基地の町の洋食屋とクリスマスカード 【ジロー】
2017.12.15
今年1月、立川高島屋で開催された川瀬巴水展に行った。
川瀬巴水は、明治期に衰退した浮世絵の技法を復興させ(大正新版画という)、多くの風景画を残した大正~昭和期の画家・浮世絵師。
――近代風景版画の第一人者であり、日本各地を旅行し旅先で写生した絵を原画とした版画作品を数多く発表、日本的な美しい風景を叙情豊かに表現し「旅情詩人」「旅の版画家」「昭和の広重」などと呼ばれる。(Wikipediaより)

そのとき昼ごはんに入ったのが、緑川通り立川北駅前交差点すぐ西の洋食店「ジロー」。
ツレが着物だったので、ほかに候補に挙がった天ぷらや寿司だと油が跳ねそうだとかしょうゆこぼしそうだとかと用心して洋食屋になったんだが… カレー頼んでるし(笑)。
ちなみになぜ着物かというと、展覧会が着物の人は入場無料だったから。

「ジロー」の営業開始は1973年ころとのこと。
米軍立川基地(現在の昭和記念公園等)が返還されたのが1977年のことだから、返還前から当地で営業していることになる。
表の看板が「JIRO」という表記だったり、店内に張られているドリンクメニューにも英語があったり、かつて基地の町だった面影を見ることができる。

白ペンキの外壁は、どこか50's-60’sのオールドアメリカンぽい。
マジックミラーで店内は見えず、営業中のプレートもなく、入りにくいことこのうえない。

扉を開けると、奥の客席に座っていた店主がひょいと立ち上がる。前回もそうだったな…。
先客はなくカウンターの右隅に座る。

オーダーはベーコンピラフ700円に。
ただのピラフにもベーコンは入るが、100円違い以上の増量感を前回感じたので。


接客係のおかあさんはにこやかで優しそう。洋食屋というより和式大衆食堂のおばちゃん的で、客はくつろげる。
一方、初老のシェフは、穏やかそうだがきわめて寡黙で、接客は得意ではなさそう。
ピラフを黙々としつこいぐらいに時間をかけて炒める。
できあがりを小さめの丸底の皿いっぱいに盛り付け… と思ったら、それを大皿にひっくり返して形を抜く。
おかあさんが横に福神漬けを添える。
「粉チーズ大丈夫ですか?」と聞かれ、「はい」と答える。
カウンター越しにピラフとみそ汁の提供。

ピラフの具は、たっぷりベーコンに、マッシュルーム、ニンジン、コーン、グリーンピース。
粉チーズが溶けていい感じに糸を引く。それだけでなく、炒めすぎてご飯が糊化してる気がしないでもない粘っこい食感。それでも、それが個性でぜんぜんオーケー、と思わせる不思議な説得力がある。
キャンベルスープやランチョンミートと同じカテゴリーで、ハイカラという属性。

川瀬巴水展で展示されていた『雪庭のサンタクロース』という作品が強く印象に残った。
浮世絵で描かれたサンタクロースという意外性に惹かれる。1950年制作で、日本電報通信社(現 電通)より海外向け雑誌『The Japan Trade Monthly』の表紙用に依頼されたもの。
これまでそういう習慣はないが、ものの弾みでクリスマスカードというものを送る必要に迫られた場合、こういうカードなら気が利いてるかも、と思い売店でポストカードを5枚購入。

