憧れの洋食屋さんに 【フランソワ】
2018.05.12
学生街の洋食屋というのは古きよき時代を象徴するイメージの一つだと思う。
1970年代、平和な時代に豊かさが加わって食が多様化し、それまで手の届かない存在だった洋食が身近なものになっていった。学生街を中心に低価格なだけでなく様式的にもカジュアル路線の店が登場し、洋食の敷居を下げた。
洋食は、何でも吸収しようとしていた当時の若者にとって異文化に触れる機会だった。また、それ以前のデパート食堂の家族単位とは異なる個の利用シーンが、自由を謳歌する時代の空気に合致した。――
以下、「キャンディ」参照。
スイマセン…。ここまでコピペでした(笑)
三軒長屋の真ん中、隣の「キャンディ」とワンセットのようなかわいらしいたたずまいを見せる「フランソワ」。
かわいいとみるか、すさまじいとみるかは、見解の分かれるところか…。

僕は男子高校の出身で、大学も男子大学みたいなものだった。40人強のクラスに女子はたったの4人と。食べるものもラーメン屋やカレースタンド、とんかつ屋、定食屋なんかで、みそラーメン、カツカレー、ミックスフライ、スタミナ定食… と、きわめてヤロウくさい学生時代を過ごした。
おしゃれな洋食屋というものにはあまり縁がなく、それだけに、いまだに憧れの思いは消えない。

左が「キャンディ」。最近までキャンディにも同じような電飾突き出し看板があった
キャンディとフランソワ。
初めて見たとき、忘れていた甘酸っぱい感情が呼び起される思いがした。70年代のアイドルの切り抜き写真を見つけたような。
2軒とも、開いていることが少ない印象で、というか開いててもやってるようには見えず、もっと言えば現役のお店に見えない。
入るときに気づいたんだが、こちらは「François」ではなく「Furansowa」。
こういうセンス、なんというか…(笑) 和式というか、ヘボン式おフランス。

店内はこぢんまりしていて、4人テーブル2脚、2人テーブル2脚。入り口正面には急階段があって、2階も使えそう。
内装は思ったよりも地味。壁は暗めの色調の化粧合板で統一されているが、木目はプリントではない(と思う)ので、チープな感じではなくシックというか。
きちんと整頓されているので清潔感はある。
お店の人は、ご夫婦かな、年配の男女。

品数が多くて迷うが、メニュー表トップのクリームコロッケ定食と、もう1品は「キャンディ」でも食べたカツカレーに。

先客は美大生風の男子2人組。
彼らが帰りしな、マスターが厨房から出てきて声かけ。
「これから授業? がんばってね!」
学生街ならではの光景である。

カレーは洋食屋というより定食屋、というか家庭のカレーにも通じる素朴なとろみ系。
スパイスもS&B的なバランスのとれた香り。

具は薄切り豚バラ以外は煮崩れているので、けっこう煮込んである。たっぷりの新タマネギは最後に合わせてある感じ。
カツはすっかり埋もれているが、厚みがあってかなり大きい。

クリームコロッケ定食は、しっかりボリューム感のあるコロッケが3個、目玉焼き、ナポリタン、サラダ添え、ご飯・みそ汁付きで、なんと580円。

しかも本日、サービスメニューで550円!
カラッと香ばしく揚がったコロッケにはベシャメルソースがかかり、ダブルでクリーミーなリッチさすら感じさせるひと皿。

ずっと気になっていたお店にやっと入れた達成感。期待を裏切らない味と満足感。
お店の人に気持ちよく送り出され、学生のような若い気分になって帰路に就いた。

[DATA]
フランソワ
東京都小平市小川町1-741-106
[Today's recommendation]

https://youtu.be/wNKLh7cZSQA


学生街の洋食屋というのは古きよき時代を象徴するイメージの一つだと思う。
1970年代、平和な時代に豊かさが加わって食が多様化し、それまで手の届かない存在だった洋食が身近なものになっていった。学生街を中心に低価格なだけでなく様式的にもカジュアル路線の店が登場し、洋食の敷居を下げた。
洋食は、何でも吸収しようとしていた当時の若者にとって異文化に触れる機会だった。また、それ以前のデパート食堂の家族単位とは異なる個の利用シーンが、自由を謳歌する時代の空気に合致した。――
以下、「キャンディ」参照。
スイマセン…。ここまでコピペでした(笑)
三軒長屋の真ん中、隣の「キャンディ」とワンセットのようなかわいらしいたたずまいを見せる「フランソワ」。
かわいいとみるか、すさまじいとみるかは、見解の分かれるところか…。

僕は男子高校の出身で、大学も男子大学みたいなものだった。40人強のクラスに女子はたったの4人と。食べるものもラーメン屋やカレースタンド、とんかつ屋、定食屋なんかで、みそラーメン、カツカレー、ミックスフライ、スタミナ定食… と、きわめてヤロウくさい学生時代を過ごした。
おしゃれな洋食屋というものにはあまり縁がなく、それだけに、いまだに憧れの思いは消えない。

左が「キャンディ」。最近までキャンディにも同じような電飾突き出し看板があった
キャンディとフランソワ。
初めて見たとき、忘れていた甘酸っぱい感情が呼び起される思いがした。70年代のアイドルの切り抜き写真を見つけたような。
2軒とも、開いていることが少ない印象で、というか開いててもやってるようには見えず、もっと言えば現役のお店に見えない。
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入るときに気づいたんだが、こちらは「François」ではなく「Furansowa」。
こういうセンス、なんというか…(笑) 和式というか、ヘボン式おフランス。

店内はこぢんまりしていて、4人テーブル2脚、2人テーブル2脚。入り口正面には急階段があって、2階も使えそう。
内装は思ったよりも地味。壁は暗めの色調の化粧合板で統一されているが、木目はプリントではない(と思う)ので、チープな感じではなくシックというか。
きちんと整頓されているので清潔感はある。
お店の人は、ご夫婦かな、年配の男女。

品数が多くて迷うが、メニュー表トップのクリームコロッケ定食と、もう1品は「キャンディ」でも食べたカツカレーに。

先客は美大生風の男子2人組。
彼らが帰りしな、マスターが厨房から出てきて声かけ。
「これから授業? がんばってね!」
学生街ならではの光景である。

カレーは洋食屋というより定食屋、というか家庭のカレーにも通じる素朴なとろみ系。
スパイスもS&B的なバランスのとれた香り。

具は薄切り豚バラ以外は煮崩れているので、けっこう煮込んである。たっぷりの新タマネギは最後に合わせてある感じ。
カツはすっかり埋もれているが、厚みがあってかなり大きい。

クリームコロッケ定食は、しっかりボリューム感のあるコロッケが3個、目玉焼き、ナポリタン、サラダ添え、ご飯・みそ汁付きで、なんと580円。

しかも本日、サービスメニューで550円!
カラッと香ばしく揚がったコロッケにはベシャメルソースがかかり、ダブルでクリーミーなリッチさすら感じさせるひと皿。

ずっと気になっていたお店にやっと入れた達成感。期待を裏切らない味と満足感。
お店の人に気持ちよく送り出され、学生のような若い気分になって帰路に就いた。

[DATA]
フランソワ
東京都小平市小川町1-741-106
[Today's recommendation]

https://youtu.be/wNKLh7cZSQA

