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天ぷらドーンと8点盛り 【扇屋】

2017.08.03

 西武線の久米川駅と八坂駅を結ぶ一方通行の通り。えーと、モザイクだかウィングだか、といつまでたっても覚えられないが、調べてみると商店街は3つに分かれていて、久米川側からモザーク通り商店街、ウィング通り商店街、ショッピングプロムナード八坂となるらしい。

その“プロムナード”部分はけっこう活性化されていて、オシャレなカフェやダイニングバー、パン工房などが並ぶ。それも比較的最近の動きで、気がついたらそうなっていたという感じ。
そんななか、生き残ったのか、それとも取り残されたと言うべきか、という昭和のたたずまいを見せるのが、天ぷら・定食の「扇屋」。


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この店は店頭で天ぷらを販売しており、そのコーナーのほうが目立つから、しばらく僕は総菜屋と認識していた。
あるとき奥に飲食スペースがあるらしいことに気づいた。そこが秘密の小部屋のように映ったのは、入り口の間口の半分を自動販売機が遮り、使用可能な片方の引き戸が隠し扉の性格を帯びていたからだ。
なじみでもない限りその戸を開けようとは思わない。
こういうのが僕は大好きだ。


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そのように僕にとってはディープそのものの存在だが、地元密着度は高い。いつもお客さんが入っているし、夜に貸し切りになっていることもある。
思うに、お店の奥さんの社交性が繁盛の秘訣じゃないだろうか。よく近所のおばちゃん連中と世間話をしていたりする。


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お店に入ると先客はカウンター席の両端に2人。
と思ったら左端は店主。この人はよくこのへんに座っている。


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なので僕は真ん中に座り、盛り合わせ天ぷら定食800円を頼む。
でもさすがに気になるんだが、客(わし)が1つ置いて横に座っても店主は席を立つ気配がない。なぜかこっちが気を使ってしまう。


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それはそれとして、僕の注文は天ぷらである。この店はフライまでは奥さんに任せても、天ぷらだけは店主のおっちゃんが揚げていたはずだ。
調理担当を全面的に奥さんに移管して、店主は緩やかに引退の道を探るということだろうか…。
厨房では奥さんが手際よく天ぷらを揚げ、娘さん? がご飯、みそ汁などの用意をしている。おっちゃんはずっと座ったまま。


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盛り合わせ天ぷらは、エビ、イカ、キス、アジ、なす、人参、ピーマン、大葉の8品。それで800円という信じがたい価格設定だ。
カラッと揚がっているが、専門店のようではなく家庭の延長に近い。でも僕は天ぷらはこういうのでもいいと思っている。天つゆにどっぷり浸せばご飯が進む。本当はビールがほしいところではあるが。


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娘さん? の存在とか、このところ運営に変化が見られる。それが全体的にいい方向を向いているように感じられる。
そのあたりをそっと見守りたい。そう思わせるお店である。


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[DATA]
扇屋
東京都東村山市栄町3-15-21





[Today's recommendation]


https://youtu.be/cDakhsaPTE0



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