武蔵野の地で吉田うどん 【羽だ】
2018.05.06
昨日の坦々刀削麺のせいではないと思うが、胃が痛い… という人がいる。
お昼ごはんはうどんがいい、と。
先日、一橋学園の「むぎきり」で食べたときにいただいてきた“西武線沿線うどんラリー2018”のパンフレットで、うどん屋を探してみた。
うどんラリーには17店も参加しているのに、自分でもあきれることに入ったことのあるお店は、そのとき初めて入った「むぎきり」のみ。しかもその1週間後に、うどんラリーは終わっちゃってる。
うどんラリーについてはタカタロウさんの大作ルポに詳しいので、ぜひお読みいただきたい。

パンフレットで1軒、気になるお店を見つけた。
田無の「羽だ」。吉田のうどんだという。
15年ほど前に富士吉田で食べたことがあって、店の名前も覚えていないが、うどんについては好印象が残っている。

「羽だ」は思ったよりも小さく、古びたお店だった。民芸調やこぎれいな店を想像していたが、使い込まれた感があって味わい深い。
カウンター7席と、小上がりに2人用座卓が2つ。
小上がりに常連っぽい2人組昼飲みおばちゃん。わしらはカウンターのいちばん奥の席に座る。

天付もりとざるほうとうを注文したら、
「ざるほうとうは夏限定で、まだ麺が入ってきてないんです」
と店主さん。

よく見ると、たしかにそう書いてある。
っていうか、その隣、書き損じてる(笑)。

「え? ほうとうなのに夏限定?」
「あ、たしかに。ほうとうっていうと煮込むイメージがあるかもしれませんね。もっと細い、きしめんみたいな麺なんですよ」
なるほど、それはそれでおいしそうだけど…。
ということで、もう1品は、もり。
われわれのあとから入ってきた年配のご夫婦が話し好きで、店主からいろいろ聞き出している。
横で聞いていた内容をまとめると――
こちらは開店から15年。東京でうどん屋をやると言ったら、「大月の向こうじゃ商売にならないからやめておけ」と親戚に止められたが、始めてみたら「吉田のうどん、有名ですよね」と客に言われ、拍子抜けしたと。
「うどんラリーは大変でしたよ。すごいときは2時すぎても外でお客さん待ってるんだから」
天付もりの天ぷらは、エビ、キス、大葉。
吉田のうどんの特徴が、ゆでたキャベツとニンジン。もりにはさらに、天付にはない細く切った油揚げがのる。

吉田はコシが強いことで有名らしいが、以前現地で食べたものが釜揚げのようなスタイルだったからか、そういう印象はなかった。
水で締めたもりうどんは、たしかにコシがしっかり。

途中で“すりだね”という辛み調味料を投入。山椒が効いていてかなり辛い。
現地ではこれが気に入って、宿泊地の石和の土産物屋で探したが見つからなかったことを思い出した。
ゆで湯が土瓶でついてくる。
つゆに入れて飲むとちょうどいい塩梅。
店主が一人で切り盛りするふるさとの味。
この武蔵野うどんの地でも十分な存在感がある。

[DATA]
羽だ
東京都西東京市田無町3-10-16
[Today's recommendation]

https://youtu.be/4F0ytNzHDj8


昨日の坦々刀削麺のせいではないと思うが、胃が痛い… という人がいる。
お昼ごはんはうどんがいい、と。
先日、一橋学園の「むぎきり」で食べたときにいただいてきた“西武線沿線うどんラリー2018”のパンフレットで、うどん屋を探してみた。
うどんラリーには17店も参加しているのに、自分でもあきれることに入ったことのあるお店は、そのとき初めて入った「むぎきり」のみ。しかもその1週間後に、うどんラリーは終わっちゃってる。
うどんラリーについてはタカタロウさんの大作ルポに詳しいので、ぜひお読みいただきたい。

パンフレットで1軒、気になるお店を見つけた。
田無の「羽だ」。吉田のうどんだという。
15年ほど前に富士吉田で食べたことがあって、店の名前も覚えていないが、うどんについては好印象が残っている。

「羽だ」は思ったよりも小さく、古びたお店だった。民芸調やこぎれいな店を想像していたが、使い込まれた感があって味わい深い。
カウンター7席と、小上がりに2人用座卓が2つ。
小上がりに常連っぽい2人組昼飲みおばちゃん。わしらはカウンターのいちばん奥の席に座る。

天付もりとざるほうとうを注文したら、
「ざるほうとうは夏限定で、まだ麺が入ってきてないんです」
と店主さん。

よく見ると、たしかにそう書いてある。
っていうか、その隣、書き損じてる(笑)。

「え? ほうとうなのに夏限定?」
「あ、たしかに。ほうとうっていうと煮込むイメージがあるかもしれませんね。もっと細い、きしめんみたいな麺なんですよ」
なるほど、それはそれでおいしそうだけど…。
ということで、もう1品は、もり。
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われわれのあとから入ってきた年配のご夫婦が話し好きで、店主からいろいろ聞き出している。
横で聞いていた内容をまとめると――
こちらは開店から15年。東京でうどん屋をやると言ったら、「大月の向こうじゃ商売にならないからやめておけ」と親戚に止められたが、始めてみたら「吉田のうどん、有名ですよね」と客に言われ、拍子抜けしたと。
「うどんラリーは大変でしたよ。すごいときは2時すぎても外でお客さん待ってるんだから」
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天付もりの天ぷらは、エビ、キス、大葉。
吉田のうどんの特徴が、ゆでたキャベツとニンジン。もりにはさらに、天付にはない細く切った油揚げがのる。

吉田はコシが強いことで有名らしいが、以前現地で食べたものが釜揚げのようなスタイルだったからか、そういう印象はなかった。
水で締めたもりうどんは、たしかにコシがしっかり。

途中で“すりだね”という辛み調味料を投入。山椒が効いていてかなり辛い。
現地ではこれが気に入って、宿泊地の石和の土産物屋で探したが見つからなかったことを思い出した。
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ゆで湯が土瓶でついてくる。
つゆに入れて飲むとちょうどいい塩梅。
店主が一人で切り盛りするふるさとの味。
この武蔵野うどんの地でも十分な存在感がある。

[DATA]
羽だ
東京都西東京市田無町3-10-16
[Today's recommendation]

https://youtu.be/4F0ytNzHDj8

