レトロ喫茶店でB級グルメ 【アベル】
2018.02.23
久米川北口商店街はシャッターが目立ち活気があるとはとても言えないが、個人的には好きなたべもの屋が多い。
なので、飲み屋を除けばだいたいのお店は使ったことがあるが(というか、だいたいが飲み屋なのでそれを除くとかなり数が絞られるんだが)、ずっと気になりつつも入っていなかった店が1軒。喫茶店「アベル」。

気になる理由は、昭和の喫茶店そのものの外観にほかならない。長屋の隣にある名糖牛乳の販売所遺構ともども保存状態の良好なレトロ物件といえる。
ちなみに「名糖」は1991年にカタカナ表記「メイトー」へ転換、写真のクラウン牛乳のロゴマークは1960年代に作られたもののようだ。

喫茶店を使う習慣がいまの自分にはない。ゆっくりお茶をする心の余裕がない。
しかし食事ができるとなると話は別で、喫茶店というハコ自体は大好きなので、軽食くらいでも出すとなれば喜んで入る。
こちらの店頭にはチーズドッグの張り紙がしてある。一応軽食ではあるが、それではさすがに軽すぎるのだ。

去年の秋、東村山のB級ご当地グルメ、黒焼きそばについて調べていたとき、すでに終了していたその年の食べ歩きキャンペーン参加店のマップをながめていて、アベルの名前を見つけた。
なるほど、こういう展開があったか… と。
以来、より注意深くお店を観察するようになり、まったく目立たないショーケースに焼きそばと焼きうどんの写真を発見したのである。
昼ごはんに入ってみる条件は整ったようで、あとは機が熟すのを待つのみという状態であった。

しかしこちら、日曜定休のようでなかなか機が熟すことがない。
本日、相方が久米川に所用で会社を早引けするというので、いよいよ、という感じで潜入。

13時20分すぎの入店でお客さんはなく、奥のテーブルに店主らしいお母さんがひとりでティーブレイクのもよう。
テーブル席が3卓あり、寒いのでいちばん奥を使わせてもらいたかったが、店主さんは立ち上がって接客態勢に入ったもののテーブルのカップを片づけようとしないので、あまり内部深くに進入してはいけないのかもしれない、と入り口横の席に座る。

で、いきなり「食事はやってないのよ」と言われる。
僕らのすぐ横のコカ・コーラ冷蔵庫の裏に黒焼そばのポスター。
「これは?」と聞いてみる。
「ああ、こんなのでいいの?」と店主さん。

「普通の焼きそばもありますよね?」
「うん、ソースの焼きそば」
「両方1つずつっていうのは…」と言いかけて店主さんの反応を見て、「あ、めんどくさいですよねー。黒焼そば2つお願いします!」
ニコーっという表情に、あ、これはNoだな、と断念したのだった。
テーブル席のほかにカウンター5席。
壁には風景写真がたくさん飾ってある。
カウンターのレトロなコーヒーミルやサイフォンがいい感じ。
調理場にはメイトーのドリンク冷蔵庫… ん?
その件は写真を見ながらこれを書いていて気がついた。
それに上記ポールスタアのホームページを見直してみると、こちらの店名は「ミルクショップ アベル」となっている。
つまりこちら、隣の牛乳店を母体とするミルクホールのような存在だったのではないかと想像を膨らませているところである。

黒焼そばは、冷蔵庫からキャベツその他を取り出して刻むところから始まる。そんなに注文が入ることもないだろうから、「ご家庭の冷蔵庫のようなものじゃないかな」と相方。
僕らの位置からカウンターの中は見えないが、いちばん奥に設置してある鉄板で調理している様子。けっこうじっくり炒める。

意外に具だくさんで、豚肉、キャベツ、モヤシ、ピーマン、シイタケ入り。あらかじめ紅ショウガがのってくる。
このようなお店はレトロな雰囲気を楽しむことを主目的として料理は二の次になりがちだが、この黒焼そばはかなりおいしい。闇夜にカラス状態でまったく目立たないが案外たくさん入っているシイタケが、黒子的にいいシゴトってとこかな。

東村山黒焼そばというものに興味のある方には強くお勧めしたいお店。
550円とコスパ抜群で、雰囲気最高。
量的に多いわけではないので、物足りなそうと思われるなら、チーズドッグセット540円と合わせるのもいい。

