ひばりヶ丘で本格鉄板焼き 【花瑠音】
2017.09.09
ひばりが丘という地名は、意味的にどうなんだろう。丘といっても田無方面からは真っ平らだし、ヒバリは丘の生き物じゃないし。
“丘”については、たしかに北から見ると落合川の河岸段丘を上る丘になっている。
武蔵野台地の“丘”にはこういうのが多いようだ。
清瀬の旭が丘は柳瀬川を見下ろす丘。光が丘は南を石神井川、西~北を白子川に囲まれた丘。で、自由が丘は多摩川からだらだら上って環八を過ぎて… 下ってないか? この街は真ん中を九品仏川の暗渠が通る低地なので、丘というには無理があるわけで。こういうイメージ先行型もある。
なんだか『ブラタモリ』になってしまってる。

ついでにヒバリだが、そもそも河原や原っぱに生息する。人工的な原っぱでもOKで、たとえば立川駅付近ではモノレールの下、「IKEA」に向かうルートでいまでも普通に見られる。ここは昭和記念公園が近いということもある。
多摩地域の原っぱといえば団地。正確には古い団地を取り壊した跡地。僕は東村山の「いなげや」ができる前、団地を壊して原っぱ状態のときに迷いヒバリを見たことがある。
ひばりが丘の外れにはひばりが丘団地というマンモス団地が控える。ずっと壊したり建て替えたり、突如広大なさら地が出現したりしている。近くに東大の農場もあるし、はぐれヒバリぐらいいても不思議はないと思う。なんだか『ダーウィンが来た!』になってしまってる。

そのひばりが丘だが、買い物ではときどき利用するが、食事はラーメン屋ぐらいしか入ったことがない。
この街は沿線でも屈指のおしゃれスポットとされる(たぶんそれもイメージ先行)。こじゃれたお店の一つもないものかと調べてみると、ちゃんとあるのである。こじゃれた洋食屋が3つも4つも。これは気になる。

それはひとまず置いといて、本日は行き先だけひばりが丘と定め、お店は現地で見た感じで決めるという行動をとることにした。もちろん候補はいくつか決めておく。
「小料理屋のランチ風か、こぎたない系のラーメン屋か、かっちょいい系の洋食屋か」

現地ではそのとおりに見て回って、結局最後の「花瑠音」の前で「ここがいい」と妻。やはりひばりが丘まで来てこぎたない系はちょっと… ということらしい。
で、結果的にずっと気になっていたこじゃれた洋食屋に入ることに。

表に出ているランチメニューから、ポークのピリ辛930円と和風ハンバーグ1030円に決めて店に入ると、ウェイトレスのおねえさんがいきなり「ハンバーグ終わってしまいました」。舌平目の鉄板焼1030円に変更。
ウェイトレスという姿の人を久しぶりに見た。そういう店に入らないから。
店内は、壁がコンクリート打ちっ放し、照明を落としたおしゃれな空間となっている。BGMはクラシカル・クロスオーバー風女性ヴォーカル。
右手に厨房を囲むL字カウンター、フロアもそのとおりに折れていて、奥は窓際にテーブル席が並んでいるようだ。僕らは入って左手のテーブル席に案内される。

スタッフは60代くらいのシェフとウェイトレス姿3人(うち1人の持ち場は厨房内)。途中、がたいのいい若い男性が買い物から戻る。この人は体格こそ違うが表情はシェフに似ている気がするから息子さんかもしれない。
この2人がカウンターの向こうの鉄板で調理をする。

まずサラダ。自家製ドレッシング“ごま・うめ・フレンチ”から、うめとフレンチに。
基本のフレンチドレッシングは酢と油に塩コショウをして乳化させただけ。このシンプルさにプロの誇りのようなものを感じる。

舌平目の鉄板焼(妻)は、バターで香りよく焼き上げられた舌平目に、酸味を効かせたトマトソースが爽やか。
ケッパーをふんだんに使った料理というのも、僕には新鮮だ。

ポークのピリ辛(僕)はみそベースの甘辛の味付けで、ニンニク、山椒、唐辛子などで香りと辛みを付けた、まさにご飯が進む系。
肉の量も意外に多く、上品なお店だからご飯が少なめなのがいかにも残念。

