禁断の花と幻の花と、ケシの実パン 【ふれあいガーデン 草星舎】
2018.05.10
東京都薬用植物園をご存じだろうか。
西武拝島線東大和市駅の改札から徒歩2分。敷地面積3万1398㎡の園内に1600種余りの植物が栽培されている。

――昭和21年設立以来、薬務行政の一つとして、薬用植物を収集、栽培しています。現在は主に、危険ドラッグや健康食品の指導・取締りに向けた植物鑑別等の試験検査、調査研究を行うほか、薬用植物の正しい知識の普及に努めています。(東京都薬用植物園HP)
石原慎太郎都知事時代の2005年、東京都の行政評価で、東京都薬用植物園が“存続も含めて見直し”と発表された。担当局の福祉保健局での見直し案に運営改善案として民間委託が盛り込まれ、その後数次の見直しを経て、2010年度以降、園の運営業務は民間委託(ケシ、大麻栽培など一部直営)という形で存続することになった。

園内には薬草・有用植物・有毒植物や、山野草・水生植物なども栽培されるほか、温室・冷房室も設置。
希少な植物種も多く、近隣住民にとって憩いの場として親しまれているほか遠方からの来訪者も多い。年間の来園者数は12万人を超す。
この時期は特にケシの花が人気。
二重柵に囲われ何台もの監視カメラが設置された物々しい雰囲気の“ケシ・アサ試験区”では、法律で栽培が禁止されているケシやアサが植えられている。
こちらは都内で唯一、全国でも珍しいケシの花が見られる施設という。

たまたま出かけたこの日、園内には多くの薬学生風の姿が。
園のHPには“ケシの開花期(5月)には、麻薬取締員や薬事監視員、医学・薬学・看護学生を対象とした「ケシ特別講座」を実施しています”とある。

ケシ・アサ試験区と僕がよく行くロックガーデンの間に、ログハウス風の建物を発見。
“おいしいパンあります”の札が掛かっている。

僕はこの植物園に年に何度も訪れているが、この施設の存在を知らなかった。
HPによると、その一帯は“都民が体験的に学び交流する憩いの場”として2010年4月に新設された「ふれあいガーデン」という区画で、売店の名前は「草星舎(そうせいしゃ)」。
手作りパンや“土佐産ぶんたんドリンク”などのジュース類、キャンディ、お茶類などの食品のほか、植物苗、書籍、地元福祉団体による手作りクラフト品などを扱っているようだ。また、リースやクラフト作り体験、薬膳料理やハーブ教室、観察会などのイベントも実施している。
三度のメシよりあんパンが好きな家族に… と思ってのぞいてみる。
思ったよりもパンの種類が豊富。どれもおいしそうで目移りするが、手書きPOPの“ケシの実付き!”の文字を見て、よもぎあんぱん180円に決定。ケシの花を観賞したあとだけに。
もう1品、桜塩漬け北海道こしあん160円を選ぶ。

トレーがかわいいので撮影させてもらっていると、店員のおばさまが「一橋学園のバリーさんのパンなんですよ」と。
詳しく場所を教えてもらって売店をあとにする。

ホシノ天然酵母パン バリー 東京都小平市学園東町2-4-11
これまでその存在を知らなかったのは不思議でしょうがないが、民間委託の目的の一つが業務サービス水準の向上である点を考えれば、大きな役割を担っている施設であり、またその目的は十分達成されていると感じた。
薬用植物園を訪れる楽しみが増えた。
帰りしな、“青いケシ開花中”の張り紙を発見。
“ヒマラヤの青いケシ”と呼ばれる人気の花だ。

このケシは麻薬成分を含まないため栽培が禁止されているわけではないが、ヒマラヤやチベット原産のため暑さに弱く、栽培が非常に難しい。“幻の花”といわれるゆえんである。
温室の横の冷房室で栽培されており、ガラス越しに鑑賞できる。

