雑木林の向こうに突如 新鮮魚介の店 【浜めし 海鮮 ふぃっしゅ】
2017.09.17
多摩北部医療センターの敷地内を通って東側の裏門的なゲートを出る。そのまま右斜め方向に進んで所沢街道に出るのが僕の自転車ルートだが、ここで立ち止まり右ではなく左を振り返ると、“海の幸”“営業中”ののぼり。
こんな畑と雑木林の真ん中で海の幸って…。何かの冗談かと思った。
今年2月のことである。

ここは以前から“ゆば”ののぼりが目を引く食品工場風で、なぜこんなところでゆば? という疑問符付き物件だったが、それが今度は海の幸だから謎は深まるばかりである。
そこで、敷地内潜入調査やネット検索等で探りを入れ、冗談でもなんでもなくかなりちゃんとした営業形態であるらしいという認識には至ったが、それにしても各棟のうらぶれた町工場的外観は飲食店のイメージとはあまりに懸け離れている。こう言っちゃなんだが、食欲が湧かない(笑)。
これは逆に、ものすごいインパクトなわけで、深く脳裏に刻み込まれて消えることがない。怖いもの見たさにも似て、いつか入らずには済ませられないというような。

台風18号が迫るなか、自転車や散歩は無理なので車で食事に行くことになった。しかし僕の入るような店で使いやすそうな駐車場を備えているところは少ない。
そこで思い浮かんだのが、ここ「ふぃっしゅ」。ベースが工場や物流センターだから駐車場が広いはず。

駐車場は広いが、やはり搬出入車両などとの兼用で、一般客用の場所にはコーンが置かれ区別されている
。舗装が激しくでこぼこで、普段このような場所に立ち入ることはまずない。
ゆばの直売店「大豆工房 むさしの庵」を右手に見て建物の角をさらに奥へ。
上りを示す矢印付きの料理写真が張ってある階段。
1階作業場・2階事務所というようなつくりのバラックの外付け階段にしか見えないが、これを上る。

それでようやく真新しいお店の入り口となるのであった。
古びた建屋とのギャップは大きい。

説明があとさきになったが、ここはそもそも1974年設立の活魚卸問屋「㈱ふぃっしゅいんてりあ」の本社所在地。産地直接買い付けや独自ネットワークにより国内外から集めた新鮮魚介類を使った魚料理を低価格で提供するという趣旨で、2階倉庫を改装して店舗としたもの。
同社では飲食店向けの活魚水槽も取り扱っており、ここには大小100面に及ぶ水槽が設置され、そこで蓄養されている活魚を使った料理を提供するのが「ふぃっしゅ」というわけだ。
入って左手に券売機。各種定食や丼物のほか、浜めし(アジフライと刺し身)、アツめし(漁師めし)が売りのようだ。
浜めし950円(妻)と海鮮丼880円(僕)に。
食券を窓口で渡す。引き換えに番号札をもらう。
配膳・お茶・返却までセルフサービスである。

店内はゆったりしたつくりで、テーブル6卓とカウンター10席ほど。
先客はテーブルに初老男女、カウンターに若い男女。
無塗装木材のおしゃれで清潔感あふれる内装で、壁には魚のイラスト。

浜めしの刺し身は、ブリ、マグロの中落ち、アジのたたき。

アジフライは骨せんべい付き。

汁物はつみれ入りのあら汁。
それにこちらの目玉商品の一つ、ゆばが付く。

海鮮丼は、定食と同じ3品に加え、マグロ中トロ、イカゲソボイル、煮ハマグリ。
同じくゆばとあら汁付き。

魚介は鮮度抜群、あら汁もゆばもおいしく、全体にクォリティの高さを感じる。こんな場所で、という意外性も大きいが、逆に言うとロードサイドのチェーン店を軽く超えているのは明白だから、そればかりでもない。魚は鮮度が命という非常に単純な真理に気づかされるのである。
立地やセルフというシステムの意図がわかりにくいが、こういう形態は長く続けば地域の実情やニーズに即していろいろ変化していきそうで、それはそれで面白そうである。

