小平産小麦のおいしさを実感 【さんさろうどん】
2020.02.21
青梅街道の小平上宿交差点(小川三差路)近くの、文字どおり三差路にあるうどん屋さん「さんさろうどん」。

古い街道沿いだけに昔の“辻の茶屋”を連想させるが、茶屋=休憩所はいまでいえばSAや道の駅であり、飲食提供はカフェテリア方式、これをうどん・そばに当てはめれば… という勝手に三段論法的に路麺=立ち食いそばのイメージを抱いていた「さんさろうどん」であるが、いざ入ってみれば意外性ある真面目な実力派であった… というのが前回のおさらい。

すっかり忘れていたが、その生真面目で几帳面かつ規則正しい仕事ぶりに感銘を受けたらしく、前報では3Kならぬ5Sならぬ5Kの標語的なものを作っている。
「生真面目で 几帳面に 規則正しく 全面禁煙の きれいなお店」

先客1人とすいているので、「どちらでも」というご主人のお言葉に甘えてカウンターでなくテーブル席に座らせてもらう。
壁の品書きをじっくり眺めたかったのだ。

前回はカレーライスで麺類を食べていないので、次に入るときはラーメン+カレーまたはかけそば+カレーにしようと決めていた(←カレー気に入ったらしい)が、正面の“小平産100%小麦使用うどんセット”というものに目が行った。これにも+カレーのセットがある。
ラーメンまたはかけそばのほうに視線を戻すと“小平産以外”とわざわざ断ってある。
これで小平産頼まなかったら非小平民(非国民的な)呼ばわりは免れない。小平市民じゃないけど。

ということで、小平産100%小麦使用のうどん(かけ)+カレー(中)850円に。

今回は接客係がご主人。前回、厨房の仕事ぶりを遠目に眺めて気難しそうに感じたが、まったくそんなことはなく、きわめて柔和かつフレンドリーな接客である。

提供までに10分近くかかっているので、うどんはもちろんゆで上げ。
ぱっと見、やや細めで切り方のそろった上品なうどん。ひと口すすると、しっかりした歯応えである。ラーメンでよくいうところの加水率の低そうな食感というか。

つゆはかつおだしでやや甘めの田舎風。そのやや鈍重なつゆに浸っていてさえ小麦の甘さがはっきりわかる、というくらいおいしいうどんである。香りも素晴らしく。

平均的な武蔵野うどんと比べればだいぶ細いが、風味や食感はまさしく小平糧うどん(武蔵野うどんの別称の一つ)そのもの。加水率を下げることで強いコシが得られ、武蔵野うどんにありがちな汁うどんでダレるということがない。甘みを引き出す塩加減もポイントかも。

カレーはとろみの強いいわゆるそば屋のカレー風。甘めの優しい味わいである。
品書きを見ると、小平地粉100%うどんのカレーうどんというものがある。これは気になるぞ。

いまは路麺どころか武蔵野エリアで一二を争うおいしいうどんなんじゃないかと…。
自分の想像力の不足を思い知らされるようだが、真面目そのもののお店という印象を強くした。

[DATA]
さんさろうどん
東京都小平市小川町1₋685
[Today's recommendation]



https://youtu.be/djgsOrrqzLE


セツブンソウ(東京都薬用植物園)
青梅街道の小平上宿交差点(小川三差路)近くの、文字どおり三差路にあるうどん屋さん「さんさろうどん」。

古い街道沿いだけに昔の“辻の茶屋”を連想させるが、茶屋=休憩所はいまでいえばSAや道の駅であり、飲食提供はカフェテリア方式、これをうどん・そばに当てはめれば… という勝手に三段論法的に路麺=立ち食いそばのイメージを抱いていた「さんさろうどん」であるが、いざ入ってみれば意外性ある真面目な実力派であった… というのが前回のおさらい。

すっかり忘れていたが、その生真面目で几帳面かつ規則正しい仕事ぶりに感銘を受けたらしく、前報では3Kならぬ5Sならぬ5Kの標語的なものを作っている。
「生真面目で 几帳面に 規則正しく 全面禁煙の きれいなお店」

先客1人とすいているので、「どちらでも」というご主人のお言葉に甘えてカウンターでなくテーブル席に座らせてもらう。
壁の品書きをじっくり眺めたかったのだ。

前回はカレーライスで麺類を食べていないので、次に入るときはラーメン+カレーまたはかけそば+カレーにしようと決めていた(←カレー気に入ったらしい)が、正面の“小平産100%小麦使用うどんセット”というものに目が行った。これにも+カレーのセットがある。
ラーメンまたはかけそばのほうに視線を戻すと“小平産以外”とわざわざ断ってある。
これで小平産頼まなかったら非小平民(非国民的な)呼ばわりは免れない。小平市民じゃないけど。

