入って初めて見える風景 【大平】
2018.02.19
東大和のけやき通りは人気ラーメン店が並ぶ。
けやき通りと聞いてピンとこなくとも、新青梅街道の「青葉 東大和店」から「狼煙屋」と「とんがら亭」の前を通って「大学ラーメン」に至る道といえば、北多摩在住のラーメン好きなら地図が思い浮かぶであろう。

その包囲網の真ん中らへんで踏みとどまっている中華料理店「大平」。
“踏みとどまっている”には、客が入っているとも思えないがどうやって成り立っているのか…? というニュアンスを含む。
大通り沿いで人目につくお店だが、入りにくいことこのうえない。

店の前でぐずぐずしていると、裏の駐車場のほうからやって来たおじさんがヒョイと入っていく。つられるように入店。1時前で客はその2人のみ。
いや、客がいないことには驚かないが、店内の様子が想像していたのとあまりに違っていて、それには相当驚かされた。

まず、そこそこ広い。4人掛けテーブル席が6卓、ゆったり配置されている。加えてカウンター6席。
それから、そこそこきれい。拭き掃除が行き届き、各席に毎日洗濯していそうなパリッとした敷物が据えてある。
そして、店員が多い。ホール係の女性のほか、厨房内は見えづらいが、どうやら3人いる。家族経営とすれば夫婦二世帯ということか。
つまり、“踏みとどまっている”どころか、“ちゃんとした”お店のようなのである。
しかしながら現時点で店員4人に対して客は2人。どうやって成り立っているのか、という疑問はまったく解消されていない… どころかむしろ深まった。
と思ったら、まもなく立て続けに単独客が3人入ってきた。いずれも常連のよう。
ここの道はよく通るが、これまで客が出入りする場面に出くわしたことが一度もなかっただけに、これはこれで驚きである。
そして、いよいよちゃんとしたお店らしく見えてきたのである。
セットメニューが充実している。
大平セット(ラーメン・ミニカルビ丼)850円に引かれる。でもこういうのは定期的に訪れる人のためのバリエーションだ、と考えてしまう。一期一会の人が中華屋でカルビ丼は違うんじゃないか、と。

しつこく店内を見回すうちに、しっくりくるメニューを発見。
「本日のサービス品:ラーメン・餃子・ライスセット790円」

お店に入りにくい理由として上位に来るのが、外から店内の様子をうかがえないこと。この店は典型的にそういうつくり。
しかし店内からは表の様子がよく見える。
そういうことはよくあって、自分のように思い切りが悪く店先でぐずぐずしているのは露骨にアヤシそうでやばいやばい… と毎回ひやひやさせられる。
向かいの上仲原公園の森が窓外にいい感じだ。
本日のサービス品は、ぱっと見、充実感がある。
ビジュアル的に貢献度が高いのが餃子。BMI 29… といった豊満さ。
食べても餡がみっちり、肉・野菜のバランスがよくおいしい餃子だ。

一方、ラーメンはいたって普通かな。

外見にはわからない、入ってみて初めて見える風景というのがある。
店内がお客さんでいっぱいだった時代が思い浮かぶように感じるのは、いつまたそうなってもいいように備えを怠らないからだと思う。

[DATA]
大平(たいへい)
東京都東大和市清原4-6-11
[Today's recommendation]

https://youtu.be/3eT464L1YRA


東大和のけやき通りは人気ラーメン店が並ぶ。
けやき通りと聞いてピンとこなくとも、新青梅街道の「青葉 東大和店」から「狼煙屋」と「とんがら亭」の前を通って「大学ラーメン」に至る道といえば、北多摩在住のラーメン好きなら地図が思い浮かぶであろう。

その包囲網の真ん中らへんで踏みとどまっている中華料理店「大平」。
“踏みとどまっている”には、客が入っているとも思えないがどうやって成り立っているのか…? というニュアンスを含む。
大通り沿いで人目につくお店だが、入りにくいことこのうえない。

店の前でぐずぐずしていると、裏の駐車場のほうからやって来たおじさんがヒョイと入っていく。つられるように入店。1時前で客はその2人のみ。
いや、客がいないことには驚かないが、店内の様子が想像していたのとあまりに違っていて、それには相当驚かされた。

まず、そこそこ広い。4人掛けテーブル席が6卓、ゆったり配置されている。加えてカウンター6席。
それから、そこそこきれい。拭き掃除が行き届き、各席に毎日洗濯していそうなパリッとした敷物が据えてある。
そして、店員が多い。ホール係の女性のほか、厨房内は見えづらいが、どうやら3人いる。家族経営とすれば夫婦二世帯ということか。
つまり、“踏みとどまっている”どころか、“ちゃんとした”お店のようなのである。
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しかしながら現時点で店員4人に対して客は2人。どうやって成り立っているのか、という疑問はまったく解消されていない… どころかむしろ深まった。
と思ったら、まもなく立て続けに単独客が3人入ってきた。いずれも常連のよう。
ここの道はよく通るが、これまで客が出入りする場面に出くわしたことが一度もなかっただけに、これはこれで驚きである。
そして、いよいよちゃんとしたお店らしく見えてきたのである。
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セットメニューが充実している。
大平セット(ラーメン・ミニカルビ丼)850円に引かれる。でもこういうのは定期的に訪れる人のためのバリエーションだ、と考えてしまう。一期一会の人が中華屋でカルビ丼は違うんじゃないか、と。

しつこく店内を見回すうちに、しっくりくるメニューを発見。
「本日のサービス品:ラーメン・餃子・ライスセット790円」

お店に入りにくい理由として上位に来るのが、外から店内の様子をうかがえないこと。この店は典型的にそういうつくり。
しかし店内からは表の様子がよく見える。
そういうことはよくあって、自分のように思い切りが悪く店先でぐずぐずしているのは露骨にアヤシそうでやばいやばい… と毎回ひやひやさせられる。
向かいの上仲原公園の森が窓外にいい感じだ。
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本日のサービス品は、ぱっと見、充実感がある。
ビジュアル的に貢献度が高いのが餃子。BMI 29… といった豊満さ。
食べても餡がみっちり、肉・野菜のバランスがよくおいしい餃子だ。

一方、ラーメンはいたって普通かな。

外見にはわからない、入ってみて初めて見える風景というのがある。
店内がお客さんでいっぱいだった時代が思い浮かぶように感じるのは、いつまたそうなってもいいように備えを怠らないからだと思う。

[DATA]
大平(たいへい)
東京都東大和市清原4-6-11
[Today's recommendation]

https://youtu.be/3eT464L1YRA