洋食店ながらみそ汁は本格的な赤だし、香の物は野沢菜に自家製浅漬けと、抜かりがない感じ。

あとで知ったことだが、こちらのシェフは帝国ホテル出身である。長く更新されていないようだが(値段が古いまま)、一応ホームページがあって、そこには次のように書いてある。
「私、帝国ホテルのレストラン嘉門で永年シェフをつとめて参りました。その経験を生かしたお味をしかも、お手ごろな値段でじっくり楽しんでいただけるような雰囲気づくりをこころがけて皆様にご好評をいただいております」

その「嘉門」を調べたところ、「ランチ5800円~ ※消費税込、サービス料別」という店であった。そりゃ、帝国ホテルなんだから。
ランチ5800円~ を930円~ でいただけると考えただけでもたいへんお得である。しかしながら、僕には「帝国ホテル東京の本館最上階から望む銀座・有楽町・日比谷周辺の景色と共に、最高級の鉄板焼と贅沢な非日常の時間をお過ごしください」よりも、東京郊外の古びたビルの奥でひっそり営まれる洋食屋の窓からラーメン屋や不動産屋を見下ろしていただく肩肘張らない料理のほうが魅力的なので、満足度は差額以上のものがある。

[DATA]
花瑠音(かるね)
東京都西東京市谷戸町3-27-24 ひばりヶ丘プラザ2F
http://www1.odn.ne.j/~aaw02210/
[Today's recommendation]

https://youtu.be/ShQTEUjdBxY




ワレモコウ(東久留米市学園町)
学生運営カフェ
2017.09.09 自由学園しののめ茶寮/東京都東久留米市学園町1-8-33
https://jiyu.jp/shinonome/

自由学園内の学生運営カフェでパンを買う。
平型食パン250円、チーズツイスト(2個)240円。
ランチもやってるよ♪
ひばりが丘という地名は、意味的にどうなんだろう。丘といっても田無方面からは真っ平らだし、ヒバリは丘の生き物じゃないし。
“丘”については、たしかに北から見ると落合川の河岸段丘を上る丘になっている。
武蔵野台地の“丘”にはこういうのが多いようだ。
清瀬の旭が丘は柳瀬川を見下ろす丘。光が丘は南を石神井川、西~北を白子川に囲まれた丘。で、自由が丘は多摩川からだらだら上って環八を過ぎて… 下ってないか? この街は真ん中を九品仏川の暗渠が通る低地なので、丘というには無理があるわけで。こういうイメージ先行型もある。
なんだか『ブラタモリ』になってしまってる。

ついでにヒバリだが、そもそも河原や原っぱに生息する。人工的な原っぱでもOKで、たとえば立川駅付近ではモノレールの下、「IKEA」に向かうルートでいまでも普通に見られる。ここは昭和記念公園が近いということもある。
多摩地域の原っぱといえば団地。正確には古い団地を取り壊した跡地。僕は東村山の「いなげや」ができる前、団地を壊して原っぱ状態のときに迷いヒバリを見たことがある。
ひばりが丘の外れにはひばりが丘団地というマンモス団地が控える。ずっと壊したり建て替えたり、突如広大なさら地が出現したりしている。近くに東大の農場もあるし、はぐれヒバリぐらいいても不思議はないと思う。なんだか『ダーウィンが来た!』になってしまってる。

そのひばりが丘だが、買い物ではときどき利用するが、食事はラーメン屋ぐらいしか入ったことがない。
この街は沿線でも屈指のおしゃれスポットとされる(たぶんそれもイメージ先行)。こじゃれたお店の一つもないものかと調べてみると、ちゃんとあるのである。こじゃれた洋食屋が3つも4つも。これは気になる。