ということで、小平産100%小麦使用のうどん(かけ)+カレー(中)850円に。

今回は接客係がご主人。前回、厨房の仕事ぶりを遠目に眺めて気難しそうに感じたが、まったくそんなことはなく、きわめて柔和かつフレンドリーな接客である。

提供までに10分近くかかっているので、うどんはもちろんゆで上げ。
ぱっと見、やや細めで切り方のそろった上品なうどん。ひと口すすると、しっかりした歯応えである。ラーメンでよくいうところの加水率の低そうな食感というか。

つゆはかつおだしでやや甘めの田舎風。そのやや鈍重なつゆに浸っていてさえ小麦の甘さがはっきりわかる、というくらいおいしいうどんである。香りも素晴らしく。

平均的な武蔵野うどんと比べればだいぶ細いが、風味や食感はまさしく小平糧うどん(武蔵野うどんの別称の一つ)そのもの。加水率を下げることで強いコシが得られ、武蔵野うどんにありがちな汁うどんでダレるということがない。甘みを引き出す塩加減もポイントかも。

カレーはとろみの強いいわゆるそば屋のカレー風。甘めの優しい味わいである。
品書きを見ると、小平地粉100%うどんのカレーうどんというものがある。これは気になるぞ。

いまは路麺どころか武蔵野エリアで一二を争うおいしいうどんなんじゃないかと…。
自分の想像力の不足を思い知らされるようだが、真面目そのもののお店という印象を強くした。

[DATA]
さんさろうどん
東京都小平市小川町1₋685
[Today's recommendation]



https://youtu.be/djgsOrrqzLE


セツブンソウ(東京都薬用植物園)
“街道の茶屋”の意外な魅力 【さんさろうどん】
2017.11.15
文字どおり三差路にあるうどん・そばの店。
青梅街道小川交差点から西に1.5kmほど、立川通りとの分岐点である小平上宿交差点(小川三差路)のあたり。
街道の辻・二股・峠には茶屋がよく似合う。
昔からそうなんだと思う。
うっかり八兵衛がお団子を食べたと各地に伝えられている \(-.-メ)
交通の要衝であり、旅の休憩ポイントとして自然発生的に飲食店ができていったものと推測される。

僕の故郷にも同じような三差路の股のところに「三角茶屋」というそば屋があった。自分にとっての“三差路=茶屋(そば屋等含む)”イメージの原点である。
なので、欲を言えば股のピンポイントに位置してほしいところだが、局部に立つのは交番。さんさろうどんは左脇腹あたり。表現に品がなくて申し訳ないが。
このポジションは自分にとっても要衝で、この店は昔から認識してはいたが、なぜか自分とは関わりのない存在としてただ素通りしていた。おそらく第一印象がよろしくなくて、ずっとそれを引きずっていたんだと思う。
ぱっと見、いわゆる“路麺”。
昔の自分にとって、それがダメだったのかもしれない。

あてもなく青梅街道を走っていて、何げなく目を走らせた看板の文字に心動かされるものがある。
うどん・そばの下の“カレーライス”。このところずっと「カレー食べたい!」状態だった。看板のデザインにもピンとくるものがあったかもしれない。
それであらためて「さんさろうどん」という存在を根本的に見つめ直してみると、いまの自分にとってネガティブ要素は何もない。むしろ魅力的ですらある。
ちょっとしたきっかけでこうも意識が変わるのかと驚かされる。
交番の先でUターン。

店内は意外に広く、4人掛けテーブル4卓とカウンター8席。
お客さんはいずれも初老の3組5人。
カウンターの奥のほうの席に着く。
各席のメニュースタンドのほかに横の壁にセットメニューなどが張ってあり、意外に品数が多い。
かけ(うどんかそば)+カレー(中)750円というものに強くひかれるが、量的にちょっと怖いかもしれない。
こだいら地粉100%ざるうどん570円、あげたてかきあげざるうどん690円というあたり、油断してると意表を突いてくる。
でもここは初志貫徹というか無難に、カレーライス580円。

お店のお2人はご夫婦だろうか、思っていたより若く60代くらいな感じ。気難しそうなご主人と優しそうなおばちゃん。気難しいというか、生真面目で几帳面に規則正しく仕事をするタイプなのかもしれない。
3Kならぬ、5Sならぬ、5K。
生真面目で、几帳面に、規則正しく、あと2つ…、全面禁煙の、きれいなお店。
こういうところのカレーはただよそうだけのような気がするが、なかなか出てこない。
5分ぐらいたってようやくお盆が用意されたと思ったら、テーブルの3人組のうどんやそば。この人たちはけっこう待たされたんじゃないか?
ということは、路麺のイメージを覆す麺ゆでたてオペレーションということ? それを裏づけるように、汁そばに揚げたて天ぷらをのせるときのジュワーッという音も聞こえてくる。
うれしい驚き。同時に、かけそばセットにしなかったことを悔やむ。

