ゆるゆる、演歌な、本格手打ちそば 【おざき】
2018.03.02
東大和のけやき通り(野火止用水以南は小平都市計画道路3・4・23号線という)の小平第十二小学校より南の区間、すなわち玉川上水に橋(百石橋)を架けて「グルメシティ立川若葉店」前までの間が開通したのが、ちょうど2年前のこと(2016.3.22開通式)。
と、わかる人にしかわからない説明で恐縮であるが…。
道路の愛称は行政区画によって変わったりするからややこしい。
参考までにこの道の開通区間は、北から、やまもも通り~けやき通り~小平都市計画道路3・4・23号線~若葉東通り、となる。
場所を説明するのに非常に不便なので、早急に統一されることを望む。

2年前まで2つ先の青信号のあたりで行き止まりだった
で、この通りの南側(若葉東通り部分)で以前から営業しているそば屋「おざき」は、どん詰まり感がなくなって入りにくそうな印象が薄らいだように感じるのは、自分だけだろうか。
若葉町団地に囲まれるような場所にあって、隣にはほぼ廃墟と化したショッピングセンター。
手打ちをうたっているわりに気取りのない店構えにもかかわらずバリアとなっているのは、それとなく身にまとう、どん詰まり感または団地特有の停滞感。
道が開通したことで風通しがよくなったように感じるのだ。

3階建てのビルの1階。屋上には日の丸が翻る。
入り口の左に表に面した麺打ち場があって、本格手打ちを印象づける。
ちなみにビル名は「おざきビル」、隣のSCは「オザキショッピングセンター」なので、おそば屋さんは一帯の大地主またはその一族かもしれない。
奥行きのある店内、通路を挟んで右列が2人掛け、左列が4人掛けテーブル、各4卓。
正面奥が厨房で、その周りに店員さんが“たむろ”。おばちゃん、3人もいる。
ほかに厨房内に店主ともう1人いるように見えるので、現状のバランスは客1人に店員5人。

いちばん年かさに見えるおかあさんがお茶を運んできてくれる。
お茶はそば茶。
思っていたよりお手ごろ価格の十割そば天もり1000円というものを見つけ、迷わず注文。

店内には尋常小学校の国語読本などとともに『傘寿記念 越し方80年』という店主名の回顧録風上製本が展示されている。去年の日付なので、ご主人、そういう立派な年齢のようだ。
BGMは、五木ひろし(たぶん)。
思っていたよりお手ごろ価格の天もりは、思っていたよりボリュームがある。
天ぷらは、海老、ちくわ、ゴボウ、ナス、ピーマン。
十割そばは、太さ不均一ながら全体に細め、暗灰色で星が散る。ちょっと水切りが甘いが、風味豊かでコシは強め。
つゆは節系の香りがよく、熟成されたかえしのバランスはやや甘め。
薬味とともにすだち果汁が付いてきた。
そばにはどうかと思うので、天ぷらに使ってみる。すだち汁をかけてからそばつゆにくぐらせて食べる海老天、けっこういける。ちくわ天もいい。
とやっていたら、最後そば湯割りがかなり酸っぱくなってしまった。

便宜上、僕はそば屋部門で“街そば”と“ジャズそば”という分け方をすることがある。前者は、まあそば粉30%の機械製麺という感じの普通の街のそば屋、後者は二八や十割の本格手打ちで、BGMのJazz率が高いからそう呼ぶ。
この店は、“本格演歌”のかかる“本格手打ち”という、ちょっと珍しいタイプかも。

