歳月を物語るやきとんの煙 【和田屋】
2018.07.12
東海地方在住の友人NWKさんから「東京行く」と先月末に連絡が入っていた。
7月11日、「東京来ました。明日どうでしょう?」とLINE。翌12日に会うということになり、待ち合わせ場所「5時阿佐ヶ谷駅改札付近かな?」と。
あうんの呼吸というか、この間のやりとりで阿佐ヶ谷なんてひと言も出ていない。

前回会ったとき、このブログの今後の展開として「高円寺阿佐ヶ谷荻窪西荻攻めるのは必定」との意見をもらった。たぶん今回はその流れというか、ブログのネタづくりに協力してくれるということかと(笑)。
NWKさんは若いころ長く阿佐ヶ谷に住んでおり、その間の2年くらい僕は駅近くの喫茶店でバイトをしている。というか、そのバイトはNWKさんに紹介してもらったもの。
阿佐ヶ谷から攻めるのは言わずもがな、なのである。

まずは街の散策。
駅北西の飲食店がいちばん集中しているエリア(スターロード商店街)から歩き始め、旧中杉通りを北上、中杉通りを南下して駅に戻り、南西エリアへ。ここ川端通りに僕がバイトしていた喫茶店があった。
続いて南東エリアのパールセンター、一番街とひと通り回り、あらためて「さあどうする?」となったところで、「どうしよう…」と途方に暮れる。
昔よく行ったお店はほとんど残っていないという。
そりゃそうだ。30年以上も昔のことだし。
まあ僕の場合、この街は人任せで生きていたので、そもそもお店覚えようって気もなかったんだけど(笑)。

結局、最初にチェックしたスターロードの居酒屋「和田屋」へ。
1979年創業。
NWKさんはそのオープン初日に入ったという。それだけで、ネタ的には十分です(笑)。

あとで調べると、大衆割烹「和田屋」は1920年創業の麻布十番「食堂和田屋」(2005年閉店)の暖簾分けグループで、都内に7店現存するという。
――新潟出身の高橋敏則さん、洋子さん夫妻が昭和54年から暖簾を構える大衆割烹。最近は息子の清太さんも加わって、親子3人、息の合った営業を続ける、阿佐谷でも知る人ぞ知るアットホームなお店だ。(スターロードHPより)

奥に細長い店内は、左手がカウンター席、右に4人掛けテーブルが4つ並ぶ。
2階は座敷席になっているもよう。

いちばん手前のテーブル席に着き、まずビールはサッポロ黒ラベル。
アテは枝豆と味噌キュー。

枝豆は味が濃く明らかにゆでたて。
キュウリは驚くことにブルームタイプで、シャクシャクと旬の食感を楽しめる。

カウンターに並ぶ大皿から、ナスのゴマあえを頼む。
ナスの中まで甘いゴマダレがしっかり染みておいしい。

大皿はほかに肉じゃがや酢豚、切りコンブとなんか(忘れた)の炊き合わせ… と、いたって素朴で家庭的。
この大皿惣菜はよく出ていて、どんどん減っていくが、いつの間にか補充されている。

酒は日本酒、まずは酔鯨に。
お銚子かと思ったら升酒だったので、酔鯨追加。

こちらの名物はやきとんのようなので、そこは外せないなと。
レバ(タレ)、タン、カシラ(塩)各2串注文。
店内に独特のにおいが漂う。
「何ですかね、これ。クサヤ?」
「なんやろ? オレらのやきとんと違うか?」
周囲の注文状況を見れば、そうとしか考えられない。
「いいにおいだねぇー」とカウンターのじいさん。「これだけで酒が飲めちゃう」
うなぎのタレじゃないが、コンロの周りに長年つぎ足しつぎ足しに滴る焼きダレの発酵が進み… というような。
これは40年近い年季そのもののにおいかな。
「あんまりいいにおいって言ってたら料金とられちゃう。気い付けなくちゃな(笑)」とじいさん。
落語ネタを地でいってる。

浦霞、久保田と、さらにもう一杯飲んだ気がする。
NWKさんとは酒量・ペースが違うので、そのへんでうまく周回を合わせないと「もう一杯」となってしまう。
なってしまってたのかな…? 2周リードくらいに。
それでお勘定6200円。
時代が周回遅れくらいという良心価格かな。

