激変の街で、変わらぬ存在 【ほかり食堂】
2018.04.14
JR中央線では三鷹―立川間の高架化(~2010年)に伴い、短期間で沿線の街の様子が激変した。
同じように、いま大きく変わろうとしているのが西武池袋線。
練馬高野台駅─大泉学園駅間連続立体交差事業が2015年に終了。同区間の石神井公園駅周辺は大きく様変わりした。

駅および南北通路を縦軸に、東西に伸びるプロムナードを取り囲むように4つの「Emio」を配置する再開発計画が、西武グループが推進する“エミナード石神井公園”。

これにより、特に従来商業施設が手薄だった駅北西エリアがおしゃれなショッピングスポットに生まれ変わった。

その一方で、バス通りとなっている南西側の古い商店街は、いまのところ手つかずのまま。
南口のロータリーから石神井公園にかけて、古本屋や和菓子屋、せんべい屋、青果店、釣具店… と、昔ながらのお店がいくつも残る。
もちろん古い飲食店も多い要注目エリアである。

公園に下る道の途中にある「ほかり食堂」は、創業1939年。

お店の隣が「ほかり美容商事」、その向かいに「株式会社ホカリ」が入る「ホカリビル」と、この食堂は一帯の有力者とみられるほかり(穂苅?)一族の一つと想像される。

ちなみにこちら、坂口安吾ライスカレー100人前事件で有名。
それぐらい歴史がある。

意外に広い店内は、ホールにテーブル6卓、右側の異様に高さのある小上がりに3卓。
14時10分にしてお客さんは5組6人と多い。

“高座”
何の気なしに空いている席に座ったが、あとで眺めてみると、自分でテーブル席は全部埋まっていた。下手すると“高座”に上がらされていたわけで、けっこうヒヤヒヤもの。

何でもありな感じの食堂で、そういうお店でよく頼むカツカレーが食べたかったが、何度見ても見つからない。
すると、壁の張り紙に“ラーメン・半カレーセット”というものを発見。迷わずそちらに変更。
注文後にメニュー表を見直すと、あっさりカツカレーが見つかった。これはレイアウト上、タブの設定に問題があるんですね。
結果的には見落としてよかったと思っている。

こちらは60前後? の男女が主に取り仕切っている。
と思ったら、厨房に小柄で背中の曲がった男性の姿がちらちら。この方が店主のほかり(穂苅?)さんと思われる。
しばらく見ていると、若手の2人は精力的に動き回ってはいるが、どうやら調理関係には関わっていない。
洗い物やテーブルの片づけがメインで、それが終わったとしても、たとえばカレーのごはんをよそうとか、そういうアシスト的な作業さえいっさいしないようなのだ。

配膳口のトレーに店主によってカレーとラーメンがセットされても、ほかの2人は厨房の奥で突っ立ったまま。
「え、セルフサービス?」と、中腰になるワタクシ。
すると店主がぐるっと回ってホールに出てきて、背中をぐいと伸ばして重そうなトレーを持ち上げる。
中腰から、一歩踏み出しそうになるワタクシ。
「お待たせしちゃってね」と、店主のおとうさんが運んできてくれる。

これは客一人一人に声をかけて料理を出すという、おとうさんのポリシーなんだと思った。
だから、多少危なっかしく見えても、周りは手出しをしない。

まずラーメンのスープをひと口、レンゲがないのでカレーのスプーンですする。
「うまー!」
続いてカレーをひと口。
「うまいなー…」

こんなしょっぱおいしいラーメンは高校の学食以来かも… と、たぶん違うスイッチが入っちゃってる(笑)。
とはいっても、懐かしいだけでなくカレーはけっこうスパイシーで案外辛かったりするので、オッ! となる。

お支払いに対応したのもおとうさん。
千円札を出してお釣りをもらう、そのやりとりだけでもホンワカと…。

[DATA]
ほかり食堂
東京都練馬区石神井町3-16-18
[Today's recommendation]

https://youtu.be/m0d4qNXnCFM


創業明治35年!
2018.04.14 名物焼だんご 池田屋(閉店)/東京都練馬区石神井台1-15-3

三宝寺門前のおだんご屋さん。
こちらは創業1902(明治35)年と。
焼だんご1本100円(×3)

