Since 1966 の交わるところ 【ぽえむ 小平店】
2018.06.22
小平駅前の「西友」はおもしろいつくりで、小平駅南口団地と一体化している。団地の南側の棟と西友の間はショッピングモール(小平駅前ショッピングセンター)になっており、団地ビル1・2階に店舗が入る。西友と2階モール間には連絡通路もある。施設の開業は1969年。

モール2階に古いチェーン系喫茶店「ぽえむ 小平店」があり、食事ができることを最近知ったので、機会を見て入ってみようと思っていた。
このお店は「ぽえむ」と「永田珈琲倶楽部」の2つの流れで捉えることができる。
HPによれば、「コーヒー専門店ぽえむ」チェーンは1966年、東京・阿佐ヶ谷でスタートした。多くの文化人が集まり、その1人であった漫画家の永島慎二が代表作『若者たち』の舞台として描いていたのが「ぽえむ」。当時の若者にとって憧れの存在であったらしい。

阿佐ヶ谷には少し土地勘が働くが「ぽえむ」の記憶はないので、阿佐ヶ谷歴の長い友人のNWKさんにLINEで問い合わせてみた。
話はそれるが、自分は大学のころ阿佐ヶ谷の喫茶店でバイトをしていて、午後6時~午前1時と働いて最終電車でアパートのある吉祥寺に帰るという生活だったが、ときどき阿佐ヶ谷在住のNWKさんとMTさんが改札前で待ち伏せしていて捕獲され、釣り堀のほうに逆戻りし、ガード下のカラオケスナック「ウエーブシャイン」に連行された。
「思い出した!」とNWKさんから返信。「ウエーブシャインの前をガードくぐって北側に出た右」
そのあたりならよく通っていたはず。ぽえむ1号店(阿佐ヶ谷西店)は1988年まで営業していたというから、自分も何度かそのロゴを目にしていたことだろう。
実際、小平店を気にかけるようになったのは最近のことだが、ロゴやシンボルマークは昔から知っていたという感覚。

一方、「ぽえむ 小平店」は、小平駅周辺に店舗展開する一大勢力「永田珈琲倶楽部」の一つ。
「永田珈琲」(左)、「珈琲の香」(右)
永田珈琲倶楽部の創業は1966年と、くしくも「ぽえむ」チェーンのスタートと同年。
店舗としては、小平駅前ショッピングセンターの「ぽえむ」が最も古く1973年オープン。ほかに、グリーンプラザビル2Fの「永田珈琲」(1996年~)、ルネセブン街の「珈琲の香」(1993年~)、「永田珈琲」隣のサロン「こもれび」がある。
昭和的空間に位置する生き残り型喫茶店のたたずまいを見せる「ぽえむ」だが、驚くことに1時近くの来店でほぼ満席。
いちばん奥の席がちょうど空いたところで、「片づけますので少々お待ちください」状態。

25人超のお客さんは、ほぼ高齢者。僕らのひと回り上から始まってる感じ。なので平均70歳は下らない。
高齢者といえどもそれだけの人数をこなすのは大変だろうと見ていると、驚くことにスタッフは女性2人。カウンター中とホール担当。
と、いろいろ驚かされることだらけだが、いちばん驚くというか感心させられるのがスタッフの質の高さ。次々と入るオーダーは滞ることなくてきぱきとこなされ、接客は親切で心のこもった笑顔を絶やさない。
壁には絵画、レトロなコーヒー豆テーブルには生花が飾られ、内観の印象も上々。
ランチセット800円から、サラダのセットとトーストのセットを各1注文。
サラダセットはパスタ+サラダ、トーストセットはパスタ+バタートースト2切れとミニサラダ。日替わりパスタはクラムチャウダースパゲティ。珈琲 or 紅茶付き。

「ぽえむ」チェーンは縛りが緩く、コーヒーはともかく料理は各店独自メニューのもよう。
ちなみにこのエリアにあるもう1店「ぽえむ 東大和北口店」のランチはカレーライス、ハヤシライス、ビーフシチューと、小平店とは大きく違っている。

サラダとトーストに5分、パスタにもう5分と、提供のタイミングはやはり適切。

もちもちのスパゲティは昔の喫茶店スタイルを思い出させる。具のアサリは細かく刻まれ、ほかに細かいカットのジャガイモとタマネギで、濃厚なクリームがパスタによく絡む。

パスタはけっこうボリュームがあり、トーストセットは十分満腹になる。
食後に専門店の香り高いコーヒーが付いて、このランチセットは完成度が高い。

古びていて懐かしいお店はまあまああるが、懐かしいのに古びていないのは珍しいかもしれない。
古びていないお客さんがもっと増えればいいと思うのだが…。

[DATA]
ぽえむ 小平店
東京都小平市美園町1-33-1 2F
http://nagata7.sakura.ne.jp/cafe/poem.html
[Today's recommendation]

https://youtu.be/h81Ojd3d2rY


小平駅前の「西友」はおもしろいつくりで、小平駅南口団地と一体化している。団地の南側の棟と西友の間はショッピングモール(小平駅前ショッピングセンター)になっており、団地ビル1・2階に店舗が入る。西友と2階モール間には連絡通路もある。施設の開業は1969年。