接客や雰囲気は街そばそのもので、そばは本格手打ち。
個人的好みでいえば、これはイイとこ取り。
ゆるゆるの雰囲気でおいしいそばがいただける。

よくわからないけど、おばちゃんたちに温かく見守られてる感が、いい。
帰り際、「またいらしてくださいね」とおかあさん。
ぜひまた来ようと思うのである。

[DATA]
おざき
東京都立川市若葉町3-54-5
[Today's recommendation]

https://youtu.be/FE7lgCGQ48I


東大和のけやき通り(野火止用水以南は小平都市計画道路3・4・23号線という)の小平第十二小学校より南の区間、すなわち玉川上水に橋(百石橋)を架けて「グルメシティ立川若葉店」前までの間が開通したのが、ちょうど2年前のこと(2016.3.22開通式)。
と、わかる人にしかわからない説明で恐縮であるが…。
道路の愛称は行政区画によって変わったりするからややこしい。
参考までにこの道の開通区間は、北から、やまもも通り~けやき通り~小平都市計画道路3・4・23号線~若葉東通り、となる。
場所を説明するのに非常に不便なので、早急に統一されることを望む。

2年前まで2つ先の青信号のあたりで行き止まりだった
で、この通りの南側(若葉東通り部分)で以前から営業しているそば屋「おざき」は、どん詰まり感がなくなって入りにくそうな印象が薄らいだように感じるのは、自分だけだろうか。
若葉町団地に囲まれるような場所にあって、隣にはほぼ廃墟と化したショッピングセンター。
![]() | ![]() |
手打ちをうたっているわりに気取りのない店構えにもかかわらずバリアとなっているのは、それとなく身にまとう、どん詰まり感または団地特有の停滞感。
道が開通したことで風通しがよくなったように感じるのだ。

3階建てのビルの1階。屋上には日の丸が翻る。
入り口の左に表に面した麺打ち場があって、本格手打ちを印象づける。
ちなみにビル名は「おざきビル」、隣のSCは「オザキショッピングセンター」なので、おそば屋さんは一帯の大地主またはその一族かもしれない。
![]() | ![]() |
奥行きのある店内、通路を挟んで右列が2人掛け、左列が4人掛けテーブル、各4卓。
正面奥が厨房で、その周りに店員さんが“たむろ”。おばちゃん、3人もいる。
ほかに厨房内に店主ともう1人いるように見えるので、現状のバランスは客1人に店員5人。

いちばん年かさに見えるおかあさんがお茶を運んできてくれる。
お茶はそば茶。
思っていたよりお手ごろ価格の十割そば天もり1000円というものを見つけ、迷わず注文。

店内には尋常小学校の国語読本などとともに『傘寿記念 越し方80年』という店主名の回顧録風上製本が展示されている。去年の日付なので、ご主人、そういう立派な年齢のようだ。
BGMは、五木ひろし(たぶん)。
![]() | ![]() |
思っていたよりお手ごろ価格の天もりは、思っていたよりボリュームがある。
天ぷらは、海老、ちくわ、ゴボウ、ナス、ピーマン。
![]() | ![]() |
十割そばは、太さ不均一ながら全体に細め、暗灰色で星が散る。ちょっと水切りが甘いが、風味豊かでコシは強め。
つゆは節系の香りがよく、熟成されたかえしのバランスはやや甘め。
![]() | ![]() |
薬味とともにすだち果汁が付いてきた。
そばにはどうかと思うので、天ぷらに使ってみる。すだち汁をかけてからそばつゆにくぐらせて食べる海老天、けっこういける。ちくわ天もいい。
とやっていたら、最後そば湯割りがかなり酸っぱくなってしまった。

便宜上、僕はそば屋部門で“街そば”と“ジャズそば”という分け方をすることがある。前者は、まあそば粉30%の機械製麺という感じの普通の街のそば屋、後者は二八や十割の本格手打ちで、BGMのJazz率が高いからそう呼ぶ。
この店は、“本格演歌”のかかる“本格手打ち”という、ちょっと珍しいタイプかも。

接客や雰囲気は街そばそのもので、そばは本格手打ち。
個人的好みでいえば、これはイイとこ取り。
ゆるゆるの雰囲気でおいしいそばがいただける。

よくわからないけど、おばちゃんたちに温かく見守られてる感が、いい。
帰り際、「またいらしてくださいね」とおかあさん。
ぜひまた来ようと思うのである。

[DATA]
おざき
東京都立川市若葉町3-54-5
[Today's recommendation]

https://youtu.be/FE7lgCGQ48I