[DATA]
浜めし 海鮮 ふぃっしゅ
東京都東村山市青葉町1-10-15
https://www.facebook.com/hamamesifish/
[Today's recommendation]

https://youtu.be/5UWk3_e6edg


多摩北部医療センターの敷地内を通って東側の裏門的なゲートを出る。そのまま右斜め方向に進んで所沢街道に出るのが僕の自転車ルートだが、ここで立ち止まり右ではなく左を振り返ると、“海の幸”“営業中”ののぼり。
こんな畑と雑木林の真ん中で海の幸って…。何かの冗談かと思った。
今年2月のことである。

ここは以前から“ゆば”ののぼりが目を引く食品工場風で、なぜこんなところでゆば? という疑問符付き物件だったが、それが今度は海の幸だから謎は深まるばかりである。
そこで、敷地内潜入調査やネット検索等で探りを入れ、冗談でもなんでもなくかなりちゃんとした営業形態であるらしいという認識には至ったが、それにしても各棟のうらぶれた町工場的外観は飲食店のイメージとはあまりに懸け離れている。こう言っちゃなんだが、食欲が湧かない(笑)。
これは逆に、ものすごいインパクトなわけで、深く脳裏に刻み込まれて消えることがない。怖いもの見たさにも似て、いつか入らずには済ませられないというような。

台風18号が迫るなか、自転車や散歩は無理なので車で食事に行くことになった。しかし僕の入るような店で使いやすそうな駐車場を備えているところは少ない。
そこで思い浮かんだのが、ここ「ふぃっしゅ」。ベースが工場や物流センターだから駐車場が広いはず。

駐車場は広いが、やはり搬出入車両などとの兼用で、一般客用の場所にはコーンが置かれ区別されている
。舗装が激しくでこぼこで、普段このような場所に立ち入ることはまずない。
ゆばの直売店「大豆工房 むさしの庵」を右手に見て建物の角をさらに奥へ。
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上りを示す矢印付きの料理写真が張ってある階段。
1階作業場・2階事務所というようなつくりのバラックの外付け階段にしか見えないが、これを上る。

それでようやく真新しいお店の入り口となるのであった。
古びた建屋とのギャップは大きい。

説明があとさきになったが、ここはそもそも1974年設立の活魚卸問屋「㈱ふぃっしゅいんてりあ」の本社所在地。産地直接買い付けや独自ネットワークにより国内外から集めた新鮮魚介類を使った魚料理を低価格で提供するという趣旨で、2階倉庫を改装して店舗としたもの。
同社では飲食店向けの活魚水槽も取り扱っており、ここには大小100面に及ぶ水槽が設置され、そこで蓄養されている活魚を使った料理を提供するのが「ふぃっしゅ」というわけだ。
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入って左手に券売機。各種定食や丼物のほか、浜めし(アジフライと刺し身)、アツめし(漁師めし)が売りのようだ。
浜めし950円(妻)と海鮮丼880円(僕)に。
食券を窓口で渡す。引き換えに番号札をもらう。
配膳・お茶・返却までセルフサービスである。

店内はゆったりしたつくりで、テーブル6卓とカウンター10席ほど。
先客はテーブルに初老男女、カウンターに若い男女。
無塗装木材のおしゃれで清潔感あふれる内装で、壁には魚のイラスト。

浜めしの刺し身は、ブリ、マグロの中落ち、アジのたたき。

アジフライは骨せんべい付き。

汁物はつみれ入りのあら汁。
それにこちらの目玉商品の一つ、ゆばが付く。

海鮮丼は、定食と同じ3品に加え、マグロ中トロ、イカゲソボイル、煮ハマグリ。
同じくゆばとあら汁付き。

魚介は鮮度抜群、あら汁もゆばもおいしく、全体にクォリティの高さを感じる。こんな場所で、という意外性も大きいが、逆に言うとロードサイドのチェーン店を軽く超えているのは明白だから、そればかりでもない。魚は鮮度が命という非常に単純な真理に気づかされるのである。
立地やセルフというシステムの意図がわかりにくいが、こういう形態は長く続けば地域の実情やニーズに即していろいろ変化していきそうで、それはそれで面白そうである。

[DATA]
浜めし 海鮮 ふぃっしゅ
東京都東村山市青葉町1-10-15
https://www.facebook.com/hamamesifish/
[Today's recommendation]

https://youtu.be/5UWk3_e6edg

