老舗のれんのカレー丼 【そば ともえや】
2018.04.22
久しぶりに多摩湖に行ってみる。
多摩湖は正式名称「村山貯水池」。人口増加著しい東京の水がめとして、多摩川の水を羽村取水堰で取り入れ導水管で導き貯水するために、10年以上の年月をかけて(1916~27年)狭山丘陵の谷に造られた人造湖。
東京都内の他県にまたがらない湖としては最大である。

――工事にあたり、資材運搬と導水管(羽村村山線)工事のために羽村-山口間に軽便鉄道を敷設した。この鉄道は完成後に廃止となったが、山口貯水池建設工事の際に復活し、資材運搬に利用された。廃線跡の一部は東京都道253号保谷狭山自然公園自転車道線などのサイクリングロードとして整備されている。(Wikipedia)

この保谷狭山自然公園自転車道線とは、つまり「多摩湖自転車道」(通称)である。自転車道のうち、時計回りに多摩湖周辺を巡る部分は、ツールでいえば山岳ステージ。
5年ほど前、僕は毎日このコースを走っていた。おなかが出始めたのが気になったから。
しかし自分を追い込むのが苦手なので(苦笑)しだいに行かなくなった。
いまは東村山浄水場から境浄水場手前までの平地ステージをチンタラ走っている。おなかは引っ込まない。

南門から狭山公園内へ。
コゲラやシジュウカラやウグイスの声を圧するようなけたたましい鳴き声が聞こえる。ガビチョウだ。
ガビチョウは中国南部~東南アジア北部原産。愛玩用・観賞用に輸入された飼い鳥が逃げ出す、あるいは飼い主によって放たれ野生化。特定外来生物に指定され、“日本の侵略的外来種ワースト100”選定種にもなっている。
この狭山丘陵では以前からよく見られ、常にあちこちから鳴き声が聞こえてくるので生息数も多そうだ。
宅部池の横を上って堤防へ。
2003~09年の耐震補強工事によって堤防そのものと下流側の狭山公園も改修され、明るく広々した印象になった。

向こうの湖岸に「掬水亭」が見える。上階の中華レストラン「天外天」に行こうかという流れにもなったが、「掬水亭、ドレスコードあるでしょ」ということに。以前、こんな格好で入ってるからそんなはずはないのだが、何だかんだ理由をつけて高級店を避ける。

掬水亭から遠ざかるように自転車道を少し歩き、左側の住宅街を下る。
このあたりの住所は東大和市湖畔だが、多摩湖の湖面よりだいぶ低く、湖畔というより谷底。車はときどき通るが人けはなく、お店というものもほぼない。
12時を過ぎて急激におなかがすいてきたが、コンビニすらなく、遭難寸前みたいになりながら自販機で水を求めてどうにか武蔵大和駅前に帰還。
しかし駅前といっても飲食店はインドカレー、そば屋、うどん屋の3択。
ということで、バス通り沿いのそば店「ともえや」へ。

こちらは久米川駅近くの創業天保元年の老舗そば店「巴屋本店」の暖簾分け。
本店のホームページには「ただいま暖簾わけして関東に55店舗。各店舗で各々蕎麦やおつゆをとっているので、全店で味や値段も違いますが、街中で右の模様と巴屋の文字を見かけた際はぜひお立ち寄り下さい」とある。
市内では唯一の暖簾分け店で、お店正面の小さい切妻屋根の妻壁に、三つ巴に矢が刺さった上記“模様”がある。

駐車場は広いが未舗装で自宅庭との境界があいまい、区画ラインもなく大ざっぱな感じ。
テーブル7卓・小上がり3卓とけっこう広い店内も、雑という大らかな雰囲気。
駅前というより昔の郊外型のニュアンスが強い。

年季は入っているが声に張りのあるおかあさんが店内を忙しく動き回り、厨房ではこれまたベテランな女性が調理を担当。
あたりに食事処が少ないせいか、次々にお客さんが入ってくる。

お冷は各テーブルにペットボトルで提供。
カレー丼700円と天もりそば1000円を注文。

「カレーどん」と言うと、お店のおかあさんが「カレーどんぶり?」としっかり確認。この対応は危機管理上、正しい。
昔、よく使っていた九段下の「小諸そば」で海老天丼を頼んだことがある。しかし出てきたのは海老天うどん。あぜんとしつつも、口の中で「海老天丼、海老天丼、海老天どん、海老天うどん…」と唱え、「あ…!」と納得。
おそらく同様の間違いを経てこうなったと思われるこちらの対応。「カレーどんぶり!」と、おかあさんは厨房にも確実に伝達している。
そのカレー丼は、久しぶりに見る正しいそば屋のカレーでした。

黄色いカレー粉に片栗粉でとろみをつけたもので、具は薄切り豚肉と青ネギという和風の正統派。グリーンピースのせ。
ネギの清新な香りの移ったカレーが妙に懐かしい。

天もりの天ぷらは、エビ2本とキス、ブナシメジ、ナス、春菊。

大葉巻き風の海老天は大きく食べでがあるが、そばは僕の食べる量としては少ない。
周りに大盛りを頼んでいるお客が多いのも納得。

つゆの器が1つに対し、薬味に大根おろしと練りワサビ。どこかのプロセスが端折られてるような気もするが、薬味の盛り付けの雑さを含め、やはり大らかとしか言いようがないか…。
そばの盛りは軽めだが、天ぷらがたっぷりなのでカロリー的には足りているはず。それを少ないとか言っているからおなかが引っ込まない。
iPhoneのヘルスケアでは4.2kmだが、アップダウンを考えれば、まあまあ運動になったとは思うが。

