穴子重と人生講座 【二葉鮨】

2017.07.23

 西武池袋線東久留米駅西口。富士山に向かって右手、ロータリーを外れて線路沿いの道を踏切方向に進み、234号前沢保谷線にぶつかる手前に「二葉鮨」はある。
駅に近いがちょっとわかりづらい。234号から見たら「天芯らーめん」の裏手になる。

こちらは1977(昭和52)年9月8日開店、今年で創業40年の老舗だ。
そのへんも含め僕はこの店のことはちょっと詳しいんだが、なぜかというと、話し好きの大将が今日、全部教えてくれたからだ。にわか仕込み(笑)。


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カウンター7席の小さいお店で、店内は明るく清潔感が漂う。
ランチサービスは、にぎり800円、ちらし800円、穴子重900円、まぐろ重1000円の4種。ここを通るたびにランチの穴子重というものが気になってしょうがなかったんだが、今日ようやく訪れることができた。
ただし、妻に先に「穴子重!」と言われてしまったので、僕はにぎりにした。


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大将は苦労人だ。
東京江東区生まれ。東京大空襲でご両親を亡くし、親戚筋の関係から茨城の魚屋で働き始める。その後、世田谷のすし屋、銀座のすし屋を経て下赤塚の「二葉鮨」へ。親方が蓄えをつくってくれていて、30を過ぎて独立を勧められたという。
「1500万用意してくれ、この店も見つけてくれた。自分の子どもにだってできることじゃない」


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にぎりはまず、マグロ赤身、イカ、中トロ、コハダの4貫。ネタは新鮮、仕事が丁寧。シャリの握りは軽く口の中でほろっと崩れる。分厚いイカは縦横に飾り包丁が入る。コハダの締め加減はややきつめ。
続いてエビと玉子。玉子は逆さまでの提供。
「うちの玉子は大きいから重くてシャリが崩れちゃうんです」と大将。「お客さんがぽろぽろこぼしてるのを見て、私がこういうふうに工夫したの」
その玉子がほどよい甘さでしみじみおいしい。
最後はキュウリ、ゴマ、大葉の裏巻き。


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穴子は小ぶりのものが2尾。2尾ものって900円である。これはお得だ。
穴子の鮮度がいいから身のはりがよく、かつフワッと炊き上げられている。ツメは甘めで、大葉とすし飯が味を引き締める。下に敷かれた切りゴマがいいアクセントとなっている。


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「若いころ遊んだ人は年とって苦労する。私は若いころ働くしかなかったから、いまも働くことしかできない。年中無休、1人で好きなようにやってるんです」
そんな大将の唯一の息抜きが野球。長年少年野球の指導者を務め、店の壁には野球関係の写真や表彰状がびっしり。いまは監督も引退したが、孫に野球を教えるのが楽しみという。

ほかにもいろいろ教えてもらったが、特に貝のさばき方はとても勉強になった。貝むきはホタテ用、カキ用、アカガイ用とすべて形状が違う。生きたサザエの身の抜き方は、すぐにでも実践してみたい。

なんだかフラッと入って楽しい時間を過ごさせてもらった。
また寄らせてもらいます。


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[DATA]
二葉鮨
東京都東久留米市本町1-1-27



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