JR中央線では三鷹―立川間の高架化(~2010年)に伴い、短期間で沿線の街の様子が激変した。
同じように、いま大きく変わろうとしているのが西武池袋線。
練馬高野台駅─大泉学園駅間連続立体交差事業が2015年に終了。同区間の石神井公園駅周辺は大きく様変わりした。

駅および南北通路を縦軸に、東西に伸びるプロムナードを取り囲むように4つの「Emio」を配置する再開発計画が、西武グループが推進する“エミナード石神井公園”。

これにより、特に従来商業施設が手薄だった駅北西エリアがおしゃれなショッピングスポットに生まれ変わった。

その一方で、バス通りとなっている南西側の古い商店街は、いまのところ手つかずのまま。
南口のロータリーから石神井公園にかけて、古本屋や和菓子屋、せんべい屋、青果店、釣具店… と、昔ながらのお店がいくつも残る。
もちろん古い飲食店も多い要注目エリアである。

公園に下る道の途中にある「ほかり食堂」は、創業1939年。

お店の隣が「ほかり美容商事」、その向かいに「株式会社ホカリ」が入る「ホカリビル」と、この食堂は一帯の有力者とみられるほかり(穂苅?)一族の一つと想像される。

ちなみにこちら、坂口安吾ライスカレー100人前事件で有名。
それぐらい歴史がある。

意外に広い店内は、ホールにテーブル6卓、右側の異様に高さのある小上がりに3卓。
14時10分にしてお客さんは5組6人と多い。

“高座”
何の気なしに空いている席に座ったが、あとで眺めてみると、自分でテーブル席は全部埋まっていた。下手すると“高座”に上がらされていたわけで、けっこうヒヤヒヤもの。

何でもありな感じの食堂で、そういうお店でよく頼むカツカレーが食べたかったが、何度見ても見つからない。
すると、壁の張り紙に“ラーメン・半カレーセット”というものを発見。迷わずそちらに変更。
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注文後にメニュー表を見直すと、あっさりカツカレーが見つかった。これはレイアウト上、タブの設定に問題があるんですね。
結果的には見落としてよかったと思っている。

こちらは60前後? の男女が主に取り仕切っている。
と思ったら、厨房に小柄で背中の曲がった男性の姿がちらちら。この方が店主のほかり(穂苅?)さんと思われる。
しばらく見ていると、若手の2人は精力的に動き回ってはいるが、どうやら調理関係には関わっていない。
洗い物やテーブルの片づけがメインで、それが終わったとしても、たとえばカレーのごはんをよそうとか、そういうアシスト的な作業さえいっさいしないようなのだ。

配膳口のトレーに店主によってカレーとラーメンがセットされても、ほかの2人は厨房の奥で突っ立ったまま。
「え、セルフサービス?」と、中腰になるワタクシ。
すると店主がぐるっと回ってホールに出てきて、背中をぐいと伸ばして重そうなトレーを持ち上げる。
中腰から、一歩踏み出しそうになるワタクシ。
「お待たせしちゃってね」と、店主のおとうさんが運んできてくれる。

これは客一人一人に声をかけて料理を出すという、おとうさんのポリシーなんだと思った。
だから、多少危なっかしく見えても、周りは手出しをしない。

まずラーメンのスープをひと口、レンゲがないのでカレーのスプーンですする。
「うまー!」
続いてカレーをひと口。
「うまいなー…」

こんなしょっぱおいしいラーメンは高校の学食以来かも… と、たぶん違うスイッチが入っちゃってる(笑)。
とはいっても、懐かしいだけでなくカレーはけっこうスパイシーで案外辛かったりするので、オッ! となる。

お支払いに対応したのもおとうさん。
千円札を出してお釣りをもらう、そのやりとりだけでもホンワカと…。

[DATA]
ほかり食堂
東京都練馬区石神井町3-16-18
[Today's recommendation]

https://youtu.be/m0d4qNXnCFM



2018.04.14 名物焼だんご 池田屋(閉店)/東京都練馬区石神井台1-15-3

三宝寺門前のおだんご屋さん。
こちらは創業1902(明治35)年と。
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焼だんご1本100円(×3)
