洋食と味の記憶と… 【だんでぃらいおん】
2017.09.18
東小金井の「だんでぃらいおん」は有名店である。どう有名かというと、キタナ方面でテレビのネタになったり、と。
僕は入ったことはなかったから中のことは知らないが、たしかに外観のインパクトはすごかった。
ただ、ツタにびっしり覆われた様子をキタナイと表現するのはどうかと思う。ああいうのはオモムキがあるというんじゃないだろうか。中のことは知らないけど。

2013年4月、リニューアルオープン。いまでは明るく清潔感あふれるお店となっている。
往時をしのばせるのは、隣の建物の外壁にツタの根がへばりついていることと、表のショーウィンドーに例の番組のトロフィーと認定証が飾ってあること。なんだかんだいって、うれしかったんだろうな(笑)。
こちらのマスターは気さくな親分肌という感じで、昔の学生街の喫茶店のマスターという雰囲気。学生に慕われていそう。今日は同業者風常連客と軽妙なトークを繰り広げている。
ほかに学生アルバイト風の男女。どちらも親切で感じがいい。
オーダーは、僕がLunch Menu Aだんでぃ定食(ハンバーグ、カニクリーミーフライ)800円、妻は同Bスペシャルセット(カニクリーミーフライ、メンチカツ、チキンカツ)700円(どちらもライス、みそ汁付き)。

僕は洋食を食べることは多くない。というか、年をとるにつれて機会が減っていった。
それだけに、洋食には思い出がそのまま閉じ込められている感じで、洋食屋ではいつも何とはなしに懐かしい気持ちにさせられる。食べて若いころの記憶がよみがえることもある(「にな川」 参照)。
オーブン焼き手作りハンバーグは看板メニューのようだ。薄く衣をまとった表面はサクッと、中はみっちりとフワフワの中間タイプ。濃厚なデミグラスソースは手作り感いっぱい。
カニクリーミーフライは、まあつまりカニクリームコロッケで、形が俵ではなく小判でもなく丸形。けっこう大きい。こちらはケチャップベースのトマトソース。
このプレートは2つのソースが楽しめる。

スペシャルセットはご飯も同皿のワンプレート。
中身はだんでぃ定食のハンバーグの代わりにメンチカツとチキンカツ。それでこっちのほうが100円安いから、一緒に頼むとかなりお得感がある。こちらはすべてトマトソース。
2人でAとBというのは正解。売りのハンバーグが食べられ、そのほかに揚げ物が3種類。それで1500円だから、お得感と満腹感が同時に得られる。もちろん味の満足感も。

ところで、店名の由来がThe Rolling Stonesの『Dandelion』というのは、わりと知られた話のようだ。
ちょっと調べてみると、『ダンデライオン(たんぽぽ)』は『この世界に愛を』のB面曲で、アルバム『サタニック・マジェスティーズ』のセッション時に録音されているがアルバムには収録されていない。

高校生のころ『サタニック・マジェスティーズ』のLPを買ったことを思い出した。というか、まず「ストーンズにそういうアルバムあったなぁ…」というところから、「そういえば、オレ、持ってなかったか?」と。
一切合切忘れていたわけである。

味の記憶だけでなく、周辺情報からも何らかの発見や記憶の呼び覚ましがもたらされる。
おじさんがいまどきのラーメン屋に行列している光景をよく見かけるが、そうやって新しい情報に書き換えていくのもいいけど、昔ながらのお店にはこのように懐かしい記憶を呼び起こす力がありそうだ。
そのほうが、より大脳辺縁系の海馬に刺激を与え記憶機能を活性化させることにつながり、認知症予防にも効果的だったりするんじゃないか…?
なんて、図らずも脳の若返りなどということについて考えさせられる敬老の日であった。