[DATA]
和田屋
東京都杉並区阿佐谷北2-12-22
http://www.starroad.tokyo/shop/wadaya/
[Today's recommendation]

https://youtu.be/TgntkGc5iBo


東海地方在住の友人NWKさんから「東京行く」と先月末に連絡が入っていた。
7月11日、「東京来ました。明日どうでしょう?」とLINE。翌12日に会うということになり、待ち合わせ場所「5時阿佐ヶ谷駅改札付近かな?」と。
あうんの呼吸というか、この間のやりとりで阿佐ヶ谷なんてひと言も出ていない。

前回会ったとき、このブログの今後の展開として「高円寺阿佐ヶ谷荻窪西荻攻めるのは必定」との意見をもらった。たぶん今回はその流れというか、ブログのネタづくりに協力してくれるということかと(笑)。
NWKさんは若いころ長く阿佐ヶ谷に住んでおり、その間の2年くらい僕は駅近くの喫茶店でバイトをしている。というか、そのバイトはNWKさんに紹介してもらったもの。
阿佐ヶ谷から攻めるのは言わずもがな、なのである。

まずは街の散策。
駅北西の飲食店がいちばん集中しているエリア(スターロード商店街)から歩き始め、旧中杉通りを北上、中杉通りを南下して駅に戻り、南西エリアへ。ここ川端通りに僕がバイトしていた喫茶店があった。
続いて南東エリアのパールセンター、一番街とひと通り回り、あらためて「さあどうする?」となったところで、「どうしよう…」と途方に暮れる。
昔よく行ったお店はほとんど残っていないという。
そりゃそうだ。30年以上も昔のことだし。
まあ僕の場合、この街は人任せで生きていたので、そもそもお店覚えようって気もなかったんだけど(笑)。

結局、最初にチェックしたスターロードの居酒屋「和田屋」へ。
1979年創業。
NWKさんはそのオープン初日に入ったという。それだけで、ネタ的には十分です(笑)。

あとで調べると、大衆割烹「和田屋」は1920年創業の麻布十番「食堂和田屋」(2005年閉店)の暖簾分けグループで、都内に7店現存するという。
――新潟出身の高橋敏則さん、洋子さん夫妻が昭和54年から暖簾を構える大衆割烹。最近は息子の清太さんも加わって、親子3人、息の合った営業を続ける、阿佐谷でも知る人ぞ知るアットホームなお店だ。(スターロードHPより)

奥に細長い店内は、左手がカウンター席、右に4人掛けテーブルが4つ並ぶ。
2階は座敷席になっているもよう。

いちばん手前のテーブル席に着き、まずビールはサッポロ黒ラベル。
アテは枝豆と味噌キュー。

枝豆は味が濃く明らかにゆでたて。
キュウリは驚くことにブルームタイプで、シャクシャクと旬の食感を楽しめる。

カウンターに並ぶ大皿から、ナスのゴマあえを頼む。
ナスの中まで甘いゴマダレがしっかり染みておいしい。

大皿はほかに肉じゃがや酢豚、切りコンブとなんか(忘れた)の炊き合わせ… と、いたって素朴で家庭的。
この大皿惣菜はよく出ていて、どんどん減っていくが、いつの間にか補充されている。

酒は日本酒、まずは酔鯨に。
お銚子かと思ったら升酒だったので、酔鯨追加。

こちらの名物はやきとんのようなので、そこは外せないなと。
レバ(タレ)、タン、カシラ(塩)各2串注文。
店内に独特のにおいが漂う。
「何ですかね、これ。クサヤ?」
「なんやろ? オレらのやきとんと違うか?」
周囲の注文状況を見れば、そうとしか考えられない。
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「いいにおいだねぇー」とカウンターのじいさん。「これだけで酒が飲めちゃう」
うなぎのタレじゃないが、コンロの周りに長年つぎ足しつぎ足しに滴る焼きダレの発酵が進み… というような。
これは40年近い年季そのもののにおいかな。
「あんまりいいにおいって言ってたら料金とられちゃう。気い付けなくちゃな(笑)」とじいさん。
落語ネタを地でいってる。

浦霞、久保田と、さらにもう一杯飲んだ気がする。
NWKさんとは酒量・ペースが違うので、そのへんでうまく周回を合わせないと「もう一杯」となってしまう。
なってしまってたのかな…? 2周リードくらいに。
それでお勘定6200円。
時代が周回遅れくらいという良心価格かな。

[DATA]
和田屋
東京都杉並区阿佐谷北2-12-22
http://www.starroad.tokyo/shop/wadaya/
[Today's recommendation]

https://youtu.be/TgntkGc5iBo

