継がれたラーメンの深い味わい 【珍来亭】
2018.07.26
吉祥寺駅北口の「ハモニカ横丁」は、戦後まもなく出現した駅前マーケット、いわゆる“闇市”がルーツとされる。
いまさらながらその概要をまとめると――

平和通りから
ハモニカ横丁(正式名称:ハーモニカ横丁)は、北口駅前のサンロード入り口・ダイヤ街・武蔵通り・平和通りに囲まれた約3000㎡の区画。
仲見世通り・中央通り・朝日通り・のれん小路・祥和会通りの5つの通りからなる歩行者型商業地域で、店舗数は約100。
名称の由来は、武蔵野市在住の作家・亀井勝一郎(1907-66)が1962年の市民講座で、間口の狭い店が並ぶ様子をハーモニカの吹き口に例えたことによるという。
“住みたい街”吉祥寺のランドマークともいえる人気エリアである。

ハモニカ横丁・朝日通りにある人気ラーメン店「珍来亭」。
1951年創業、新宿で始めたラーメン屋台がルーツで、現在は3代目姉妹が切り盛りする。

――吉祥寺ハモニカ横丁にあるラーメン屋珍来亭です。昼はラーメン屋、夜は居酒屋になります。美人姉妹がお出迎え。(Twitterプロフィール自己紹介文ママ)

小さいお店で、1階にカウンター3席とテーブル3席、2階に座敷2卓、テーブル3卓。
1階の客席は外からよく見えるが、いつも埋まっていて、2階は相席になることが多く、なかなか気軽に入ろうという気にはなれないお店である。
今日、通りかかったタイミングで、たまたまカウンター左端のお客さんが席を立つのが目に入った。入れ違いに入店。

5年ぶりくらいになるだろうか、ずいぶん久しぶりだが、注文はいつも同じ。
しょう油味ラーメンと半チャーハンのセット730円。

こちらは10年ほど前に何度か改装してレトロモダン路線のこぎれいなつくりに変わったと記憶しているが、以前は創業半世紀そのままに年季の入ったお店だったはず。
俳優の故 佐藤慶さんの通う店として有名だった。

若いころ、ときどき探してみたが、見つかったためしがない。というか、ほかにも似たような店があり、店名を覚えずにただ“佐藤慶の通う店”という情報だけで探してみても、どれがそうなのか確信が持てない。有名ではあるが、目立つ存在ではなかった。
幅広い客層に支持され活気あふれるお店に変わっていったのは、“美人姉妹”への代替わり、改装やなんかを経てという、わりと最近のことじゃなかったかと思うのだ。

チャーハンは、チャーシュー、卵、ネギという基本の具3種によるオーソドックスなものだが、ゴマ油の風味が強いので好みは分かれると思う。武蔵野市在住歴の長いチャーハン好きの大学の先輩によれば、「吉祥寺でいちばんうまいチャーハン」。

しょう油ラーメンは、黒っぽい濃い色のスープに中太縮れ麺が懐かしい。
具は、肩ロースのチャーシュー、メンマ、青菜、ノリ、ネギ。

――60年間継ぎ足しながらチャーシューを煮続けてきたしょうゆ。その濃厚なしょうゆに、豚骨と鶏ガラのスープを注げば、昔懐かしいしょうゆの香りがフワッと広がる。(NHK『サラメシ ― 佐藤慶が愛した醤油ラーメン』より)

武蔵通りから
古いものを残しつつ常に変わり続けるというハモニカ横丁そのもののような存在であり、それこそが吉祥寺という街の個性にほかならない。
珍来亭のラーメンはそんな吉祥寺を代表する一杯である。

[DATA]
珍来亭
東京都武蔵野市吉祥寺本町1-1-9
https://twitter.com/chinraitei
[Today's recommendation]


