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惜しみなく与う 【昭和軒】

2021.06.09

 今年初の真夏日となった昨日に続き、東京都心では2日連続の30℃超え。
冷やし中華食べたいね… ということで、ちょっと調べて、なぜか「昭和軒」に行ってみることになった。最近、トレードマーク(?)のレトロチックな看板が外されるという出来事があり、それが引っかかっていたのかもしれない。


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もともと暖簾を出さないお店だが、看板が目立つからなんとかなっていた。
看板がなくなってみると、何のお店かわからない、お店にすら見えないという。
“御献立”のプレートと“営業中”の札が掛かっていても、事情を知らない人間にはとても入れる雰囲気ではないな…。


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左は2017年11月


そのへんの事情は東村山市限定グルメ情報サイト「東村山グルメ日記2」に詳しいので参照されたい。
そういうわけで、僕はマサさんのブログで事情を把握しているので、迷わず入店。

が、入ってみると、わかっているつもりでも戸惑いを覚えざるを得ない。
厨房にはご高齢の店主のおとうさんお一人。考えていた以上にお身体が不自由そうだ。


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小さい2人掛けのテーブル席に着いて、「冷やし中華、やってます?」と尋ねる。
一瞬の躊躇ののち、厨房内に視線をさまよわせるおとうさん。ありもので冷やし中華をやりくりできないものか、算段をつけようとしているもよう。
「あー、いいですいいです!」と慌てて制止。
ラーメンと五目やきそばに注文を変更。


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前回入ったのが3年半前で、そのときには調理担当はおかあさんに替わっていたようだが、おかあさんの気配はないし、おとうさんがいろいろ準備を始めているし、ものによってはおとうさんが作ることもあるのかなぁ…。ドカッとかガチャッとか不慣れそうな物音に不安を募らせているところに、「いらっしゃいませー!」と元気よくおかあさん登場。

あ、ここはこうじゃないの! みたいにぶつくさおとうさんに指導を入れたり、左腕を使うときに痛そうに顔をしかめたりしつつも、てきぱきと料理をするおかあさん。
小言のあとには鼻歌も聞こえてきて、思わず笑っちゃいました ゞ( ̄∇ ̄;)


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料理を運んできたおかあさんに、「こっち(左肩)? 痛そうにしてたね」と聞くと、「こっちは痛いし、こっちは注射だし」と右腕をさする。
「あ、コロナの? 打ててよかったね」
「痛いほうに打ったら悪くなるかもしれないからって右に打ったんだけど、両方痛くなっちゃったわ」


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ラーメンは前回も食べて、かなり変わっているということはわかっていたが、想定を超えるものがある。前回の記事にモヤシソバのようなラーメンと書いているが、今回はモヤシソバのようでもあり、五目ソバのようでもあり…。伊達巻とゆで卵が、五目ソバ的である。
ほかにもいろいろ、薄焼き卵のような変わったものも含め、ものすごい具だくさん。
それで400円!


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五目やきそばも似たような具材の構成だが、かまぼこが加わり、盛り付けの仕方もより五目のニュアンスが強まる。
具の種類に加え、麺のボリュームもかなりのものがある。小ラーメンまで付いてきた(笑)。


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とにかく惜しみないサービス精神が、盛って盛って… に表れているようだ。
これ、2品で1000円ポッキリなのである。


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お会計に立とうとすると、おかあさんがレジ袋に入ったパックを持ってきた。「温かいうちに食べて」と。
えー… と驚いていると、
「食べるとこいくらでもあるのに、わざわざこんなジジババのやってる店に若い人が来てくれて、それがうれしいの」と。
えー… と、なんかジーンときてしまった。若くないけど。


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ずっしり重いお土産パック。
帰って開けてみると、炒飯である。


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おなかいっぱい食べたあとだけに、温かいうちには食べられないが、夕ごはんにいただく。
炒飯をこんなありがたい気持ちでいただくのって、きっと初めて。


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[DATA]
昭和軒
東京都東村山市本町4-2-3





[Today's recommendation]

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https://youtu.be/RXOeD2mZFro


ディープ中華の意外な魅力 【昭和軒】

2017.11.28

 東村山市の三大ディープゾーンと勝手に呼んでいる物件の一つ「昭和軒」。
あとの2つは萩山町の「揚子江」と青葉町の「虎楽」で、この2店には去年と今年で1回ずつ入っている。しかし「昭和軒」は三大の中でもハードルが1段高く、なかなか足が向かなかった。