[DATA]
そば ともえや
東京都東村山市廻田町3-10-18
[Today's recommendation]

https://youtu.be/31DNFoW3NAw


久しぶりに多摩湖に行ってみる。
多摩湖は正式名称「村山貯水池」。人口増加著しい東京の水がめとして、多摩川の水を羽村取水堰で取り入れ導水管で導き貯水するために、10年以上の年月をかけて(1916~27年)狭山丘陵の谷に造られた人造湖。
東京都内の他県にまたがらない湖としては最大である。

――工事にあたり、資材運搬と導水管(羽村村山線)工事のために羽村-山口間に軽便鉄道を敷設した。この鉄道は完成後に廃止となったが、山口貯水池建設工事の際に復活し、資材運搬に利用された。廃線跡の一部は東京都道253号保谷狭山自然公園自転車道線などのサイクリングロードとして整備されている。(Wikipedia)

この保谷狭山自然公園自転車道線とは、つまり「多摩湖自転車道」(通称)である。自転車道のうち、時計回りに多摩湖周辺を巡る部分は、ツールでいえば山岳ステージ。
5年ほど前、僕は毎日このコースを走っていた。おなかが出始めたのが気になったから。
しかし自分を追い込むのが苦手なので(苦笑)しだいに行かなくなった。
いまは東村山浄水場から境浄水場手前までの平地ステージをチンタラ走っている。おなかは引っ込まない。

南門から狭山公園内へ。
コゲラやシジュウカラやウグイスの声を圧するようなけたたましい鳴き声が聞こえる。ガビチョウだ。
ガビチョウは中国南部~東南アジア北部原産。愛玩用・観賞用に輸入された飼い鳥が逃げ出す、あるいは飼い主によって放たれ野生化。特定外来生物に指定され、“日本の侵略的外来種ワースト100”選定種にもなっている。
この狭山丘陵では以前からよく見られ、常にあちこちから鳴き声が聞こえてくるので生息数も多そうだ。
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宅部池の横を上って堤防へ。
2003~09年の耐震補強工事によって堤防そのものと下流側の狭山公園も改修され、明るく広々した印象になった。

向こうの湖岸に「掬水亭」が見える。上階の中華レストラン「天外天」に行こうかという流れにもなったが、「掬水亭、ドレスコードあるでしょ」ということに。以前、こんな格好で入ってるからそんなはずはないのだが、何だかんだ理由をつけて高級店を避ける。

掬水亭から遠ざかるように自転車道を少し歩き、左側の住宅街を下る。
このあたりの住所は東大和市湖畔だが、多摩湖の湖面よりだいぶ低く、湖畔というより谷底。車はときどき通るが人けはなく、お店というものもほぼない。
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12時を過ぎて急激におなかがすいてきたが、コンビニすらなく、遭難寸前みたいになりながら自販機で水を求めてどうにか武蔵大和駅前に帰還。
しかし駅前といっても飲食店はインドカレー、そば屋、うどん屋の3択。
ということで、バス通り沿いのそば店「ともえや」へ。

こちらは久米川駅近くの創業天保元年の老舗そば店「巴屋本店」の暖簾分け。
本店のホームページには「ただいま暖簾わけして関東に55店舗。各店舗で各々蕎麦やおつゆをとっているので、全店で味や値段も違いますが、街中で右の模様と巴屋の文字を見かけた際はぜひお立ち寄り下さい」とある。
市内では唯一の暖簾分け店で、お店正面の小さい切妻屋根の妻壁に、三つ巴に矢が刺さった上記“模様”がある。

駐車場は広いが未舗装で自宅庭との境界があいまい、区画ラインもなく大ざっぱな感じ。
テーブル7卓・小上がり3卓とけっこう広い店内も、雑という大らかな雰囲気。
駅前というより昔の郊外型のニュアンスが強い。

年季は入っているが声に張りのあるおかあさんが店内を忙しく動き回り、厨房ではこれまたベテランな女性が調理を担当。
あたりに食事処が少ないせいか、次々にお客さんが入ってくる。

お冷は各テーブルにペットボトルで提供。
カレー丼700円と天もりそば1000円を注文。

「カレーどん」と言うと、お店のおかあさんが「カレーどんぶり?」としっかり確認。この対応は危機管理上、正しい。
昔、よく使っていた九段下の「小諸そば」で海老天丼を頼んだことがある。しかし出てきたのは海老天うどん。あぜんとしつつも、口の中で「海老天丼、海老天丼、海老天どん、海老天うどん…」と唱え、「あ…!」と納得。
おそらく同様の間違いを経てこうなったと思われるこちらの対応。「カレーどんぶり!」と、おかあさんは厨房にも確実に伝達している。
そのカレー丼は、久しぶりに見る正しいそば屋のカレーでした。

黄色いカレー粉に片栗粉でとろみをつけたもので、具は薄切り豚肉と青ネギという和風の正統派。グリーンピースのせ。
ネギの清新な香りの移ったカレーが妙に懐かしい。

天もりの天ぷらは、エビ2本とキス、ブナシメジ、ナス、春菊。

大葉巻き風の海老天は大きく食べでがあるが、そばは僕の食べる量としては少ない。
周りに大盛りを頼んでいるお客が多いのも納得。

つゆの器が1つに対し、薬味に大根おろしと練りワサビ。どこかのプロセスが端折られてるような気もするが、薬味の盛り付けの雑さを含め、やはり大らかとしか言いようがないか…。
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そばの盛りは軽めだが、天ぷらがたっぷりなのでカロリー的には足りているはず。それを少ないとか言っているからおなかが引っ込まない。
iPhoneのヘルスケアでは4.2kmだが、アップダウンを考えれば、まあまあ運動になったとは思うが。

[DATA]
そば ともえや
東京都東村山市廻田町3-10-18
[Today's recommendation]

https://youtu.be/31DNFoW3NAw

