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丘の麓のほのぼのうどん 【田舍屋】

2017.10.23

 狭山丘陵のふもと、青梅街道の大曲りの北側は、山に向かって古い道が入り込み、まばらな集落が形成されている。武蔵野の里山という風景。
そのあたりに評判のうどん屋があることは知っていたが、適当に入った道は4本ほど東だったようで、おかげで上らなくてもいい坂を上ってしまった。


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あてずっぽうに細道を西にスライドするうちに、神社の参道の向こうに“手打うどん”の暖簾を発見。
いったん青梅街道に下り、1本先を入り直す。


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「田舎屋」はこのあたりにしては新しい住宅地に位置する。1時15分すぎで駐車場に車が2台、中からはにぎやかな話し声が聞こえてくる。
店内は4人掛けテーブルが3卓、入って正面と右側にカウンター席。先客は高齢男性2人組とおばちゃん3人組。
右側の厨房に面したカウンターの端の席に着く。


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目の前に張ってある写真を見ながら、
「ざるうどんは肉汁ですか?」と聞いてみる。
「肉汁もかつおだしもできますよ」と店主。
「じゃ、肉汁で」
「大盛り?」
「いや、普通で」


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カウンターの上にはゆでまんじゅう、目の前には焼だんごの張り紙、壁のお品書きにはいなりずしと、いろいろあって楽しい。
中ほどのキッチンカウンターでは天ぷらが大皿に盛り付けてあり、セルフでとってくるシステム。サツマイモ、ちくわ、マイタケ、タマネギ(全品50円)からマイタケをチョイス。


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うどんは5分ほどで提供。
地粉の灰色がかった色合いとよじれ具合は典型的な武蔵野うどんの姿。ちゃんと耳も付いている。コシはしっかりあるが強すぎず、香りも甘味もほどよく感じられるおいしいうどんだ。
肉汁は豚肉ぱらぱらな感じ。だしのうま味は強いが甘すぎずバランスがよい。糧・薬味はゆでホウレンソウと刻みネギ。天ぷらは揚げ置きだがカラッとしている。

個人的な好みでは、今年食べたうどんの中で、東海林さだお氏のネタのパクリだが“いずぬ”である。東北弁で、一、二を争うおいしさってこと。


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店主のお父さんは一息ついて、空いた客席に座っておばちゃん3人組と世間話を始めた。
「お客さんからぼったくってんじゃないの?(笑)」というような内容。
この3人がぼったくり飲み屋の関係者かどうかは知らないが、商工会の話題に移っているから商売をしていることは間違いなさそう。東大和の商工会はフォローが手厚い、と。それに比べて村山は…。


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そんなゆるい会話が僕の背後で繰り広げられていたが、お父さん、おもむろに立ち上がって厨房に入ったかと思うとすぐ僕のところにやって来た。
「もう少しどうですか?」と、うどんの入ったテボを差し出すのである。ちょうど食べ終わったタイミング。
「うわっ! ありがとうございます」と遠慮なくいただく。
このサービス分がけっこうな量で(下右写真)、最後きつくなったほど。でもこういうのは本当にうれしくなる。


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支払いのとき、お母さんが僕の席の器を見ながら、
「えーと、大盛り?」
「いやいや、普通」と奥のお父さん。
「ごめんなさいね。500円…」
「あと天ぷら」とワタクシが自己申告。
「天ぷら… 2つ?」
「いやいや、1つ(笑)」
「ハハハ、ごめんなさいね。550円」
そんなに食べそうに見えるかなぁ? まあ、たしかにほかのお客さんよりかなり若いとは思うけど。

すっかりほのぼの気分にさせられたが、帰り道、ハッ! となった。
なぜ僕はゆでまんじゅうを買わなかったんだろう?
家族はまんじゅう好きで、特に妻はとっておいたまんじゅうを子どもに食われて本気で怒ったことがあるほど。
どうやってごまかそうかなぁ…。


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[DATA]
田舍屋
東京都武蔵村山市中藤4-39-5



[Today's recommendation]

Françis Poulenc Concert Champêtre
Françis Poulenc
『Concert Champêtre for harpsichord and orchestra, etc.』

Aimée van de Wiele(Cemb)/ Georges Prêtre(Cond)/ Orchestre De La Société Des Concerts Du Conservatoire



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◆ 猫写真はこちら


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