[DATA]
だんでぃらいおん
東京都小金井市梶野町5₋7-20
[Today's recommendation]

https://youtu.be/Z9mlVhJQgTw




東小金井の「だんでぃらいおん」は有名店である。どう有名かというと、キタナ方面でテレビのネタになったり、と。
僕は入ったことはなかったから中のことは知らないが、たしかに外観のインパクトはすごかった。
ただ、ツタにびっしり覆われた様子をキタナイと表現するのはどうかと思う。ああいうのはオモムキがあるというんじゃないだろうか。中のことは知らないけど。

2013年4月、リニューアルオープン。いまでは明るく清潔感あふれるお店となっている。
往時をしのばせるのは、隣の建物の外壁にツタの根がへばりついていることと、表のショーウィンドーに例の番組のトロフィーと認定証が飾ってあること。なんだかんだいって、うれしかったんだろうな(笑)。
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こちらのマスターは気さくな親分肌という感じで、昔の学生街の喫茶店のマスターという雰囲気。学生に慕われていそう。今日は同業者風常連客と軽妙なトークを繰り広げている。
ほかに学生アルバイト風の男女。どちらも親切で感じがいい。
オーダーは、僕がLunch Menu Aだんでぃ定食(ハンバーグ、カニクリーミーフライ)800円、妻は同Bスペシャルセット(カニクリーミーフライ、メンチカツ、チキンカツ)700円(どちらもライス、みそ汁付き)。

僕は洋食を食べることは多くない。というか、年をとるにつれて機会が減っていった。
それだけに、洋食には思い出がそのまま閉じ込められている感じで、洋食屋ではいつも何とはなしに懐かしい気持ちにさせられる。食べて若いころの記憶がよみがえることもある(「にな川」 参照)。
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オーブン焼き手作りハンバーグは看板メニューのようだ。薄く衣をまとった表面はサクッと、中はみっちりとフワフワの中間タイプ。濃厚なデミグラスソースは手作り感いっぱい。
カニクリーミーフライは、まあつまりカニクリームコロッケで、形が俵ではなく小判でもなく丸形。けっこう大きい。こちらはケチャップベースのトマトソース。
このプレートは2つのソースが楽しめる。

スペシャルセットはご飯も同皿のワンプレート。
中身はだんでぃ定食のハンバーグの代わりにメンチカツとチキンカツ。それでこっちのほうが100円安いから、一緒に頼むとかなりお得感がある。こちらはすべてトマトソース。
2人でAとBというのは正解。売りのハンバーグが食べられ、そのほかに揚げ物が3種類。それで1500円だから、お得感と満腹感が同時に得られる。もちろん味の満足感も。

ところで、店名の由来がThe Rolling Stonesの『Dandelion』というのは、わりと知られた話のようだ。
ちょっと調べてみると、『ダンデライオン(たんぽぽ)』は『この世界に愛を』のB面曲で、アルバム『サタニック・マジェスティーズ』のセッション時に録音されているがアルバムには収録されていない。

高校生のころ『サタニック・マジェスティーズ』のLPを買ったことを思い出した。というか、まず「ストーンズにそういうアルバムあったなぁ…」というところから、「そういえば、オレ、持ってなかったか?」と。
一切合切忘れていたわけである。

味の記憶だけでなく、周辺情報からも何らかの発見や記憶の呼び覚ましがもたらされる。
おじさんがいまどきのラーメン屋に行列している光景をよく見かけるが、そうやって新しい情報に書き換えていくのもいいけど、昔ながらのお店にはこのように懐かしい記憶を呼び起こす力がありそうだ。
そのほうが、より大脳辺縁系の海馬に刺激を与え記憶機能を活性化させることにつながり、認知症予防にも効果的だったりするんじゃないか…?
なんて、図らずも脳の若返りなどということについて考えさせられる敬老の日であった。

[DATA]
だんでぃらいおん
東京都小金井市梶野町5₋7-20
[Today's recommendation]

https://youtu.be/Z9mlVhJQgTw