そのときは自分がブログというものをやることになるとは夢にも思わなかったが、はがき本来の使い方ではないがこういう方法もあるな、と掲載。
――Have a Merry Christmas!
立川の街なか風景
[DATA]
ジロー
東京都立川市曙町1-28-9
[Today's recommendation]

https://youtu.be/nwzGFsOiuoY


◆ 猫写真はこちら ◆
X'masクッキー!
2017.12.13 おやつやSunset /東京都東村山市栄町2-38-4

甥の子どもたちにはX'masクッキーを!
今年1月、立川高島屋で開催された川瀬巴水展に行った。
川瀬巴水は、明治期に衰退した浮世絵の技法を復興させ(大正新版画という)、多くの風景画を残した大正~昭和期の画家・浮世絵師。
――近代風景版画の第一人者であり、日本各地を旅行し旅先で写生した絵を原画とした版画作品を数多く発表、日本的な美しい風景を叙情豊かに表現し「旅情詩人」「旅の版画家」「昭和の広重」などと呼ばれる。(Wikipediaより)

そのとき昼ごはんに入ったのが、緑川通り立川北駅前交差点すぐ西の洋食店「ジロー」。
ツレが着物だったので、ほかに候補に挙がった天ぷらや寿司だと油が跳ねそうだとかしょうゆこぼしそうだとかと用心して洋食屋になったんだが… カレー頼んでるし(笑)。
ちなみになぜ着物かというと、展覧会が着物の人は入場無料だったから。

「ジロー」の営業開始は1973年ころとのこと。
米軍立川基地(現在の昭和記念公園等)が返還されたのが1977年のことだから、返還前から当地で営業していることになる。
表の看板が「JIRO」という表記だったり、店内に張られているドリンクメニューにも英語があったり、かつて基地の町だった面影を見ることができる。

白ペンキの外壁は、どこか50's-60’sのオールドアメリカンぽい。
マジックミラーで店内は見えず、営業中のプレートもなく、入りにくいことこのうえない。

扉を開けると、奥の客席に座っていた店主がひょいと立ち上がる。前回もそうだったな…。
先客はなくカウンターの右隅に座る。

オーダーはベーコンピラフ700円に。
ただのピラフにもベーコンは入るが、100円違い以上の増量感を前回感じたので。


接客係のおかあさんはにこやかで優しそう。洋食屋というより和式大衆食堂のおばちゃん的で、客はくつろげる。
一方、初老のシェフは、穏やかそうだがきわめて寡黙で、接客は得意ではなさそう。
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ピラフを黙々としつこいぐらいに時間をかけて炒める。
できあがりを小さめの丸底の皿いっぱいに盛り付け… と思ったら、それを大皿にひっくり返して形を抜く。
おかあさんが横に福神漬けを添える。
「粉チーズ大丈夫ですか?」と聞かれ、「はい」と答える。
カウンター越しにピラフとみそ汁の提供。

ピラフの具は、たっぷりベーコンに、マッシュルーム、ニンジン、コーン、グリーンピース。
粉チーズが溶けていい感じに糸を引く。それだけでなく、炒めすぎてご飯が糊化してる気がしないでもない粘っこい食感。それでも、それが個性でぜんぜんオーケー、と思わせる不思議な説得力がある。
キャンベルスープやランチョンミートと同じカテゴリーで、ハイカラという属性。

川瀬巴水展で展示されていた『雪庭のサンタクロース』という作品が強く印象に残った。
浮世絵で描かれたサンタクロースという意外性に惹かれる。1950年制作で、日本電報通信社(現 電通)より海外向け雑誌『The Japan Trade Monthly』の表紙用に依頼されたもの。
これまでそういう習慣はないが、ものの弾みでクリスマスカードというものを送る必要に迫られた場合、こういうカードなら気が利いてるかも、と思い売店でポストカードを5枚購入。

そのときは自分がブログというものをやることになるとは夢にも思わなかったが、はがき本来の使い方ではないがこういう方法もあるな、と掲載。
――Have a Merry Christmas!
![]() | ![]() | ![]() |
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[DATA]
ジロー
東京都立川市曙町1-28-9
[Today's recommendation]

https://youtu.be/nwzGFsOiuoY


◆ 猫写真はこちら ◆

2017.12.13 おやつやSunset /東京都東村山市栄町2-38-4

甥の子どもたちにはX'masクッキーを!
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