看板が伝える街そばの魅力 【玉川そば店】

2018.03.03

 昔、どこの商店街にも必ず1軒はあったそば屋がそのまま生き残ったようないわゆる“街そば”は、そば自体にそれほど重きを置いているわけではない、ような気がする。
少なくとも、産地や品種、収穫時期、保存方法、挽き方、水… とこだわる蕎麦職人のごとき“蕎麦道”を追究するような方向性は、絶対ない。

品書きを見ると、そば・うどんにとどまらず、各種定食や丼物、カレー、中華… と展開するのは当たり前。
高度成長期、街のそば屋は大衆食堂という位置づけでファミリー層を主体にさまざまなニーズに多品種・小ロットで対応していた。
いま、この世界は一品追究型がポイント高い傾向にあるが、街そばの多種多様、一見節操のないメニュー構成はそういう存在理由のなごりであり、大いに尊重すべき食堂文化なんだと思う。


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小平市小川西町「戸隠そば」、東久留米市幸町「福幸軒」 、西東京市柳沢「辰巳庵」

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小平市たかの台「新月」、東村山市青葉町「滝乃家」、東村山市萩山町「しなの」


そういう街そば、看板や品書きで非そば・うどんをストレートに訴求する、あっけらかんなケースをときどき見かけ、それはそれで妙に刷り込まれていたりする。
そんななか、看板に「そば」「うどん」と並んで「洋食」と、三本柱のように表示してあるおそば屋さんが、東久留米南沢の「味の玉川」。


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本日はこのもっと先に用事があって12時前に自転車で出たんだが、途中ガス欠(ハラ減った)。
補給ステーション的に「玉川」に立ち寄る。


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このお店はいつも店頭に“本日のおすすめセット”の看板が出ている。それをそのまま書き写すと…

岩手産とりのてり焼・大根の煮物・かぼちゃの煮物・蒸しどりともやしのピリカラあえ・ライス・みそ汁・おしんこ(出前もいたします)756円(税込)

ホワイトボードに10行にわたって書き込まれたこれ全部で1セット。
ハラ減らしには入店前にして逆上必至のお出迎えである。


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店内は左にテーブル席4卓、右が小上がりで座卓4つ。ちょっと微妙な埋まり方をしているので、いちばん落ち着きそうな右奥の席に上がらせてもらう。


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相方に早々に「おすすめセット」と宣言されてしまい、僕はちょっと迷う。
いや、メニューがものすごく多く、ちょっとどころじゃなく迷う。
迷ったのにはほかにも理由があって、以前ここで2人で定食を食べたとき、あまりのボリュームにギブアップ寸前になった。その教訓を踏まえ、また、そば屋というところに敬意を表し一度はそばを食べておきたい、と2人分のバランスに苦慮する。
で、僕が選んだのが、きのこづくしそば864円。


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こちらは厨房に店主ご夫婦? とホール係のおばちゃんの3人体制。
おばちゃんたちの接客は非常にていねい。客に応じた声かけをしていて、分け隔てのない感じを受ける。プロ意識が高そう。


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おすすめセットは迫力満点。メインの皿は長径30cmはありそう。
てり焼きはご飯が進む甘辛味。同じ鶏でもあえ物は酸っぱ辛くさっぱり系。
大根の煮物とは切り干しのことのようだ。かぼちゃで腹が膨れる(笑)。
この店は漬物がおいしい。以前入ったときに付いた自家製千枚漬けは絶品で、お土産に買って帰るお客さんもいたほど。


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きのこづくしは、予想外のあんかけタイプ。
きのこは、干しシイタケ、ナメコ、ヒラタケ、ブナシメジ、エノキの5種。ほかに豆腐がたっぷり入り、ミツバがのる。
そばは白い更科系で、量はかなり多い。
途中、シイタケやナメコの香りが移って、つゆがどんどんおいしくなっていく。

ちなみに
〇マツタケずくめ ×マツタケづくし
×きのこずくめ 〇きのこづくし
という案件に関しては、こちらの記事がわかりやすい。


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この店は1回や2回来ただけじゃ、真価はわからないと思う。ビーフシチューセットやハンバーグカレー、クリームコロッケセットと、やはりウリの洋食メニューには引かれるものがある。洋風焼うどんって、うどんナポリタンみたいなものだろうか?
出前用のお品書きをもらってきたので、今度はもっと綿密に作戦を練って挑もうと思う。

おなかを満たしたところで、本日の目的地・西武柳沢に向かう。  (つづく)


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[DATA]
玉川そば店
東京都東久留米市南沢5-3-10



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