合法・違法・パン製法(?)
なぜか、ケシ・ケシ・ケシな一日。

[DATA]
ふれあいガーデン 草星舎
東京都小平市中島町21-1 東京都薬用植物園内
https://www.facebook.com/fureaigarden/
http://www.fureai-garden.net/
[Today's recommendation]

https://youtu.be/r9_WWWa75zs


東京都薬用植物園をご存じだろうか。
西武拝島線東大和市駅の改札から徒歩2分。敷地面積3万1398㎡の園内に1600種余りの植物が栽培されている。

――昭和21年設立以来、薬務行政の一つとして、薬用植物を収集、栽培しています。現在は主に、危険ドラッグや健康食品の指導・取締りに向けた植物鑑別等の試験検査、調査研究を行うほか、薬用植物の正しい知識の普及に努めています。(東京都薬用植物園HP)
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石原慎太郎都知事時代の2005年、東京都の行政評価で、東京都薬用植物園が“存続も含めて見直し”と発表された。担当局の福祉保健局での見直し案に運営改善案として民間委託が盛り込まれ、その後数次の見直しを経て、2010年度以降、園の運営業務は民間委託(ケシ、大麻栽培など一部直営)という形で存続することになった。

園内には薬草・有用植物・有毒植物や、山野草・水生植物なども栽培されるほか、温室・冷房室も設置。
希少な植物種も多く、近隣住民にとって憩いの場として親しまれているほか遠方からの来訪者も多い。年間の来園者数は12万人を超す。
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この時期は特にケシの花が人気。
二重柵に囲われ何台もの監視カメラが設置された物々しい雰囲気の“ケシ・アサ試験区”では、法律で栽培が禁止されているケシやアサが植えられている。
こちらは都内で唯一、全国でも珍しいケシの花が見られる施設という。

たまたま出かけたこの日、園内には多くの薬学生風の姿が。
園のHPには“ケシの開花期(5月)には、麻薬取締員や薬事監視員、医学・薬学・看護学生を対象とした「ケシ特別講座」を実施しています”とある。

ケシ・アサ試験区と僕がよく行くロックガーデンの間に、ログハウス風の建物を発見。
“おいしいパンあります”の札が掛かっている。

僕はこの植物園に年に何度も訪れているが、この施設の存在を知らなかった。
HPによると、その一帯は“都民が体験的に学び交流する憩いの場”として2010年4月に新設された「ふれあいガーデン」という区画で、売店の名前は「草星舎(そうせいしゃ)」。
手作りパンや“土佐産ぶんたんドリンク”などのジュース類、キャンディ、お茶類などの食品のほか、植物苗、書籍、地元福祉団体による手作りクラフト品などを扱っているようだ。また、リースやクラフト作り体験、薬膳料理やハーブ教室、観察会などのイベントも実施している。
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三度のメシよりあんパンが好きな家族に… と思ってのぞいてみる。
思ったよりもパンの種類が豊富。どれもおいしそうで目移りするが、手書きPOPの“ケシの実付き!”の文字を見て、よもぎあんぱん180円に決定。ケシの花を観賞したあとだけに。
もう1品、桜塩漬け北海道こしあん160円を選ぶ。

トレーがかわいいので撮影させてもらっていると、店員のおばさまが「一橋学園のバリーさんのパンなんですよ」と。
詳しく場所を教えてもらって売店をあとにする。

ホシノ天然酵母パン バリー 東京都小平市学園東町2-4-11
これまでその存在を知らなかったのは不思議でしょうがないが、民間委託の目的の一つが業務サービス水準の向上である点を考えれば、大きな役割を担っている施設であり、またその目的は十分達成されていると感じた。
薬用植物園を訪れる楽しみが増えた。
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帰りしな、“青いケシ開花中”の張り紙を発見。
“ヒマラヤの青いケシ”と呼ばれる人気の花だ。

このケシは麻薬成分を含まないため栽培が禁止されているわけではないが、ヒマラヤやチベット原産のため暑さに弱く、栽培が非常に難しい。“幻の花”といわれるゆえんである。
温室の横の冷房室で栽培されており、ガラス越しに鑑賞できる。

合法・違法・パン製法(?)
なぜか、ケシ・ケシ・ケシな一日。

[DATA]
ふれあいガーデン 草星舎
東京都小平市中島町21-1 東京都薬用植物園内

http://www.fureai-garden.net/
[Today's recommendation]

https://youtu.be/r9_WWWa75zs

