半年、ご無沙汰しております 【喫茶庵 うたたね】

2018.12.15

 陶芸・喫茶の「うたたね」から案内の葉書が届いた。
◇焼き物謝恩セール11~12月
◇秋から春の予約食事会:季節のうたたね膳 デザート・飲物付 1700円


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「うたたね」さんは6月の落語の会以来ご無沙汰。
というのも、この間、当方の仕事等の事情が少し変わって、日曜休みのこのお店には行きづらくなった。つまり、平日はもともと無理だけど、土曜日もゆっくりおじゃまするのが難しい。

そのへんの“言い訳”も含めて、年内にごあいさつに伺いたかった。


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店内では店主のおばさまのほか、高齢のお客さまがカレーを召し上がっている。
僕らはおしるこを頼んだ。


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まず、お茶と一緒に当たり前のようにストーブの上の焼き芋が出される。
この店に初めて入ったのは去年の12月16日
焼き物セールにかこつけて入った冷やかし客のわれわれに、店主さんは焼き芋を振る舞ってくれた。甘くてしみじみおいしかった。


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それからちょうど1年。
もっとずっと昔から通っているように感じる。


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先客の女性は10年ほど前に武蔵境から近くに越していらしたとのことで、武蔵野の古いお話をいろいろ伺った。
中島飛行機の下請け工場に学徒動員で駆り出されたとか、なんかすごいとしか… w ( ̄▽ ̄;) w…


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おしるこは体も心も温まる。
箸休めに刻み浅漬けキムチ。


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落語の会の安田康子さんは「どんどんうまくなってる」と店主さん。
新ネタを披露しているとのことで、次はぜひ伺いたい。

その前に、新年5日(土)の企画、小さな祝膳(800円)かな。


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[DATA]
喫茶庵 うたたね
東京都東村山市富士見町5-5-47



[Today's recommendation]

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◆ 猫写真はこちら その1 その2




https://www.youtube.com/watch?v=sW7GQhEmAhE


水無月落語の会@うたたね 【喫茶庵 うたたね】

2018.06.24

 先月末、「うたたね」さんから落語の会の案内状が届いた。
4月の会もご案内いただいていたが、月曜開催で出かけることができなかった。今回は日曜日なので迷わず参加を申し込んだ。


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「うたたね」は東村山中央公園の南側の住宅地にある陶器と喫茶のお店。
僕たちは去年の年末に初めておじゃました新参者だが、店主さんにはたいへん親切にしていただき、こうして催しのお誘いもいただいて、幸運でもあるし、とてもうれしく思っている。


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落語は着物で


微妙な予報だったが、思った以上に天気が良くなって、想定外に暑い。着物の相方の心配というより、二日酔いぎみの自分がお店に着く前からグロッキー状態。
これはあとで会の進行係の方がおっしゃっていたことだが、以前の落語の会では熱中症で倒れたお客さんがいて救急車を呼ぶ騒ぎになったと。
こう言っちゃなんだが「うたたね」は広くない。落語会の定員15名でギューギューだ。
大丈夫か、オレ?


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開演は午後2時。1時40分すぎでぼちぼち人が集まっている。
引き戸とその横の窓は全開で店内は涼しげ。入り口では香炉でお香が焚かれている(蚊取り線香か?)


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準備に忙しい店主さんにごあいさつすると、すぐ横にいらしたのが演者の安田康子さんで、紹介していただいた。
安田さんは劇団民藝の俳優さん。演劇以外にもいろいろご興味をお持ちで落語を始めたとのこと。
富士見町在住で、東村山市内の各種イベントで落語を披露しているそうだ。


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前座『ねぎまの殿様』で、水無月(第10回)落語の会「喫茶庵・うたたね ―ねぼけ会―」の開演。


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進行および前座は劇団仲間の方が務められ、さすがにプロの語り口で十分楽しめた。
続いて舞台裏(台所ですね)から生の三味線出囃子(秋山牧子さん)が聞こえ、安田康子さん登壇。
演目は『天狗裁き』。

――『天狗裁き』(てんぐさばき)は、古典落語の演目。もともとは上方落語の演目の一つである。長編落語『羽団扇』(演じ手は2代目三遊亭円歌など)の前半部分が独立して、一席の落語となった。現在の演出は、上方の3代目桂米朝が発掘・再構成し復活させたものによる。東京では5代目古今亭志ん生が得意とした。(Wikipedia)


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劇団俳優の安田さんは表情豊かに演じられ、発声のメリハリも素晴らしい。演目のストーリー展開の巧みさがよく伝わってくる。滑舌のあやしい志ん生の雑な落語よりよっぽど楽しめるってもの(笑)。
小さいハコの臨場感もいいものだなと思った。
ちなみに安田さんのお師匠さんは志ん生・志ん朝の流れをくむ古今亭一門の落語家だという。