モール2階に古いチェーン系喫茶店「ぽえむ 小平店」があり、食事ができることを最近知ったので、機会を見て入ってみようと思っていた。
このお店は「ぽえむ」と「永田珈琲倶楽部」の2つの流れで捉えることができる。
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HPによれば、「コーヒー専門店ぽえむ」チェーンは1966年、東京・阿佐ヶ谷でスタートした。多くの文化人が集まり、その1人であった漫画家の永島慎二が代表作『若者たち』の舞台として描いていたのが「ぽえむ」。当時の若者にとって憧れの存在であったらしい。

阿佐ヶ谷には少し土地勘が働くが「ぽえむ」の記憶はないので、阿佐ヶ谷歴の長い友人のNWKさんにLINEで問い合わせてみた。
話はそれるが、自分は大学のころ阿佐ヶ谷の喫茶店でバイトをしていて、午後6時~午前1時と働いて最終電車でアパートのある吉祥寺に帰るという生活だったが、ときどき阿佐ヶ谷在住のNWKさんとMTさんが改札前で待ち伏せしていて捕獲され、釣り堀のほうに逆戻りし、ガード下のカラオケスナック「ウエーブシャイン」に連行された。
「思い出した!」とNWKさんから返信。「ウエーブシャインの前をガードくぐって北側に出た右」
そのあたりならよく通っていたはず。ぽえむ1号店(阿佐ヶ谷西店)は1988年まで営業していたというから、自分も何度かそのロゴを目にしていたことだろう。
実際、小平店を気にかけるようになったのは最近のことだが、ロゴやシンボルマークは昔から知っていたという感覚。

一方、「ぽえむ 小平店」は、小平駅周辺に店舗展開する一大勢力「永田珈琲倶楽部」の一つ。
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永田珈琲倶楽部の創業は1966年と、くしくも「ぽえむ」チェーンのスタートと同年。
店舗としては、小平駅前ショッピングセンターの「ぽえむ」が最も古く1973年オープン。ほかに、グリーンプラザビル2Fの「永田珈琲」(1996年~)、ルネセブン街の「珈琲の香」(1993年~)、「永田珈琲」隣のサロン「こもれび」がある。
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昭和的空間に位置する生き残り型喫茶店のたたずまいを見せる「ぽえむ」だが、驚くことに1時近くの来店でほぼ満席。
いちばん奥の席がちょうど空いたところで、「片づけますので少々お待ちください」状態。

25人超のお客さんは、ほぼ高齢者。僕らのひと回り上から始まってる感じ。なので平均70歳は下らない。
高齢者といえどもそれだけの人数をこなすのは大変だろうと見ていると、驚くことにスタッフは女性2人。カウンター中とホール担当。
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と、いろいろ驚かされることだらけだが、いちばん驚くというか感心させられるのがスタッフの質の高さ。次々と入るオーダーは滞ることなくてきぱきとこなされ、接客は親切で心のこもった笑顔を絶やさない。
壁には絵画、レトロなコーヒー豆テーブルには生花が飾られ、内観の印象も上々。
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ランチセット800円から、サラダのセットとトーストのセットを各1注文。
サラダセットはパスタ+サラダ、トーストセットはパスタ+バタートースト2切れとミニサラダ。日替わりパスタはクラムチャウダースパゲティ。珈琲 or 紅茶付き。

「ぽえむ」チェーンは縛りが緩く、コーヒーはともかく料理は各店独自メニューのもよう。
ちなみにこのエリアにあるもう1店「ぽえむ 東大和北口店」のランチはカレーライス、ハヤシライス、ビーフシチューと、小平店とは大きく違っている。

サラダとトーストに5分、パスタにもう5分と、提供のタイミングはやはり適切。

もちもちのスパゲティは昔の喫茶店スタイルを思い出させる。具のアサリは細かく刻まれ、ほかに細かいカットのジャガイモとタマネギで、濃厚なクリームがパスタによく絡む。

パスタはけっこうボリュームがあり、トーストセットは十分満腹になる。
食後に専門店の香り高いコーヒーが付いて、このランチセットは完成度が高い。

古びていて懐かしいお店はまあまああるが、懐かしいのに古びていないのは珍しいかもしれない。
古びていないお客さんがもっと増えればいいと思うのだが…。

[DATA]
ぽえむ 小平店
東京都小平市美園町1-33-1 2F
http://nagata7.sakura.ne.jp/cafe/poem.html
[Today's recommendation]

https://youtu.be/h81Ojd3d2rY

