再開発特需の定食屋 【だるまや】
2017.03.18
妻が国分寺のリサイクルショップに行くというので自転車で同行。
昼ご飯に妻は「フジランチ」をまず候補に挙げたが、二日酔いの僕は揚げ物はきつい、量も多いという理由で却下。それでいろいろあって「だるまや」になった。
揚げ物きつい、量問題… はどこいった?
しかも頼んだのがトンカツ定食と若鳥の唐揚げ定食って、この人たちは何をやっておるのだろう。

この店は女性だけで運用されているようだ。厨房におばちゃん2人、ホールにアルバイト風おねえさん。
8人テーブルに男子学生風8人、なぜか全員コカ・コーラ レギュラー瓶を飲んでいる。150円とサービス価格だ。いまどきの若者がレトロ感を演出してる。内装も相当年季が入っている。

出てきたお盆を見てわれに返った。
トンカツが分厚い、ご飯が多い、唐揚げが数えきれない。ついでにみそ汁が具だくさん。大根、にんじん、油揚げ、ワカメ。僕は確認できなかったが、サツマイモも入ってる、と妻。
いつものように、まずわしの茶わんに自分のご飯を移すかーちゃん。半分ぐらいはくれたから、僕の茶わんはものすごいことになった。家で食べる1食分の3倍はある。唐揚げも3~4個くれる。

これは休んだらアウトだ、と気合を入れて急ピッチで食べ進めた。ご飯がやわい。トンカツの衣が異様に厚い。カリカリの下のしっとり部分が分厚い。腹にずっしりくる。
もうすぐフィニッシュというところで箸が止まる。キャベツがのどを通らない。いつもはそんなにかけないソースをダバダバにしてなんとか口に押し込む。

妻の様子を見て愕然とする。ご飯が減ってない。っていうか、わしの茶わんに半分よこしたところから事態が進展しているようには見えない。
「全然食べてないじゃん」
「食べてるよ!」
焦りからいらだつ2人。
12時近くになって店は混んできていた。はじめ学生だけだった店内は、気がつけば肉体系に占領されていた。
そうなのだ。ここは北口再開発の大事業の現場と目と鼻の先。「土方さんは鼻が利く」とかーちゃんはよく言う。うまい・安い・多いのこういう店を肉体系は見逃さない。以前、日本橋の中華屋で同じような状況に遭遇した。あれは高島屋裏の再開発工事だった。

この先、バイトちゃんには荷が重く、おばちゃん1人ホールに出動してきて交通整理を始めた。どんどん詰めさせて相席させていく。これが徹底している。1席たりとも空きを許さない勢いだ。
われわれの狭い4人掛けテーブルにも当局の手が及ぼうとしていた。
かーちゃんの状況は一向に好転しない。唐揚げ5~6個残っている。わしはもういっぱいいっぱいだ。
隣の4人テーブルの2人組に強制執行がかけられた。
僕は観念しておばちゃんを呼び止めた。
「ラップもらえますか?」

唐揚げ5個お持ち帰り。食べ残しを持ち帰るのは初めてだが、せっかく作ってもらったものを残すわけにはいかない。
僕らと入れ違いに、後から後からお客さんが入っていく。いままさに特需が起きている現場なのであった。
唐揚げは晩ご飯に食べた。冷めてもおいしかった。

[DATA]
だるまや
東京都国分寺市本町2-9-8

https://www.youtube.com/watch?v=2OadepLbsqc
妻が国分寺のリサイクルショップに行くというので自転車で同行。
昼ご飯に妻は「フジランチ」をまず候補に挙げたが、二日酔いの僕は揚げ物はきつい、量も多いという理由で却下。それでいろいろあって「だるまや」になった。
揚げ物きつい、量問題… はどこいった?
しかも頼んだのがトンカツ定食と若鳥の唐揚げ定食って、この人たちは何をやっておるのだろう。

この店は女性だけで運用されているようだ。厨房におばちゃん2人、ホールにアルバイト風おねえさん。
8人テーブルに男子学生風8人、なぜか全員コカ・コーラ レギュラー瓶を飲んでいる。150円とサービス価格だ。いまどきの若者がレトロ感を演出してる。内装も相当年季が入っている。

出てきたお盆を見てわれに返った。
トンカツが分厚い、ご飯が多い、唐揚げが数えきれない。ついでにみそ汁が具だくさん。大根、にんじん、油揚げ、ワカメ。僕は確認できなかったが、サツマイモも入ってる、と妻。
いつものように、まずわしの茶わんに自分のご飯を移すかーちゃん。半分ぐらいはくれたから、僕の茶わんはものすごいことになった。家で食べる1食分の3倍はある。唐揚げも3~4個くれる。

これは休んだらアウトだ、と気合を入れて急ピッチで食べ進めた。ご飯がやわい。トンカツの衣が異様に厚い。カリカリの下のしっとり部分が分厚い。腹にずっしりくる。
もうすぐフィニッシュというところで箸が止まる。キャベツがのどを通らない。いつもはそんなにかけないソースをダバダバにしてなんとか口に押し込む。

妻の様子を見て愕然とする。ご飯が減ってない。っていうか、わしの茶わんに半分よこしたところから事態が進展しているようには見えない。
「全然食べてないじゃん」
「食べてるよ!」
焦りからいらだつ2人。
12時近くになって店は混んできていた。はじめ学生だけだった店内は、気がつけば肉体系に占領されていた。
そうなのだ。ここは北口再開発の大事業の現場と目と鼻の先。「土方さんは鼻が利く」とかーちゃんはよく言う。うまい・安い・多いのこういう店を肉体系は見逃さない。以前、日本橋の中華屋で同じような状況に遭遇した。あれは高島屋裏の再開発工事だった。

この先、バイトちゃんには荷が重く、おばちゃん1人ホールに出動してきて交通整理を始めた。どんどん詰めさせて相席させていく。これが徹底している。1席たりとも空きを許さない勢いだ。
われわれの狭い4人掛けテーブルにも当局の手が及ぼうとしていた。
かーちゃんの状況は一向に好転しない。唐揚げ5~6個残っている。わしはもういっぱいいっぱいだ。
隣の4人テーブルの2人組に強制執行がかけられた。
僕は観念しておばちゃんを呼び止めた。
「ラップもらえますか?」

唐揚げ5個お持ち帰り。食べ残しを持ち帰るのは初めてだが、せっかく作ってもらったものを残すわけにはいかない。
僕らと入れ違いに、後から後からお客さんが入っていく。いままさに特需が起きている現場なのであった。
唐揚げは晩ご飯に食べた。冷めてもおいしかった。

[DATA]
だるまや
東京都国分寺市本町2-9-8

https://www.youtube.com/watch?v=2OadepLbsqc