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天丼の絶妙な箸休め 【小諸】

2017.05.08

 引き戸を開けるとカウンターの右端でお店のお母さんがご飯を食べていた。一瞬、躊躇したが、「どうぞどうぞ」と勧められるままにカウンターの左端に座る。お茶を入れようとするから思わず「ゆっくり食べてください」と言いそうになるが、そういうわけにもいかんわな。
最近こういう間が悪いのが多い。まだ1時15分なんだが…。
天丼700円を注文。


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カウンターの中では板さんがナスを切ったりみそ汁を温めたりと天丼の準備を始める。僕のところからは見えない左奥に揚げ場があって、別の板さんが動いている気配が伝わってくる。お母さんがお茶をつぎ足してくれる。
3人がかりで世話を焼かれているという気恥ずかしさ…。やっぱり間が悪い。
前に来たときはご夫婦と跡取り息子(天ぷら担当)と思ったのだが、目の前の板さん、年齢不詳でけっこう若そうにも見える。母親と息子2人という構成かもしれない。

お母さんがスポーツ新聞を勧める。新聞でも読んでいてもらえれば少しは落ち着いてご飯を食べられるという意図と察知し、普段読むことのないスポーツ紙を読むふりをする。右の板さんも柱の陰でご飯食べてる。
そういえば今日は新聞休刊日だ。…ってオレ、mini toto-B当たってんじゃね? ありがとう、モンテディオ山形!


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天丼はふた付き重箱で登場。お椀もふた付き。
お椀のふたを開けるのにちょっと手間取ったらお母さんが教えてくれる。
「こうやってギュッと」
「こう、ギュッとですよね?」

以前ここの天丼を食べたとき、天ぷら自体はおいしいが天丼としてはどうなんだろう? と考えてしまった。衣が薄く上品な仕上がりだった。そもそも丼物は上品な食べ物ではないし、天丼の天ぷらは衣ぼってりめ、つゆどっぷりめのほうが親しみがもてる。
本日の天ぷらは、ぼってりではないが薄すぎもせずちょうどよい感じ。


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700円でエビ3本はうれしい。ほかにナスとピーマン。ごま油が香り、甘さ抑え目のつゆとも相まって食が進む。
ワカメのみそ汁はだしが濃く味わい深い。
そして大根ときゅうりのぬか漬けがおいしい。それもそのはずで、丸のままの漬物からいま切り出したものだ。天ぷらの箸休めとしてのぬか漬けの効能は『美味しんぼ』にも取り上げられているほどだが、先日の葉月といい、その相性のよさを実感させられる。
お母さんが3度目のお茶つぎ。

食べ終えて帰り支度をしていると、お母さんがティッシュボックスを差し出してくれる。顔に飯粒でも付いてたんだろうか? オレのことだからやりかねないな…。
最後まで世話を焼かれっ放しのおっさんなのだった。


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[DATA]
小諸
東京都小平市学園西町2-28-4


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