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落語のあとは、お茶とお菓子タイム。
お菓子は豆かん。

天草の寒天はほどよい硬さで、大きめに切ってありボリュームたっぷり。さらりとした黒蜜に青豌豆、さらに香ばしいきな粉の上から甘く煮崩れた花豆がかけられた感じ。
浅草あたりの甘味処で出てくる豆かんとはちょっと違うオリジナリティがあって、素朴だけれどとてもぜいたくだと思う。

温かい緑茶は、惜しげもなく作家ものの湯飲みで出てくるので、味わい深くなんとも至福のひととき。
ハイクオリティなのに、あまりに自然体でまったく疲れない。


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「このお店の前を通るたびに、なんだか気になるけど怖そうだし… って、入るのに3年かかりました」と安田さん。「『あら、焼き物もあるのね。ちょっと見ていこうかしら』みたいな顔して(笑)」
みな同じだ。僕らは“焼き物セール”の張り紙にかこつけて入ったのだ。
「入りにくくてごめんね(笑)」と店主さん。


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隠れ家喫茶の長い午後。
ほのぼのとした交流の語らいは続くのであった。


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[DATA]
喫茶庵 うたたね
東京都東村山市富士見町5-5-47



[Today's recommendation]

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古今亭志ん生
名演集8『天狗裁き/こんにゃく問答/たいこ腹』

https://www.youtube.com/watch?v=kVhTD-uN0yg



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おしることニラ焼きと、常滑焼と 【うたたね】

2018.03.24

 出かける前に郵便受けをのぞくと1通の手紙が届いている。
差出人は「うたたね」とある。
あ、お願いしていた案内かな、と思った。

出先の昼食の席で開けてみた。
卯月(第9回)落語の会「喫茶庵・うたたね ―ねぼけ会―」のチラシ。
演目は安田康子さんの『天狗裁き』。
B5判の三つ折りが長形4号白無地の二重和封筒に入っているあたり、古風な折り目正しさを感じる。


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メッセージを記したはがき2枚が同封してあった。
1枚は落語会とお食事会のご案内とお誘い。もう1枚には次のように書いてある。
「店のお客様より、うたたねの紹介文をみせて頂きました。本当に有難うございました」
どなたかこのブログの以前の記事をご覧になった方が、うたたねの店主さんに教えてくださったということのようなのだ。


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このブログを始めてまもなく1年になるが、このような反応をいただいたのは初めて。
店主さんはインターネットをやらない方だから、僕の発信がアナログ変換されて返ってきたわけである。
その不確かなようでいて必然的にも思えるプロセスには情報伝達の抱える課題と対策がいろいろ含まれるようでもあるし、それだけにかけがえのないメッセージにも感じられる。


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そもそも、こちらからごあいさつに伺うのが筋なのではないかという気もする。
冬の間に一度おしるこをいただこうと思っていて、1カ月ほど前の日曜日に一度伺ったが、休みだった。日曜はレコード鑑賞会を行うので喫茶は休みと聞いていたことを思い出した。
あれこれ勘案すれば、土曜日の今日、伺うしかないようだ。


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店主さんがにこやかに迎えてくれる。
「載せていただいてありがとうございます」
「いえ… 勝手なことしてすみませんでした」
みたいなやりとり。
おしるこを2つお願いする。


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たくさんの焼き物や絵に囲まれ、ほっと落ち着く空間。


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ちょうど冬枯れの藤棚を通して柔らかな西日が差し込み、うらうらとする。
石油ストーブの上で鉄瓶がことこと。


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店先の植え込みに大株のクリスマスローズがシングルピンクの花を咲かせ、何輪か大テーブルの花生けにアオモジ、クロモジと一緒に挿してある。


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粒あんのおしるこは、しっかり甘く懐かしい味。
箸休めに、厚むきの大根の千切りを使った浅漬けキムチ。


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お茶の追加は小さな急須で。


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「これでも2人分は入るんですよ」と店主さん。「もう亡くなりましたけど、常滑の陶芸家さんの作品で…」
形はかわいらしいが、窯変藻掛け? の荒々しい模様が印象的だ。
ほかにも同じ作家さんの急須をいくつか見せていただいた。どれも模様のタイプが異なる。
驚いたのが、高さ30cmはありそうな大急須。お店の何周年だかのお祝いにいただいたとのこと。
「急須としても使えますけど、お花を生けるほうがいいですよね」


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おしるこが終わるころ、ニラ焼きを出してくれる。
「この間教えてもらったんですけど、簡単なんですよ。小麦粉と卵、あとみそを入れます」
「子どものころ、こういうの作ってもらってました。懐かしい。うちの場合、ニラ入ってませんでしたけど(笑)」
いつも何かサービスを付けてくれる。


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外で高齢のご婦人がじっとガラス戸の張り紙をにらんでいる。
「チラシ読んでるんじゃない?」と店主さん。
僕が少し引き戸を開けると、笑いながら「こんにちわ」と入ってきた。
ちょうどお暇をする頃合い。


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せっかくお誘いいただいた落語の会だが、月曜なのでちょっと厳しい。
次の機会にまたご案内くださるようお願いをして、お店をあとにした。


