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喫茶店で丼物を食す 【ドルフィン】

2017.04.18

 田無警察署の北側の裏道、昼定食ののぼりが目を引く喫茶店。店頭の料理写真には「焼肉」「マグロメンチ」「豚キムチ」など、喫茶店とは思えないがっつり系を予感させる用語が並ぶ。
1980年代、学生にとって喫茶店は主要な昼食補給地だった。そのころ学生だったおじさんはこういうミスマッチな訴えかけに弱い。いろいろ不安要素はあるが、いくつかの条件が重なるとフラフラと入ってしまう。


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入り口すぐが前室のように仕切られていて4人掛け丸テーブル、その奥の一段高いところにメインフロアとバーカウンターというつくり。テーブルは3卓で、うち一つが懐かしのテレビゲーム卓。全体にかなり昔の喫茶店の姿が残っている。
「むむっ」と思ったのは、意外に狭いのと、けっこう暗いのと、すごく煙いのと…。不安要素の一つが当たり、誰もタバコを吸っていないにもかかわらずものすごく煙ってる。あとで知るのだが、いまタバコを吸っていない先客2人がかなりのヘビースモーカーだ。


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ちょっと迷ったがビビンバカルビ丼650円に。
カウンターの中に初老のマスター、外に同年配の女性スタッフ。このマスターは、喫茶店のマスターというよりすし屋の大将のような面持ちだ。無口、というか無言。おばさんのオーダーの伝達や料理の受け渡しにも、一声も発しない。いよいよ(昔の)頑固なすし屋みたいだ。
おばさんは普通に愛想がいい。


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ビビンバカルビ丼は壁の写真とは違って重箱での提供。あとで写真をみると店先の掲示ではビビンバカルビ重となっている。そっちが正しい。
ご飯の量はやや多め、半面に大豆モヤシ・ゼンマイ・ニンジンのナムル、その上全面に薄切りカルビ焼き肉がかぶせられ、刻み海苔、ワケギがぱらぱら。豆腐のみそ汁と野沢菜漬けが付く。ビビンバって… まあ、ビビンバか。
ほか弁メニューとかにありそうな感じだが、味のほうも、見た目や予想の範囲を出ない。喫茶店メシとしたらずいぶん満足度というか満腹度は高い。


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僕のあとに客はないのに大将は奥の調理室で何か作ってる。しばらくしてカウンターにでっかい皿を置いて自分で食べ始めた。ミートソーススパゲティのようなものやハンバーグのようなものを食べてる。おばさんも飲み物とお茶請けをもって隣に座り、一緒にテレビを見始める。なんかほのぼのしてる。


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先の2人が支払いに立った。
「せっかく来てもらったのにごめんねー」と爽やかな男性の声。「このところ忙しくてさー」
あまりの爽やかトーンに最初誰がしゃべってるのかわからなかったが、大将なのであった。
無言の大将が小粋なおしゃべり好きのマスターに早変わりした。この人はどういう人なんだろう、と急に興味をひかれた。
まあ、ほかに僕しかいなかったし忙しいわけでもないんだから、今の今まで常連を無視してるというのもなぁ…。
実際、僕の会計のときにはカラータイマーが切れてまた無言の大将に戻ってしまっていたし。

ところで、支払いのとき背後からのぞき見たマスターのまかない、『カリオストロの城』の例のアレによく似た魅惑のビジュアルだ。メニュー表にはないようだが、頼めば作ってくれるんだろうか?


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[DATA]
ドルフィン
東京都西東京市田無町5-12-15


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