どういうことかというと、ほかの2店と違って、こちらはだいぶ前に入ったことがある。それも立て続けに2度。
味は覚えていないが、若い年代にはいろいろディープすぎたのかもしれない。
三大の中で唯一、獲得免疫がついていると(笑)。


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「お父さんの好きそうな中華屋さん見つけた」と妻が言う。
東村山の久米川町に住んでいたころの話。まだお店を見つけるという段階だから、住み始めのころだと思う。昭和ということはないが、20世紀だった可能性は高い。


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行ってみると、無駄に派手な看板が、なんとも趣味が悪くレトロチック。そのへんの雰囲気を僕が好きそう、と。そういう嗜好は昔から変わってないんだな、といま思う。
1回目はラーメン、2回目はチャーハンを食べたということは、おぼろげに記憶している。


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三大のうち一つを残すのは気持ち悪いので最近気にかかっていたが、この店は暖簾を出さないのでやっているかどうかわかりづらい。
出前のカブはいつも止まっているので、店を畳んだということはないとは思うが。


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及び腰で遠巻きに様子をうかがうと、“営業中”の札が出ている。これは入るしかないな、と。
自動ドアが壊れて“手であけて下さいね”と書いてある、よくあるパターンの手動ドアを開ける。

お客さんがいる。3人も。
それには驚いた。


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厨房ではおかあさんが忙しそうに立ち回ってる。きびきびと。
これも意外だった。

僕の中ではこの店は「いろいろ止まっていそう」というイメージだったが、意外にも活気があるのである。
僕のあとにもお客さんが2人。


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昔は店主のおやじさんが調理していたはずだが、姿が見えない。店先にカブがなかったから出前に行っているものと思われる。
カウンター8席ほどと小さな2人用テーブル2脚。
カウンターのいちばん奥に座り、ラーメン400円を注文。


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BGMは演歌。僕の背後のCDラジカセから流れている。
演歌といっても生半可じゃない。こういう曲調は春日八郎とか三橋美智也とかの時代の歌謡曲というやつだ。聞いたことのない声なので、いまの歌手による昔の曲のカバーかもしれない。
そういえば隣に歌謡曲専門・カセットメインのレコード屋があったが、いつの間にか開いているのを見なくなった。


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おやじさんが帰還。
おかあさんの様子が変わった。
最前のとおりきびきびと調理してはいるものの、突然へこたれる。
「ああ、もう…!」という感じで。
おとうさんにいろいろ文句があるようにも見える。「まったく、気が利かないんだから」と。
自分の体が思うように動かないことへのいら立ちのようにも見える。おとうさんにそのへんをねぎらってほしいのかもしれない。
見ている間、10回はへこたれた。
最後の1回、へこたれたあと苦笑いを浮かべた。おとうさんも一緒にニヤついてる。


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「多いけど、大丈夫?」と配膳台にどんぶりを載せる。多いのは汁で、こぼさないように気をつけてね、という意味。
ラーメンの見た目が意外。シンプルな昔ながらの中華そばタイプを想像していたが(というか、昔そうだったと思うが…?)、いろいろのってる。
チャーシュー、メンマ、ワカメ、ナルト、ネギまではわかるが、真ん中にグジャッとしたものがのってる。
あんかけの野菜炒めだ。
キャベツ、モヤシ、ニンジン、それにたっぷりの豚肉。いわゆるモヤシソバのモヤシ少なめという感じ。


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ラーメンという名称で野菜炒め on the noodle までは、まあないこともないかもしれない。でもあんかけはもうひと手間だ。400円のラーメンにどうしてそこまで手をかけるのか。
味のほうは… 悪くないのである。というか、おいしい。不自然なうま味や甘味のない優しいスープで、炒め野菜との相性もいい。豚肉が香ばしい。
モヤシソバと考えても出来は悪くないんじゃないだろうか。
400円のモヤシソバ。すごいな。


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食べ終わるころ、曲は三橋美智也の『古城』に替わった。
こういう店でこういう曲を聴くとジーンとくるものがある。
でも僕の中では“新生”昭和軒なのかもしれない。


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[DATA]
昭和軒
東京都東村山市本町4-2-3





[Today's recommendation]


https://youtu.be/cUal4MKFvPk



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◆ 猫写真はこちら


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