そのあと、カレーの提供はやはり早い。
モタッとして、いかにもそば屋のカレー。小麦粉のとろみより、もっとモタッとしてる気がする。小麦粉・片栗粉配合かもしれない。
欧風カレーでもなくインドカレーでもなく、家庭のカレーでもない、そう、こういうカレーが食べたかった、と思う日が必ずある、というカレー。チープな感じがたまらない。

このカレーでカレーうどん(またはカレーそば)にしたら、かなりうまいんじゃないかな。
なんか気になってメニューを見直すと、カツカレーというものもある。
なんでオレ、無難にいっちゃったんだろう。
壁のセットメニューにはラーメン+カレー(中)880円というものが…。
これはダメだ。近いうちに出直すしかない。

[DATA]
さんさろうどん
東京都小平市小川町1₋685
[Today's recommendation]

https://youtu.be/kfSQkZuIx84


◆ 猫写真はこちら ◆
文字どおり三差路にあるうどん・そばの店。
青梅街道小川交差点から西に1.5kmほど、立川通りとの分岐点である小平上宿交差点(小川三差路)のあたり。
街道の辻・二股・峠には茶屋がよく似合う。
昔からそうなんだと思う。
うっかり八兵衛がお団子を食べたと各地に伝えられている \(-.-メ)
交通の要衝であり、旅の休憩ポイントとして自然発生的に飲食店ができていったものと推測される。

僕の故郷にも同じような三差路の股のところに「三角茶屋」というそば屋があった。自分にとっての“三差路=茶屋(そば屋等含む)”イメージの原点である。
なので、欲を言えば股のピンポイントに位置してほしいところだが、局部に立つのは交番。さんさろうどんは左脇腹あたり。表現に品がなくて申し訳ないが。
このポジションは自分にとっても要衝で、この店は昔から認識してはいたが、なぜか自分とは関わりのない存在としてただ素通りしていた。おそらく第一印象がよろしくなくて、ずっとそれを引きずっていたんだと思う。
ぱっと見、いわゆる“路麺”。
昔の自分にとって、それがダメだったのかもしれない。

あてもなく青梅街道を走っていて、何げなく目を走らせた看板の文字に心動かされるものがある。
うどん・そばの下の“カレーライス”。このところずっと「カレー食べたい!」状態だった。看板のデザインにもピンとくるものがあったかもしれない。
それであらためて「さんさろうどん」という存在を根本的に見つめ直してみると、いまの自分にとってネガティブ要素は何もない。むしろ魅力的ですらある。
ちょっとしたきっかけでこうも意識が変わるのかと驚かされる。
交番の先でUターン。

店内は意外に広く、4人掛けテーブル4卓とカウンター8席。
お客さんはいずれも初老の3組5人。
カウンターの奥のほうの席に着く。
各席のメニュースタンドのほかに横の壁にセットメニューなどが張ってあり、意外に品数が多い。
かけ(うどんかそば)+カレー(中)750円というものに強くひかれるが、量的にちょっと怖いかもしれない。
こだいら地粉100%ざるうどん570円、あげたてかきあげざるうどん690円というあたり、油断してると意表を突いてくる。
でもここは初志貫徹というか無難に、カレーライス580円。

お店のお2人はご夫婦だろうか、思っていたより若く60代くらいな感じ。気難しそうなご主人と優しそうなおばちゃん。気難しいというか、生真面目で几帳面に規則正しく仕事をするタイプなのかもしれない。
3Kならぬ、5Sならぬ、5K。
生真面目で、几帳面に、規則正しく、あと2つ…、全面禁煙の、きれいなお店。
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こういうところのカレーはただよそうだけのような気がするが、なかなか出てこない。
5分ぐらいたってようやくお盆が用意されたと思ったら、テーブルの3人組のうどんやそば。この人たちはけっこう待たされたんじゃないか?
ということは、路麺のイメージを覆す麺ゆでたてオペレーションということ? それを裏づけるように、汁そばに揚げたて天ぷらをのせるときのジュワーッという音も聞こえてくる。
うれしい驚き。同時に、かけそばセットにしなかったことを悔やむ。

そのあと、カレーの提供はやはり早い。
モタッとして、いかにもそば屋のカレー。小麦粉のとろみより、もっとモタッとしてる気がする。小麦粉・片栗粉配合かもしれない。
欧風カレーでもなくインドカレーでもなく、家庭のカレーでもない、そう、こういうカレーが食べたかった、と思う日が必ずある、というカレー。チープな感じがたまらない。

このカレーでカレーうどん(またはカレーそば)にしたら、かなりうまいんじゃないかな。
なんか気になってメニューを見直すと、カツカレーというものもある。
なんでオレ、無難にいっちゃったんだろう。
壁のセットメニューにはラーメン+カレー(中)880円というものが…。
これはダメだ。近いうちに出直すしかない。

[DATA]
さんさろうどん
東京都小平市小川町1₋685
[Today's recommendation]

https://youtu.be/kfSQkZuIx84


◆ 猫写真はこちら ◆