[DATA]
アベル
東京都東村山市栄町1-9-9
[Today's recommendation]

https://youtu.be/7ih7T1_uY7k


久米川北口商店街はシャッターが目立ち活気があるとはとても言えないが、個人的には好きなたべもの屋が多い。
なので、飲み屋を除けばだいたいのお店は使ったことがあるが(というか、だいたいが飲み屋なのでそれを除くとかなり数が絞られるんだが)、ずっと気になりつつも入っていなかった店が1軒。喫茶店「アベル」。

気になる理由は、昭和の喫茶店そのものの外観にほかならない。長屋の隣にある名糖牛乳の販売所遺構ともども保存状態の良好なレトロ物件といえる。
ちなみに「名糖」は1991年にカタカナ表記「メイトー」へ転換、写真のクラウン牛乳のロゴマークは1960年代に作られたもののようだ。

喫茶店を使う習慣がいまの自分にはない。ゆっくりお茶をする心の余裕がない。
しかし食事ができるとなると話は別で、喫茶店というハコ自体は大好きなので、軽食くらいでも出すとなれば喜んで入る。
こちらの店頭にはチーズドッグの張り紙がしてある。一応軽食ではあるが、それではさすがに軽すぎるのだ。

去年の秋、東村山のB級ご当地グルメ、黒焼きそばについて調べていたとき、すでに終了していたその年の食べ歩きキャンペーン参加店のマップをながめていて、アベルの名前を見つけた。
なるほど、こういう展開があったか… と。
以来、より注意深くお店を観察するようになり、まったく目立たないショーケースに焼きそばと焼きうどんの写真を発見したのである。
昼ごはんに入ってみる条件は整ったようで、あとは機が熟すのを待つのみという状態であった。

しかしこちら、日曜定休のようでなかなか機が熟すことがない。
本日、相方が久米川に所用で会社を早引けするというので、いよいよ、という感じで潜入。

13時20分すぎの入店でお客さんはなく、奥のテーブルに店主らしいお母さんがひとりでティーブレイクのもよう。
テーブル席が3卓あり、寒いのでいちばん奥を使わせてもらいたかったが、店主さんは立ち上がって接客態勢に入ったもののテーブルのカップを片づけようとしないので、あまり内部深くに進入してはいけないのかもしれない、と入り口横の席に座る。

で、いきなり「食事はやってないのよ」と言われる。
僕らのすぐ横のコカ・コーラ冷蔵庫の裏に黒焼そばのポスター。
「これは?」と聞いてみる。
「ああ、こんなのでいいの?」と店主さん。

「普通の焼きそばもありますよね?」
「うん、ソースの焼きそば」
「両方1つずつっていうのは…」と言いかけて店主さんの反応を見て、「あ、めんどくさいですよねー。黒焼そば2つお願いします!」
ニコーっという表情に、あ、これはNoだな、と断念したのだった。
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テーブル席のほかにカウンター5席。
壁には風景写真がたくさん飾ってある。
カウンターのレトロなコーヒーミルやサイフォンがいい感じ。
調理場にはメイトーのドリンク冷蔵庫… ん?
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その件は写真を見ながらこれを書いていて気がついた。
それに上記ポールスタアのホームページを見直してみると、こちらの店名は「ミルクショップ アベル」となっている。
つまりこちら、隣の牛乳店を母体とするミルクホールのような存在だったのではないかと想像を膨らませているところである。

黒焼そばは、冷蔵庫からキャベツその他を取り出して刻むところから始まる。そんなに注文が入ることもないだろうから、「ご家庭の冷蔵庫のようなものじゃないかな」と相方。
僕らの位置からカウンターの中は見えないが、いちばん奥に設置してある鉄板で調理している様子。けっこうじっくり炒める。

意外に具だくさんで、豚肉、キャベツ、モヤシ、ピーマン、シイタケ入り。あらかじめ紅ショウガがのってくる。
このようなお店はレトロな雰囲気を楽しむことを主目的として料理は二の次になりがちだが、この黒焼そばはかなりおいしい。闇夜にカラス状態でまったく目立たないが案外たくさん入っているシイタケが、黒子的にいいシゴトってとこかな。

東村山黒焼そばというものに興味のある方には強くお勧めしたいお店。
550円とコスパ抜群で、雰囲気最高。
量的に多いわけではないので、物足りなそうと思われるなら、チーズドッグセット540円と合わせるのもいい。

[DATA]
アベル
東京都東村山市栄町1-9-9
[Today's recommendation]

https://youtu.be/7ih7T1_uY7k