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[DATA]
陶器・喫茶 うたたね
東京都東村山市富士見町5-5-47



[Today's recommendation]

Beethoven The Violin Sonatas de Anne Sophie Mutter
Ludwig van Beethoven
『Violin Sonata No.5, Op24 Spring, etc.』
Anne Sophie Mutter(Vn)/ Lambert Orkis(Pf)

https://www.youtube.com/watch?v=PGFs7n6n3-8



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陶器や絵画に囲まれて、秘密のランチスポット 【陶器・喫茶 うたたね】

2017.12.23

 東村山中央公園の東~南のエリアには隠れ家カフェがいくつもある。隠れ家だけにどこも一見にはハードルが高いが、なかでも入りにくいオーラMAXなのが「陶器・喫茶 うたたね」。


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中央公園通りに面した喫茶店「樹樹」の裏を斜めに入る路地の先、道なりに左に曲がって、ウサギ小屋の向かいに「うたたね」はある。
というか、東京街道から入ればすぐで、表通りに看板も出ている。
店先をロウバイやカシワバアジサイの鉢植え、藤棚にうっそうと覆われ、中の様子はまったくつかめない。


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先週、小川駅前の シュガープラム で食事をしたあとに通りかかったら、ガラス戸に“焼き物セール”の張り紙がしてある。それにかこつけ、思い切って潜入してみた。
思いがけず店主のおばさまのおもてなしにあずかり、いたく感激したのである。
そういうわけで、あらためて正式にお食事をいただきに伺うことに。


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店主さんは覚えていてくださって、やっぱりうれしい。
聴いていたラジオを止めてピアノ曲をかけてくれる。先週、置いてあったCDから世界的ヴァイオリニストKyung-Wha Chungの話になり、僕がクラシック音楽を好きそうと思っていてくれたのか、それとも営業モードに入ったということか。
でも、それまでかかっていたのがNHKラジオ第1の長寿番組『ひるのいこい』で、そっちを聴いていたかった気もする。


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開店26年のこの店は、焼き物や絵、アンティーク雑貨などのギャラリーを兼ねる。焼き物は、丹波、瀬戸、信楽、常滑、益子などの陶芸家の作品を扱う。
たたきと奥の上がりというつくり。左手に大小2つのテーブルがあって、5人くらいは座れるだろうか。
ところ狭しと展示された作品に囲まれ、たいへん居心地がよい。


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まず、うたたね風鶏肉カレー750円と紅天うどん700円をオーダー。
店主さんはお茶を入れてくれ、
「できるまでお芋でも食べていてください」
と、またまたストーブに載っていたアルミホイルをとってくれるのである。


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店主さんは奥の台所で調理に忙しく、その間ゆっくり店内を拝見する。
焼き物の棚に器が並んでいるが、売れている様子は感じられない。
階段箪笥がいい感じにさびれた雰囲気を醸し出す。


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BGMはショパン~リスト~シューマンと、初期ロマン派ピアノ曲の自己編集盤。
同じ作風の抽象絵画が数枚飾ってある。開店当初から扱っている丹波の陶芸作家(故人)のお孫さんの作という。青と黄がポイントの明るい色づかいをツレは気に入ったようだ。
テーブルにはワレモコウやホトトギスのドライフラワーに『牧野富太郎植物記』全8巻(第2巻欠落)。店主さんは植物もお好きとのことで、貯水池周辺の植生にも詳しい。


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紅天うどんは、ちくわと紅ショウガを一緒にした天ぷらがおもしろく、その酸味が甘めのつゆとよく合う。ホウレンソウとワカメ、ノリ、ゆでたまごなど具だくさん。


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鶏肉カレーはタマネギの甘味が強く、バランスをとるようにヨーグルトと思われる酸味を出している。辛さは感じない。ライスは麦ご飯。
鶏肉がごろごろ。一緒に煮込まれたレーズンがいいアクセントになっている。

付け合わせはラッキョウと浅漬けキムチ。
ラッキョウは、しょうゆ、酢、蜂蜜などで漬けた自家製の2年ものという。


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食後、店主さんはお茶をつぎ足し、お茶請けのせんべいと最中まで出してくれる。

喫茶部門では、いま時分のおしるこ、夏場の豆かんというあたりが見逃せない。
秋から春には予約制の食事会を開いており、語り芝居や落語会も開催しているそうだ。

今月開いた落語会(別府康子さん)では20人ほどが来店したというが、どうやってそんな人数入れたんだろう。
次の落語会にはぜひご案内をいただきたく、お願いをして店を出た。

外から見ただけではこのような創造性とホスピタリティにあふれる空間が広がっているとはまったく思いもつかない。
こんな身近にも、自分の知らない世界はまだまだある。


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陶器・喫茶 うたたね
東京都東村山市富士見町5-5-47



[Today's recommendation]

Kinderszenen argerich
Robert Schumann
『Kinderszenen, etc.』
Martha Argerich(Pf)




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