Krewella
『Get Wet』
https://www.youtube.com/watch?v=J-gYJBsln-w


◆ 猫写真はこちら その1 その2 ◆
吉祥寺駅北口の「ハモニカ横丁」は、戦後まもなく出現した駅前マーケット、いわゆる“闇市”がルーツとされる。
いまさらながらその概要をまとめると――

平和通りから
ハモニカ横丁(正式名称:ハーモニカ横丁)は、北口駅前のサンロード入り口・ダイヤ街・武蔵通り・平和通りに囲まれた約3000㎡の区画。
仲見世通り・中央通り・朝日通り・のれん小路・祥和会通りの5つの通りからなる歩行者型商業地域で、店舗数は約100。
名称の由来は、武蔵野市在住の作家・亀井勝一郎(1907-66)が1962年の市民講座で、間口の狭い店が並ぶ様子をハーモニカの吹き口に例えたことによるという。
“住みたい街”吉祥寺のランドマークともいえる人気エリアである。

ハモニカ横丁・朝日通りにある人気ラーメン店「珍来亭」。
1951年創業、新宿で始めたラーメン屋台がルーツで、現在は3代目姉妹が切り盛りする。

――吉祥寺ハモニカ横丁にあるラーメン屋珍来亭です。昼はラーメン屋、夜は居酒屋になります。美人姉妹がお出迎え。(Twitterプロフィール自己紹介文ママ)

小さいお店で、1階にカウンター3席とテーブル3席、2階に座敷2卓、テーブル3卓。
1階の客席は外からよく見えるが、いつも埋まっていて、2階は相席になることが多く、なかなか気軽に入ろうという気にはなれないお店である。
今日、通りかかったタイミングで、たまたまカウンター左端のお客さんが席を立つのが目に入った。入れ違いに入店。

5年ぶりくらいになるだろうか、ずいぶん久しぶりだが、注文はいつも同じ。
しょう油味ラーメンと半チャーハンのセット730円。

こちらは10年ほど前に何度か改装してレトロモダン路線のこぎれいなつくりに変わったと記憶しているが、以前は創業半世紀そのままに年季の入ったお店だったはず。
俳優の故 佐藤慶さんの通う店として有名だった。

若いころ、ときどき探してみたが、見つかったためしがない。というか、ほかにも似たような店があり、店名を覚えずにただ“佐藤慶の通う店”という情報だけで探してみても、どれがそうなのか確信が持てない。有名ではあるが、目立つ存在ではなかった。
幅広い客層に支持され活気あふれるお店に変わっていったのは、“美人姉妹”への代替わり、改装やなんかを経てという、わりと最近のことじゃなかったかと思うのだ。

チャーハンは、チャーシュー、卵、ネギという基本の具3種によるオーソドックスなものだが、ゴマ油の風味が強いので好みは分かれると思う。武蔵野市在住歴の長いチャーハン好きの大学の先輩によれば、「吉祥寺でいちばんうまいチャーハン」。

しょう油ラーメンは、黒っぽい濃い色のスープに中太縮れ麺が懐かしい。
具は、肩ロースのチャーシュー、メンマ、青菜、ノリ、ネギ。

――60年間継ぎ足しながらチャーシューを煮続けてきたしょうゆ。その濃厚なしょうゆに、豚骨と鶏ガラのスープを注げば、昔懐かしいしょうゆの香りがフワッと広がる。(NHK『サラメシ ― 佐藤慶が愛した醤油ラーメン』より)

武蔵通りから
古いものを残しつつ常に変わり続けるというハモニカ横丁そのもののような存在であり、それこそが吉祥寺という街の個性にほかならない。
珍来亭のラーメンはそんな吉祥寺を代表する一杯である。

[DATA]
珍来亭
東京都武蔵野市吉祥寺本町1-1-9

[Today's recommendation]


Krewella
『Get Wet』
https://www.youtube.com/watch?v=J-gYJBsln-w


◆ 猫写真はこちら その1 その2 ◆