それはひとまず置いといて、本日は行き先だけひばりが丘と定め、お店は現地で見た感じで決めるという行動をとることにした。もちろん候補はいくつか決めておく。
「小料理屋のランチ風か、こぎたない系のラーメン屋か、かっちょいい系の洋食屋か」

現地ではそのとおりに見て回って、結局最後の「花瑠音」の前で「ここがいい」と妻。やはりひばりが丘まで来てこぎたない系はちょっと… ということらしい。
で、結果的にずっと気になっていたこじゃれた洋食屋に入ることに。

表に出ているランチメニューから、ポークのピリ辛930円と和風ハンバーグ1030円に決めて店に入ると、ウェイトレスのおねえさんがいきなり「ハンバーグ終わってしまいました」。舌平目の鉄板焼1030円に変更。
ウェイトレスという姿の人を久しぶりに見た。そういう店に入らないから。
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店内は、壁がコンクリート打ちっ放し、照明を落としたおしゃれな空間となっている。BGMはクラシカル・クロスオーバー風女性ヴォーカル。
右手に厨房を囲むL字カウンター、フロアもそのとおりに折れていて、奥は窓際にテーブル席が並んでいるようだ。僕らは入って左手のテーブル席に案内される。

スタッフは60代くらいのシェフとウェイトレス姿3人(うち1人の持ち場は厨房内)。途中、がたいのいい若い男性が買い物から戻る。この人は体格こそ違うが表情はシェフに似ている気がするから息子さんかもしれない。
この2人がカウンターの向こうの鉄板で調理をする。

まずサラダ。自家製ドレッシング“ごま・うめ・フレンチ”から、うめとフレンチに。
基本のフレンチドレッシングは酢と油に塩コショウをして乳化させただけ。このシンプルさにプロの誇りのようなものを感じる。

舌平目の鉄板焼(妻)は、バターで香りよく焼き上げられた舌平目に、酸味を効かせたトマトソースが爽やか。
ケッパーをふんだんに使った料理というのも、僕には新鮮だ。

ポークのピリ辛(僕)はみそベースの甘辛の味付けで、ニンニク、山椒、唐辛子などで香りと辛みを付けた、まさにご飯が進む系。
肉の量も意外に多く、上品なお店だからご飯が少なめなのがいかにも残念。

洋食店ながらみそ汁は本格的な赤だし、香の物は野沢菜に自家製浅漬けと、抜かりがない感じ。

あとで知ったことだが、こちらのシェフは帝国ホテル出身である。長く更新されていないようだが(値段が古いまま)、一応ホームページがあって、そこには次のように書いてある。
「私、帝国ホテルのレストラン嘉門で永年シェフをつとめて参りました。その経験を生かしたお味をしかも、お手ごろな値段でじっくり楽しんでいただけるような雰囲気づくりをこころがけて皆様にご好評をいただいております」

その「嘉門」を調べたところ、「ランチ5800円~ ※消費税込、サービス料別」という店であった。そりゃ、帝国ホテルなんだから。
ランチ5800円~ を930円~ でいただけると考えただけでもたいへんお得である。しかしながら、僕には「帝国ホテル東京の本館最上階から望む銀座・有楽町・日比谷周辺の景色と共に、最高級の鉄板焼と贅沢な非日常の時間をお過ごしください」よりも、東京郊外の古びたビルの奥でひっそり営まれる洋食屋の窓からラーメン屋や不動産屋を見下ろしていただく肩肘張らない料理のほうが魅力的なので、満足度は差額以上のものがある。

[DATA]
花瑠音(かるね)
東京都西東京市谷戸町3-27-24 ひばりヶ丘プラザ2F
http://www1.odn.ne.j/~aaw02210/
[Today's recommendation]

https://youtu.be/ShQTEUjdBxY




ワレモコウ(東久留米市学園町)

2017.09.09 自由学園しののめ茶寮/東京都東久留米市学園町1-8-33
https://jiyu.jp/shinonome/

自由学園内の学生運営カフェでパンを買う。
平型食パン250円、チーズツイスト(2個)240円。
ランチもやってるよ♪
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